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「口は災いの元」…反感を買ってしまう人の“口癖”とは?

コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第29回目は「自分の言いたいことを角を立てずに伝える方法」についてです。

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「上司の勘違いから腹立たしいことを言われて、ついつい言い返したら、それ以降、関係が悪化して、ひどい仕打ちを受けるようになってしまった」

「おたくの商品は質の割にはずいぶん高いねと取引先に言われてムっとしてしまい、ついついグウの音も出ないくらいやり込めてしまった。言い合いには勝ったがそれ以降、一切の注文をしてくれなくなった」

こんな風に、ムっとして、ついつい言い返したら、大変な結末を迎えてしまうことがあります。

かといって、まったく言い返さないとストレスもたまります。

そこで、相手の反感を買うことなく、自分の言いたいことを伝える技術をお伝えしましょう。

言い争いで勝っても意味がない

私は訪問営業を16年ほど経験しました。こちらから電話をして、話を聞いてくれる人を探して、商品説明に伺うという仕事です。「商品に興味があるので説明しに来てくれ」なんていうお客様は一人もいませんから、数時間かけてプレゼンしても、まったく興味を持ってもらえないこともあります。

興味のない人にもアポを取るので、「内容の割には商品が高い」「必要ない」などと断り文句を言われることなどしょっちゅうです。

売れない営業時代は、断り文句や反論に対して、言い返してしまって、それで言い合いになることもしょっちゅうでした。

「君、この商品は高いね」

「いえ、高くないですよ。耐久性が違いますから」

「耐久性が違うといっても、普通の商品の10倍は高すぎる」

「いえいえ、耐久性が10倍以上ですから、かえってお得です。しかも、アフターサービスも万全ですから」

「・・・・」

このようにして、お客様と言い合いになることも多かったです。

こちらは、毎日トークの研究をしているわけですから、理屈でお客様に負けることはありません。最後にはお客様も言うことがなくなります。

お客様を言い負かして気分はスッキリします。

ですが、「なるほど、理屈では君の言うとおりだ。じゃあ契約しよう」とお客様が言ってくれたことは一度もありません。営業にとって、望む結果は契約をいただくことです。

言い合いでいくら勝っても、契約にいたらなければ意味がありません。

そんな失敗を、営業をやり始めたころは、しょっちゅうありました。

上司との関係も、妻との関係でも同じです。

言い争いになったとき、相手をやり込めたいという思いがわいてしまうのは当然でしょう。でも、やり込めてしまうと、本来の自分の目的が達成されないことのほうが多いのです。

相手をやり込めずに反論するサンキュー話法

そんな売れない営業として、毎日を過ごしていたときに、売れている営業に教えてもらった魔法の言葉があります。

「松橋君、すぐに言い返して、相手の言葉を否定したら、どんな正論を言ったとしても、相手との信頼関係は二度と戻らないんだ」

「じゃあ、どうしたらいいですか?」

「サンキュー話法を使うんだ。どんなことを言われても、『ありがとうございます』という枕詞を使って、受け止めるんだ。反論はそれからだ」

教えてもらったことを実際に使ってみたら、驚くほど効果がありました。

「この商品、高すぎるね」

ありがとうございます。高すぎると感じるわけですね?」

「そうですよ。普通の商品なら3万円くらいだから30万円なんて、高すぎると思いますよ」

ありがとうございます。一般の商品に比べたら30万円は高いということですね」

このように、しっかりと相手の言っていることを、「ありがとうございます」を使って受け止めるのです。すると相手の戦意がどんどん失われていくのがわかりました。

相手が言っていることが、自分の意見と違ったとしても、否定はしないこと。ただ受け止めるだけという点がポイントです。

ついつい否定から入ってしまうから、揉めてしまうのです。

相手を攻撃してやりこめたとしても、自分が得たい成果は遠ざかるばかりです。

すべてを台無しにする接続詞とは?

営業担当なら、自分の会社の商品を否定されたら納得できなくて、言い返したくなるのは当然です。

ビジネスパーソンなら、上司の勘違いで自分を否定されたら、すぐに言い返したくなるでしょう。

しかし、すぐに攻撃してしまうと損するばかりです。

「なんで君はきちんと仕事をやらないんだ!」

「いえ、違います!やることはやってますよ!」

このように、「いえ」、「いや」で、相手の否定から始めるのは最悪のパターンです。

対話が成り立たず、泥沼に入っていきます。

ここまで否定的な返事をしなくても、次のような接続詞を無意識に使ってしまう人は多いです。

「一般の商品に比べたら30万円は高いということですね。しかし、高いのには訳があるんです」

「一般の商品に比べたら30万円は高いということですね。でも、高いのには訳があるんです」

このように、

すぐに言い返したいのをこらえて、せっかく相手の話を受け入れたのに、その直後に

「しかし」、「でも」、「ただし」、「だって」

などという逆説の接続詞を使ったとたんに、すべてが台無しになってしまいます。

このような接続詞を「逆説の接続詞」と言います。

逆説の接続詞を一通り紹介しておきます。

【すべてを台無しにする逆説の接続詞】

しかし

でも

だって

ただし

しかしながら

ですが

だけど

けれども

なのに

それなのに

にもかかわらず

ものの

とはいうものの

相手を納得に導く接続詞とは?

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反論しているように感じさせずに、すんなりと受け入れてもらうためには、次の接続詞を使います。

先ほどの例を言い換えてみましょう。

「一般の商品に比べたら30万円は高いということですね。しかし、高いのには訳があるんです」

「一般の商品に比べたら30万円は高いということですね。ところで、高いのには訳があるんです」

いかがでしょう?

「しかし」を「ところで」に変えるだけで、相手に与える印象が大きく変わるのがわかりますね。

「ところで」のような接続詞を、「転換の接続詞」と呼びます。

【転換の接続詞】

ところで

さて

そう言えば

それでは

それはさておき

それはそうと

では

人とトラブルを起こす人は、逆接の接続詞が多いです。

人間関係がうまくいかない、コミュニケーションが苦手という方は、普段、何気なく使っている自分の接続詞に注意を向けてください。無意識に逆接の接続詞を使っていることでしょう。

コミュニケーションの達人たちは、逆説の接続詞を使って、相手を否定することはありません。

相手の意見を否定せずに、自分の意見を伝えるスキルを身につけているのです。

その際に、転換の接続詞は必需品です。

接続詞を使いこなすことで、人をスムーズに納得させて、円滑なコミュニケーションを図ってください。

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才で心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

著書

『「売れる営業」がやっていること 「売れない営業」がやらかしていること』(大和書房)

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「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

公式サイト http://nlp-oneness.com

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