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「考える時間がない」多忙な職場を改善するためのリーダーの思考法

「考える時間がない」多忙な職場を改善するためのリーダーの思考法

「働き方改革」が至るところで叫ばれていた2017年だったが、「時短」ばかりが叫ばれて仕事の効率化できていなかったり、より忙しくなってしまっていたりする職場も珍しくないだろう。

これまでの空気をガラッと変えるならば、職場全体を「思考停止状態」から常に全体が考える組織にしなければいけない。そこで参考になるのが『新版“思考停止人生”から卒業するための個人授業』(ごま書房新社)である。

新刊JPによる本書の著者・潮田、滋彦氏のインタビュー。前編では個人の思考停止にフォーカスしたが、後編では職場の思考停止についても触れていく。リーダーやマネージャー、経営者層にもぜひ読んでほしい。金言が詰まっているはずだ。

(新刊JP編集部)

■チームの「思考停止」を改善するために上司がすべきこととは?

――改めて「思考停止」とはどのような状態なのか教えていただけますか?

潮田:考えることをやめてしまった状態、深く考えずに動いている状態です。人の話を鵜呑みにしたり、物事の表面だけしか見ていなかったりする特徴がありますね。また、いつも同じ毎日の繰り返しという人も「思考停止状態」です。

――そのほうが楽なんですよね。

潮田:その通りです(笑)。効率的ですし、一概に悪いことばかりではないとも思うのですが、これが習慣として根づいてしまうと、その先に行くことができなくなるのです。そこから抜け出すために、どんなに小さなことでも新しい習慣を何か一つでも身に付ける姿勢を持つことが大切です。

――今年は「働き方改革」が流行語になるなど、組織としての働き方が問われました。本書では職場全体が思考停止になっているケースも取り上げていますが、働き方が変えられない組織は「忙しさがすべてに優先している」という特徴が一つあると思います。

潮田:(笑)よくありますよね。私もとにかく忙しい毎日を送っていますが、その中でいつも意識していることは、「時間は作るもの」だということです。

それはまとまった長い時間ではなく、短い時間でもいいわけです。自分なりに今の状況を整理して、今日できる一歩を踏み出すことが大切です。これを続けていけば、おのずと時間が捻出できるようになります。忙しいからこそ踏み出す。それを同時にやってみることが、マンネリ感から抜け出すうえで重要です。

――その一歩を踏み出すときに、潮田さんはどのくらい先の未来まで考えますか?

潮田:私は3年くらい先に自分がこうなっていればいいなということを意識しています。ただ、あまり先ばかり考えるとやらないといけないことばかりになるので、まずは半年で何ができるのかを考えますね。

私のスケジュールは薄型A4サイズで、年間スケジュール表があるほかに、見開きのA3サイズで1ヶ月のスケジュールが見渡せるようになっています。年間、月間のスケール感で物事を考えることができるので、おすすめです。見開きで1週間ごとの手帳を使っていらっしゃる方も多いと思いますが、そうなると目の前のことでいっぱいになりますよね。

パソコン、タブレット端末、紙などさまざまなツールがありますが、どのようなものであっても、短期と長期の両面で考えられるものがおすすめだと思います。

――個人の場合は「時間を捻出する」という方法で思考停止から脱却できると思いますが、チーム自体が忙しいとなると難易度が上がりそうです。

潮田:コスト削減を求められたり、失敗が許されなくなって追い込まれている職場は多いですよね。こうした職場は確かに思考停止に陥りやすいのですが、上司のマネジメントでそこから脱却することができるはずです。

それは現状維持をOKとせず、チャレンジを推奨する風土を作り上げることです。追い込まれている職場の多くは「チャレンジする暇がない」という状況に陥っていると思うのですが、上司の立場にある人は「小さなことから変えてごらん」と呼びかけてあげましょう。

また、上司は部下の失敗に対して寛容であることが大切です。本書でも「失敗は成功に向かう途中のフィードバックである」と書いていますが、失敗には必ず学びがあるんですね。一番良くないのは何もやらない状態を放置し続けること。上司はもし部下から「こんなことやりたい」という提案がきたら一度受け止めてあげましょう。「何言ってるんだ、無理だろ」という言葉は禁句です。どんなにピントが外れていても考えるということに価値がありますから、チャレンジさせてあげるといいと思います。

――チャレンジさせたけれど、結局失敗してしまった。そのときのフォローはどうすればいいのでしょうか。

潮田:「だから言っただろう」と責めないでほしいのです。本人に何がいけなかったのか気付かせることが大事です。自分の頭で考える習慣は、一朝一夕で身に付くものではありません。「どんな工夫をした?」「どう思う?」「次はどうすれば良くなる?」と常に質問をしながら、部下の言葉を引き出してあげながら考える習慣を身に付けさせることが大事ですね。

――お聞きしたかったのですが、思考停止の特徴にある「資料やデータをそのままコピペ」する人って今とても多いですよね。その資料やデータが間違えたときに「このデータが間違えていたから(自分は悪くない)」と責任から逃れてしまう姿勢が見え隠れすることがあるのですが、潮田さんはどう思いますか?

潮田:おっしゃる通りです。特に研修で感じるのは、思考の過程よりも正解を求めるようになったということです。でも仕事って正解が一つではないじゃないですか。もちろんその時に最適な解答はあるのかもしれないけど、絶対的な正解ではないですよね。だから、私の研修では正解はどうであれ、自分で考えることに価値を置くようにしています。

――ただ、私たちはどうしても誰かの解答に寄りかかることで自分を防衛しがちですよね。

潮田:それはありますよね。失敗はリスクだと感じている人が多いのだと思います。ただ、そこは先輩や上司が、失敗は悪いことではないし、リスクを引き受けることも悪いことではないということを常に言い続けることが大切です。

――最後に、本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?

潮田:前回は「すべての大人の人に」と答えたんですよね(笑)。それは変わっていませんが、3つあげましょう。まずは企業や自治体のマネージャーや経営者です。その人たちの職場の風土を作るので、自分たちがまず思考停止になっていないか考えてほしいですね。

2つ目は若手の人たちです。インタビューの中でも若い子たちの話が出てきましたが、頭が柔軟なうちに考える習慣を身に付けてほしいです。また、失敗に対して過敏にならないでほしいとも思います。失敗は自分の成長を促す大切なものですから。

最後は親の世代です。人間の基本的なものの見方や取り組み方、スタンスは子どもの頃に身に付くものですから、まずは親の世代が思考停止にならないということが大事です。

(了)

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