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関東の一大中華チェーン「珍来」をご存じ?そこには安さ&大盛りで男たちの胃袋を満たしてきた下町スピリットがあった

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「珍来」というローカル中華チェーンをご存じだろうか。

東京23区では北東部、東武スカイツリーライン沿線によく見かける。

赤地に白で「珍来」とデカデカと書かれた派手な看板を掲げ、軒先でお土産餃子を包んでいる姿を見かけたことがあるかもしれない。

東京23区の南部、西部にお住まいの方には馴染みが薄いもしれないが、珍来とは直営4店舗、チェーン店30店舗からなる老舗のラーメン店。しかし、フランチャイズでありながらフランチャイズではない、という不思議なチェーン店なのだ。

のれん分けを許されるのは各店舗で修行した者だけで、今では珍しく職人を養成しているらしい。さらに、独立したい若者のために珍栄会という協同組合を結成し、新規開店を支援しているという。

「珍来」の個性は、大盛りで頼むと麺類は洗面器のようなサイズで登場するなど、その圧倒的ボリュームと安さ、お店ごとの独自セットやオリジナルメニュー、そして量も価格も微妙に異なる地域性にある。

それがどうして下町のエリアだけに発展したのか、なにか秘密があるに違いない。

元はラーメン専門店だった!?

というわけで、珍来総本店 三代目社長・清水秀逸氏に話をうかがってみることに。

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── 「珍来」の歴史はかなり古いとお聞きしています。

清水社長:ウチは昭和3年創業と、チェーン展開しているお店では、ウチより古いところはないので、日本のラーメンチェーン最古参とうたっています。

── 社長で三代目ということで、創業時のことからまずおうかがいしたのですが。

清水社長:昭和3年に祖父(清水清氏)が日暮里で始めて、その後、戦争中に小麦が配給になって、一度商売が継続出来なくなったんです。

── その時は製麺業だったんですか。それともすでに中華店としてスタートされていた?

清水社長:両方です。東京製麺組合の初代理事になった、宇留野(うるの)八代吉という方から、製麺を教わったと。

── そもそも、お祖父様はなぜ製麺業を始められたのでしょうか。

清水社長:それはやっぱりラーメンにほれたから、だと思うんですよね。明治の人ですから、小学校出てすぐでっち奉公に出て、その後、東京出た時にラーメン食べて、その時の味が忘れられなかったそうです。

── 終戦となって、浅草の瓢箪(ひょうたん)池の脇の闇市で商売を再開したと聞いていますが、浅草の闇市で再開されたときもラーメン専門店だったと。

清水社長:闇市で物資も少ない中で、出来るのはせいぜいラーメンくらい。今では「珍来」といえば、餃子もチャーハンも野菜炒めもある、町の中華屋さんの規模を少し大きくしたイメージだと思うんですけど、親父(二代目・清水和圭氏)にも祖父にも、ウチの本業は製麺だからな、本業を忘れたらイカンと昔から言われてました。親父も小さい製麺工場から始めましたし、今でも八潮ドライブイン店の裏に製麺工場があります。

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▲足立区島根にあった製麺工場。昭和34年頃、幼少期の社長とお母さん

── 「珍来」の麺というと、縮れて太いという印象が強いですが、創業当初から同じような麺だったのでしょうか?

清水社長:そうです! 祖父が昭和初期に、珍来式手打ちラーメンを編み出したんです。自分が「『珍来』の経営者です」と名乗るとよく言われるのが、「麺太いよねって(笑)」

── やはり皆さんそう思いますよね(爆笑)。

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▲手もみでヒネリがあるのが特徴の太麺

清水社長:何かしら言って頂けるというのは、印象に残っているから。最近だと、ゆで卵タダでくれるよね、とか(笑)。

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▲お通しのように直営店では最初に登場する、ゆで卵

── あのゆで卵、おなか空いているときには何よりありがたいサービスです。

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