「相撲トレ」は運動が苦手な人にこそ進めたい!?
いくつになっても健康でいられることは誰もに共通する願いですが、残念ながら現状、日本人の3人にひとりは”寝たきり予備軍”といえるのだとか。そして「寝たきり」の理由は病気がすべてではなく、身体運動にかかわる器官である運動器の衰えから起こることも……。
運動器の衰えが原因で立つ、歩くといった移動するための能力が衰えた状態のことを「ロコモティブシンドローム」(略称:ロコモ)といいますが、ではロコモにならないためにはどうすればよいのでしょうか。その対策のひとつとして役立つのが本書。付属のDVDを観ながら簡単で楽しい体操「相撲トレ(すもトレ)」をしたり、ちょっと生活習慣を変えたりしてみる。それだけで「ロコモ」を遠ざけることができるというから驚きです。
第1章から第5章まで全5章からなる本書。第1章では”寝たきり予備軍”かどうかを診断できる「ロコモ度テスト」、第5章では美味しく食べて一生歩ける体を作る「ロコモレシピ」が載っているほか、第2章から第4章までは「相撲トレ」を中心とした体操について写真付きで詳しく解説しており、全体を通して徹底的にロコモを避けるのに役立つ内容となっています。
さて、そろそろ皆さんも気になっているであろう「相撲トレ」という言葉。これは3拍子の「ワルツ」にのせて相撲の動きをするという筋力トレーニングのこと。著者であり整形外科の権威でもある大江隆史氏が、運動が苦手な人でも続けられるよう「横綱土俵入り」の動きを簡略化しながら下半身が効率よく鍛えられるようにと考案したものです。
大江氏によると、下半身の筋肉をつけることで余分な脂肪が燃える、血流がよくなる、姿勢がよくなる、内蔵の調子がよくなる、さまざまな病気になるリスクが下がるなどのほか、何より「移動に必要な運動器の機能が向上する」ことが期待できといいます。
時間はわずか2分弱。優雅なワルツのリズムに乗った運動は「激しさ」とは無縁ですが、やってみるといつの間にかじんわりと汗をかいていることに気づくはず。効果が高く「きつい」と感じる運動は動きが早いイメージがありますが、ゆったりとした動きを止めることなく続ける運動は筋肉の緊張状態が続くため、見た目以上にきつく効果が高いのだそう。たしかに「相撲トレ」に入っているようなスクワットや片脚立ちに激しい動きはありませんが、これらの運動を毎日続けていけば確実に下半身に筋肉がつき足腰が強くなれそうです。
日本は長寿の国だからといって安心しきってはいられません。これからますます高齢化が進むなか、寝たきりにならず毎日をイキイキと過ごせることは誰しもが望むところでしょう。そのためにもぜひとも取り入れてみたい「相撲トレ」。簡単で楽しく続けられて効果的と、まさにいいことづくめの体操といえるかもしれません。
■関連記事
老人力はポジティブに捉える!? 笑って読める病気のしくみ
糖質を摂るからこそヤセられるダイエット法がある!?
女性同士でもちょっと聞きづらい「アノ」話、実はとっても大事だった!
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。