20周年を迎えたモーニング娘。 長く活動することができる秘訣とこれからへの期待
人気アイドルグループ「モーニング娘。’17」が今月で結成20周年を迎え、20周年当日の9月14日には盛大に記念イベントも行われました。20年もの長きにわたって人気グループであり続ける理由を考えていきたいと思います。
“卒業”と“加入”の繰り返しで常に新鮮で“最強”を更新
モーニング娘。は、1997年にテレビ東京の番組『ASAYAN』にて行われた『シャ乱Qロックヴォーカリストオーディション』で落選した中澤裕子さん、石黒彩さん、飯田圭織さん、安倍なつみさん、福田明日香さんの5人で結成。9月14日放送の『ASAYAN』でグループ名が「モーニング娘。」と発表されました(この日がグループの公式の“誕生日”とされています)。
そしてインディーズでリリースしたシングル『愛の種』のCDを5日間で5万枚売り切ったらメジャーデビューという条件を見事にクリア。翌年1月、シングル『モーニングコーヒー』でメジャーデビューしました。その後5月には新メンバーオーディションが実施され、矢口真里さんら3名が加入。翌年4月には初期メンバーの福田さんが卒業しました。
そして99年に3期メンバーとして後藤真希さんが加入して発売された『LOVEマシーン』が初のミリオンセラーに。モーニング娘。はこの頃から“国民的アイドルグループ”と呼ばれるようになりました。以降もメンバーの「卒業」とオーディションによる「新加入」を繰り返して進化を続けてきました。
モーニング娘。が20年も続いた大きな要因として、この“卒業”と“新加入”を繰り返すシステムが挙げられます。常に新鮮さを損なわず、その度に“最強”を更新。ファンを飽きさせることなく、進化していくスタイルで、これは後発のAKB48、乃木坂46などでも取り入れられています。
ピンチもチャンスに変え実力派グループへ 同業アイドルからもリスペクトされる存在に
また、HKT48の指原莉乃さんやAKB48の柏木由紀さんをはじめ、現役アイドルでモーニング娘。のファンが多いこともよく知られています。それはグループが20年続いていることで、現役アイドルたちが、自身がアイドルを夢見ていたころに第一線で活躍していた憧れの対象ということもありますが、近年は特に“フォーメーションダンス”の美しさなどパフォーマンスのレベルの高さで、そのスキルを尊敬するアイドルたちも少なくありません。
数あるアイドルグループの中でも特に実力派のイメージを濃くしていったのは、AKB48が台頭したり他のアイドルグループが次々とデビューしてきた2000年代後半のこと。20周年イベントでの記者会見に参加したOGメンバーの道重さゆみさんは当時を振り返り、「それまで当たり前のように出られていた歌番組に出られなくなって、私たちはライブ活動はやっていたんですけど、世間の皆さんには『モーニング娘。って今何してるの?』って言われることもありました。その時代にリーダーだった高橋愛ちゃんは歌もダンスも上手で、すごく頑張っていました」と語っていました。
高橋さんはじめ当時のメンバーたちは地道なライブ活動の中で実力をしっかり蓄え、それが次第に評価されていき、“再ブレイク”と言われた2013年頃には実力派グループとしての評価を不動のものにしました。
そして、そのスキル、ノウハウが今のメンバーにも引き継がれているといいます。道重さんは「今のメンバーを見ていると、その時のスキルを超えているくらい上手で、前に出てくるパワーとかもすごい」と現役メンバーを褒めていました。まだまだ続くであろう“アイドル戦国時代”の中で、その確かなスキルはアイドル界のなかでも大きなブランド力があり、それもグループが続いている原動力となっています。
今年カントリー・ガールズから森戸知沙希が兼任で加入、人気メンバー・工藤遥は秋卒業
ハロー!プロジェクト内では今年複数のグループで新加入、メンバーのグループ兼任などの人的移動があり、“ハロプロ新体制”と呼ばれています。
そんな中モーニング娘。’17でも、カントリー・ガールズから森戸知沙希さんが移籍。モーニング娘。’17としての活動を中心に、カントリー・ガールズとともに二つのグループを掛け持ちして活動しています。モーニング娘。では、派生ユニット参加以外で、グループ兼任メンバーは歴代で初となります。
森戸さんは、2015年にカントリー・ガールズに加入後、その可憐な存在感で定評があり、ハロプロの次世代エースとして呼び声が高い存在でした。カントリー・ガールズでの経験から、数多くのレパートリー(20年分!)を持つモーニング娘。に加入後も、パフォーマンス面ですぐに溶け込んでいます。
道重さんもそんな彼女を見て「涙が出そうになるくらい」感心したといいます。森戸さんの並々ならぬ陰の努力を感じられたようです。その類まれなアイドル性とパフォーマンス力で次代のモーニング娘。を引っ張っていく存在になることでしょう。
そして10期で人気メンバーの工藤遥さんが秋ツアー最終日をもって卒業します。工藤さんは加入当時から、ショートカットでひときわボーイッシュなキャラクターで、ハロプロのメンバー間でも人気が高いのが特徴でした。
これからのモーニング娘。“過去”にはない規模の会場や規模での活動に期待
21年目の新たな道を歩き始めたモーニング娘。’17。今後も伝統にならい、“卒業”と“新加入”を繰り返し進化していくと思われますが、リーダーの譜久村聖さんは「これからも“過去”を超えていけるように頑張って行きたいと思います!」と20周年の記者会見で力強く誓いました。
また同会見では、昨年13期メンバーとして加入したばかりの加賀楓さんが「今のメンバーでアリーナでライブをやってみたい。道重さんの卒業ライブ(2014年)を横浜アリーナで観た時に、アリーナ全体を覆うモーニング娘。の空気感がかっこ良かったんです。今度は自分が入った状態でアリーナライブをやってみたい」と語れば、12期メンバーの野中美希さんは「ワールドツアーをやってみたい。私はアメリカに8年間住んでいたので、その英語力を生かした活動がしたいです!」と語っていました。
次代を担う若手メンバーの頑張りで、“過去”には経験したことがないような場所や規模での活動を見られるかもしれないと、大いに期待させられました。
文/田中裕幸
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