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マンションって、誰がどうやって管理してるの?マンションの「管理」を担う人たちに聞いてきた

マンションって、誰がどうやって管理してるの?マンションの「管理」を担う人たちに聞いてきた。

「戸建て住宅と違って、マンションに住んでいれば自分以外の第三者が管理してくれる」という認識で分譲マンションを購入する人が結構いるようだ。しかし、いったいどこの誰が、いつ、どのように管理してくれているかについて、きちんと把握できているだろうか。分譲マンション購入を検討するなら、知っておきたい、マンションの管理の仕組みのイロハを取材してきた。

管理組合、管理者、理事会、管理会社、管理員…それぞれの役割とは?

「マンション管理」の構成員として、管理組合、管理者、理事会、管理会社、管理員と似たような言葉が羅列され分かりづらい。それぞれの立場や役割が違うので、それをまとめておこう。【画像1】マンション管理の仕組み(画像提供/一般社団法人マンション管理業協会)

【画像1】マンション管理の仕組み(画像提供/一般社団法人マンション管理業協会)

まず管理組合とは「区分所有者が全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(区分所有法第3条)」のことで、マンションを購入した人が構成員となる組織だ。つまり区分所有者による区分所有者のための団体である。ここで大切なことは、区分所有者は本人の意思に関係なく管理組合には必ず加入しなければならないということだ。「区分所有者=管理組合」ということである。「面倒なので管理組合には加入しない」といった選択の余地はない。

「一棟の建物全てを所有するオーナーが賃借人に貸している賃貸マンションは区分所有法の適用になりませんし、管理組合は存在しません。所有者が1人のオーナーだけなので建物の管理もオーナーの責任になります。分譲マンションの場合は専有部の管理は区分所有者が各々管理し、共用部は区分所有者全員で管理する責任があります」と、今回取材を受けていただいたマンション管理業協会、業務部の 山崎有恒さん。

建物等の管理は「区分所有法の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、管理者を置くという方法によって行われる(同法3条)」と決められている。

そしてここでの「管理者」とは区分所有者全体の集まりである管理組合の代表者にあたる。その管理業務を全員で行うことは難しいので、「集会(総会)の決議により管理者を選任し、選任された管理者が管理業務を実行すること(同法25条~29条)」となっている。多くのマンションではこれが「理事会」にあたり、その目的は、管理組合がするべき業務を執行する機関として機能することだ。会社で言えば取締役会に似たような役割になるだろう。

管理の具体的な業務については専門的・技術的な知識が必要なことも多く、管理組合と理事会だけで行うのは実際には難しい。管理業務を管理会社に一括して委託、あるいは一部を委託して行うのが通常だ。

つまり管理会社は、管理の主体である管理組合と締結した管理委託契約に基づいて管理業務を委託されているという立場だ。あくまでも管理に関する主役は管理組合であり、その意思決定に沿った「業務」を依頼されて実施するのが管理会社というわけだ。

国土交通省作成の「マンション標準管理委託契約書」では、下記のように管理業務を類型化している。

■事務管理業務

管理組合の会計の収入及び支出の調定、出納、当該マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整を期間事務というが、管理会社はこの3つを一括しての外部に再委託することは禁止されている。この業務に関連して、管理費、修繕積立金の収納があり、管理に管理業者が関与するため、財産の分別管理について、詳細な規定が設けられている。

■基幹事務以外の事務管理業務(理事会支援業務、総会支援業務、その他)

・管理員業務

一般的には通勤方式が多く、受付等の業務、点検業務、立会業務、報告連絡業務に細分化される。

・清掃業務

日常清掃(床の掃き拭きやちりはらい等を中心とした清掃)と特別清掃(定期的に床の清掃やワックス仕上げ等を行うことをいう)に細分化され、いずれも清掃員が作業を行う。

・建物・設備管理業務

建物点検、検査、エレベーター設備、浄化槽、排水設備、消防用設備、機械式駐車場設備が掲載されている。

「管理会社は、管理組合と『管理業務委託契約』を締結し、管理業務を委託される立場です。その管理業務のうち、『基幹事務』の会計面については管理会社の会計部が、マンションの実務的な運営面は一般的に『フロントマン』と呼ばれる担当者が対応する例が多いですね。そして管理業務のうち最も日常的な業務を担当しているのが一般に管理員と呼ばれる人たちです」と山崎さん。管理と言っても、その仕事内容は幅が広い。

「管理員室」の管理員さんは、毎日何をしているの?

管理員さんは、どのような立場なのかも聞いてみた。

「各管理員は管理会社と雇用契約を結んで各マンションに派遣されている場合が多いです。業務内容もあらかじめ管理会社と管理組合が決めた内容に沿って仕事の範囲が決められています。ごく稀に自主管理をしているマンションの場合は管理組合が直接管理員を雇っている場合がありますが、ほとんどの場合は管理会社の社員もしくは派遣です」とのこと。

次に管理員さんは一体どんな仕事をしているか、疑問に思ったことを聞いてみた。

「実際の仕事は大きく分けて受付業務、点検・巡回業務、立会業務、報告連絡業務等です。居住者や来訪者からの問い合わせ・ご相談の対応や集会室等共用施設の予約管理が『受付業務』。建物・設備の目視点検、無断駐車等の確認が『点検・巡回業務』。外注業者の業務履行やゴミ搬出時に立ち会う『立会業務』です。中には日常の清掃やゴミ出し等の『清掃業務』を管理員がかねている場合もあります」

マンションの規模によっては、各担当者が別々にいる場合もあるようだ。

住民から「自分の部屋(専有部)の電球交換をしてほしい」といった要望もあるらしいが、基本的には共用部の管理が中心だ。あくまでも「管理委託契約書」で決められていて、必ず年1回(契約期間1年の場合)は管理会社から区分所有者にその内容の説明が行われてから契約することになっている。つまりプラスαの要望があれば住民は管理組合・理事会に要望して、それが管理組合全体の要望であれば管理会社と協議して契約条項に入れる必要がある。管理員に直接交渉しても契約外の業務は依頼できないというのが通常だ。

つい、あれもこれもお願いしたくなるが、その業務が契約に沿っているかどうかは「管理委託契約書」で確認しておく必要がある。

あくまでも「管理組合」が管理の主役である

「マンションの管理」はめんどうなので他人事と思っていても、購入して区分所有者となった人は、同時に管理組合員になり、主体的に取り組む責任が生まれるのだと思う。それはマンションを購入する前から頭に入れておきたい。

「管理のいい悪い」が取りざたされることが多いが、実はそれを決めるのは区分所有者であり、その集合である管理組合だ。マンションの「管理規約」にしても、「管理委託契約書」にしても、個々のマンションにあったものに総会の決議で変更はできる。またマンション管理会社や管理員を信頼して、存分に働いてもらうようにするのも、管理組合の能力にかかっている。快適なマンション生活のために知恵を出し合って工夫していくと、自ずと「管理のいいマンション」にたどり着けることが可能であり、強いては自分たちの財産を守ることにつながる。

最近では、マンションの管理を自分ごとと捉え、積極的に参加している理事たちの話題も耳にする。マンションの理事の情報交換の場も生まれつつある。しかし一般的にはまだその意識は低い。自分自身の資産運用の1つとしても、もっと区分所有者一人ひとりが主体的に「マンション管理」にかかわる必要がある。●取材協力

マンション管理業協会
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