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「入社1年目。上司の厳しいマネジメントに耐えるしかないのか?」【シゴト悩み相談室】

キャリアの構築過程においては体力的にもメンタル的にもタフな場面が多く、悩みや不安を一人で抱えてしまう人も多いようです。そんな若手ビジネスパーソンのお悩みを、人事歴20年、心理学にも明るい曽和利光さんが、温かくも厳しく受け止めます!

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曽和利光さん

株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか? 人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。

CASE21:「上司の厳しいマネジメントについていけない…」(24歳男性・広告代理店勤務)

<相談内容>

新卒入社1年目です。営業としての基本を早く覚えて一人前にならなければと思うのですが、上司のマネジメントが厳しすぎて、ついていけません。

上司は28歳。社内でも有名な熱血漢で、メンバー一人ひとりを精魂込めて育てようとしてくれているのだと感じるのですが…毎朝、その日の行動予定をすべて報告し、帰社後はみっちり1時間振り返り。計画通りに動けていなかったり商談内容がイマイチだったりすると、厳しく指導されます。そして一からロープレのやり直し…。

1年目ですし、どんどん仕事を覚えて成長しなければならないのはわかりますが、毎日の上司とのやり取りが憂鬱です。少しでも状況を変える方法はあるのでしょうか?それとも耐えるしかないのでしょうか?(広告代理店・営業職)

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マイクロマネジメントは新人教育のセオリーの一つであり、成長のために必要な第一歩

相談者の上司のように、部下の一挙手一投足まで細かく管理するマネジメント方法のことを、人事用語で「マイクロマネジメント」と呼びます。過干渉マネジメントとも呼ばれ、あまりいいイメージをもたれませんが、新人を育てる方法としては理に叶っており、新人教育の原理原則とも言えます。

自由を謳歌した学生時代からガラリと環境が変わり、上司に毎日ものすごく縛られ、不自由を強いられていると感じるかもしれません。でも、これは後々の成長のための第一歩。英会話を習得するために、まずは英単語や文法をひたすら覚えたり、野球がうまくなるためにまずは素振りを何度も繰り返したりするのと同じなのです。

ビジネスや仕事に重要な言葉に「守破離」があります。師匠から教えられた型を「守」り、それを自分のものにする過程で少しずつ改善を加えて師匠の型を「破」り、自分のスタイルが確立できたら師匠の型から「離」れて自由になる…この段階を踏んでこそ、一人前になれるという考え方です。

つまり、上司は今、あなたに守破離の「守」を伝授してくれているのです。型を取得すれば、早晩自由が見えてきます。まずはこの「守」に全力を注ぐことが、現状打破の近道と言えます。

自由が欲しいならば、「それが必要である理由」とともに真剣に訴えてみよう

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もちろん、上司のマイクロマネジメントが明らかに「行き過ぎた過干渉」であり、言葉の暴力があるなどもはやパワハラの域であるならば、さらに上の上司に訴えるべきです。しかし相談内容を見ると、どうやら上司はそこまで悪い人ではなさそうですね。

「現状が辛い」と嘆いている一方で、上司のことを「社内でも有名な熱血漢で、メンバー一人ひとりを精魂込めて育てようとしてくれているのだと感じる」と表現しているのですから、おそらく心根は優しい人であり、新人を1日でも早く成長させたいという一心なのでしょう。相談者も上司のことが嫌いというわけではなさそうです。

放任主義の上司のもと、我流で仕事を覚え育った人は、基本的な「型」を習得していないから、始めは良くてもいつかどこかで頭打ちになる日が来ます。今は辛くても、がっつり「型」を伝授してくれようとしている上司のことを、いつか感謝する日が来るのではないか…と私は思います。

そもそも、上司の態度や教育姿勢は、対象者の年次や業務の習熟度合いによって異なるはず。周りを見回してください。入社2年目や3年目の人には、相談者と同じ接し方はしていないのでは?あなたの成長ステージが変われば、必ず上司のマネジメント方法も変わります。目の前の仕事に注力しつつ、そのときを待ちましょう。

ただ「わかっちゃいるけど、もう少しでいいから自由が欲しい」という場合は、その思いを真剣に伝えてみては。

対面でもいいし、メールでも手紙でもいい。例えば「週1でいいから、自分一人でその日1日を振り返り、熟考する時間がほしい」などと訴えてみましょう。その時間があなたに必要だということが伝われば、上司もきっとわかってくれるはずです。

今の状態がいつまで続くのか、先が見えれば頑張れるはず

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相談者は上司のマイクロマネジメントそのものよりも、「この状態がいつまで続くのかわからない」から辛いのではないでしょうか?

あと2カ月経てば、相談者は入社2年目に突入します。そこから考えても、おそらく今のようなマイクロマネジメントが続くのはあとわずかだと思いますが、新人時代はそんなメドもつかないから先が見えず、余計辛いのでしょう。

例えば先輩に、「このような指導は通常どれぐらいの期間続くのか」などと質問してみてはどうでしょう。同じ道を歩んだ経験のある先輩であれば、大よそのメドを教えてくれるはず。例えば「次の新人が配属される夏には、新人教育で忙しくなるから変わるはずだよ」などとわかれば、「よし、あと半年だったらなんとか頑張るぞ!」と思えるようになるのでは?もちろん、業務の習得度合いによって個人差はあるでしょうが、目安がわかれば視点を今から未来に移すことができ、意欲も湧いてくるのではないでしょうか。

これからさまざまな経験を積み、大きな仕事を任されるようになるにつれ、「ビジネス持久力」が求められるようになります。目の前の細かな事象に翻弄されず、長い視点でビジネスを設計し、最後まで遂行する力のことです。目先の出来事ばかりに目を奪われ、いちいち思い悩むのではなく、今のうちから「先々を見据えて今を努力する」訓練をしておくことです。

そもそも新人時代は、たかだか半年間がまるで永遠のように感じるものです。私ぐらいの年齢になると、1年なんてあっという間で驚きますよ。現状は、おそらく相談者が思っているよりも早く変わります。それを信じて今を努力してみてください。

<アドバイスまとめ>

新人時代はあとわずか。

状況はあっという間に変わる。

おそらく来年の今頃には

今の悩みも笑い話になっているはず

EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭

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