必ず目標を達成する人の3つの思考
夢や目標を持つことは日々の生活に刺激を与えてくれます。その目標が大きければ大きいほど、達成した時の充実感や満足感も純度の高いものになるはずです。
『精神筋力 困難を突破し、たくましさを育てる。』(生産性出版/刊)は、海洋冒険家の白石康次郎さんが、自身の体験を交えながら、困難に負けずに目標にアプローチする大切さをつづっている一冊。
1994年にヨット単独無寄港世界一周を史上最年少で成し遂げ、2006年には単独世界一周ヨットレース「5OCEANS」クラスIに日本人として初めて挑戦、総合2位という好成績を残した白石さんは、まさに大きな目標を達成し続けてきた人だといえます。
一体どのように自分の立てた目標と向き合い、困難を乗り越えてきたのでしょうか。
■大きなことは小さな努力の積み重ねでできる
白石さんは、どんなに大きなことも、小さなことを少しずつ積み重ねていけば達成できるといいます。
ヨットでの世界一周という、一般人からするととてつもない目標でも、少しずつ準備を整え、人脈を作り、資金を調達することで白石さんは達成してきました。
大きなものは、小さなものでできていると心得て、決して目標を投げ出さず、小さな努力を続けていくことが重要です。
■潔く諦めた時、光が見えてくる
ヨットでの世界一周に向けて、白石さんがスポンサー探しをしていた時のこと。
父親に借金をしてヨットを手に入れた白石さんは、その船を世界一周に向けて修理をしなければなりませんでしたが、そのためには少なくとも2000万円は必要だったそうです。
個人で貯めるにはあまりにも高額なため、スポンサーを募って資金を調達しなければなりません。
当時はバブルがはじけ、経済が冷え込んでいた時期でしたが、白石さんにはヨットでの世界一周の「世界記録」に挑戦するという強みがあったため、資金を出してくれる会社は見つかるはずだと楽観的に構えていましたが、半年間探してもそんな会社は一つもありませんでした。
どんなに探してもダメだったということで、出港日を1992年10月と決めていた白石さんは、その年の春にスポンサー探しを諦めました。その代わりに船を係留している伊豆の岡村造船所に向かい、親方の岡村彰夫さんに土下座をして、ヨットで世界一周をしたいがお金がないことや、助けてほしいことを訴えたのです。
白石さんの思いが通じたのか、岡村さんは造船所の工具を自由に使う許可を与え、さらには家に居候させて生活の面倒まで見てくれたそう。
こうして白石さんは造船所の設備を使い、自力で船の修理にかかることができました。やるだけやってダメなら、諦めること得られるものもあります。白石さんは、スポンサー探しを諦めたことで一生の恩人に出会えたといいます。
■「もし死んだら…」ではなく「死ぬ」覚悟をする
ヨットレースに危険はつきものです。いくら事前に調べていても、海に出ると予想外のことが次々と起こり、死の危険も少なからずあります。
何らかのトラブルでレース中に死ぬかもしれないという恐怖は、いくら成功体験を重ねても消えることはないと白石さんはいいます。しかし、レース中に「死んだらどうしよう…」などと考えているようでは勝つことは出来ません。
白石さんは、レースのその時になって「死んだらどうしよう…」と考えるのではなく、日頃から「いつ死んでも悔いはない」という覚悟で臨んでいるそう。「死ぬ」は大げさですが、日頃から覚悟を持って目標に取り組むことの大事さは、私たちにも共通するはずです。
白石さんが過酷な競技で培った精神力や、大きな目標に向かうためのアプローチの数々は、多くの人に学びとなるはず。
数々のトラブルや障壁を乗り越え、自然という最も御し難い相手と戦って生き生きとヨットを繰る白石さんの言葉の数々は、数あるビジネス・自己啓発書にはない力強さに満ちています。
(新刊JP編集部)
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