財布は「長財布」でも「二つ折り」でもいい。大切なのは…――ビジネスファッションの常識・非常識
「見た目より中身が重要だ」と語る人は少なくありません。しかし、問題は、決めるのはあくまで相手だ、ということです。どんなにスキルを身につけていたとしても、印象というのは一瞬で判断されてしまうことも少なくありません。ところが、そんなに大事な「見た目」がもし、残念なことになっていたとしたら……。実は恥ずかしいことになっていた、としたら……。
これが決して少なくない、と語るのは、著書『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』が大きな話題になっている木暮桂子さん。実は誰も教えてくれなかった「あれ?」と思われないためのビジネスファッション講座、第5回最終回のテーマは、ビジネスファッションにふさわしい「小物」です。株式会社ディグニータ 代表取締役 木暮桂子さん
シンガポール航空にて、フライトアテンダントとしてシンガポールに駐在。その後帰国し、株式会社グロービスの創業期から現在のグロービス経営大学の立ち上げに関わる。その後、独立。経営者、政治家等をクライアントにした外見力強化のコンサルティング、スピーチトレーニング、企業向け研修などを手がける。これまで1000名以上の見た目を変え、外見力強化を実施、依頼が後を絶たない。近著に『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』(ダイヤモンド社)。
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黒革のもの。フェイスが薄いものがおすすめ
ビジネスファッションにおいて、意外に悩ましいのが、時計です。いったいどんな時計をするのが、スマートなのか。やはりそれなりの値段のものがいいのか。ブランドのものは、避けたほうがいいのか……。木暮さんはポイントは2つある、と語ります。
「どんな時計がビジネスにふさわしいのか。よく聞かれる質問です。おすすめするのは、まずは黒革のもの、ですね。黒い革ベルトは、きちんとした感じが出ます」
そして、もうひとつが、フェイスの厚さです。
「文字盤のフェイスが薄いものがいいですね。フェイスの色は黒でも白でもかまいませんが、フェイスが薄くなればなるほど、フォーマル度の高い印象をつくってくれます」
金属の部分は、基本的にシルバー。金属の部分がゴールドの時計もありますが、男性のゴールドは、どうしてもギラギラしてしまうから。
ベルトが金属製のものは、すすめない、と語ります。
「どうしても、派手な印象になるものが多いからです。どうしても金属製にしたいなら、シルバーステンレスの、できるだけシンプルなものにしましょう。パッと見て、あのブランドかな、と思われてしまう時計もおすすめしません」
これはなんだろう、と違和感を持たれることが問題だから。木暮さんのコンサルティングでは、セイコー、オメガ、IWCのベーシックなものをすすめているそうです。
黒か茶の革製のシンプルな細身の財布を
財布についても、どんなものを持てばいいのか、悩ましく思っている人も少なくないでしょう。昼食のときに出すことになったり、会食の席で代表してカード決済をするときなど、財布はビジネスシーンで意外に人に見せる機会があります。もし選択を間違えると、「あれ?」と思われてしまう機会も多いということ。
「おすすめするのは、革製のシンプルな細身の財布です。長財布か、二つ折りか。どちらがいいかは、好みで構いません。色はやはり黒か茶色でしょう」
スーツの胸ポケットにしまうのであれば、長財布のほうがスマートに見えるそうです。また、二つ折りにする場合は、長財布よりも膨らんで見えがちなので、こまめに中身の整頓を心がける必要がある、といいます」
「小銭入れやコインケースを使うのもいいですね。財布がスマートに見えますし、おしゃれに見えます」
財布で注意をしないといけないのは、自分では毎日見ているので、劣化に気が付きにくい、ということだと木暮さん。
「使い込み過ぎて、黒ずんでいる、革がよれよれで白く変色しかかっている、など、他人から見たら目立ちますので、気をつけたほうがいい」
また財布も、いかにもブランドもの、というのは避けたほうが無難、とのこと。
「スマートにスーツのポケットにおさまるものを選びたいですね」
四角いプレートのバックルや、デコラティブなベルトは避ける
最後にご紹介したいのが、ベルトです。ベルトの選び方は簡単だ、と木暮さん。
「シンプルなバックルのものにしましょう。幅は2.5センチから3センチくらい。革はツヤのあるものを選びます」
正しいスーツのルールでは、ベルトのバックルは、とにかくシンプルなものがベストだそうです。
「ときどき、四角いプレートのバックルや、デコラティブなものを見かけることがありますが、避けてほしいですね。特に、ブランドのマークがバックルになっているものはNG。違和感とともに、ブランドが好きな人なんだな、という印象を持たせてしまいます。また、クロコダイルなどの型押しなども派手過ぎるので、おすすめしません」
ベルトの注意は、何より劣化。長く使っていると、バックルで締める部分のあたりが、くたびれて白っぽく変色してしまいます。
「こうなったら、すぐに変えてください。変色しているくらいなら、安価なものでも新しいもののほうが清潔感があり、印象がいい。ベルトは消耗品です」
全5回にわたってお伝えしてきた「ビジネスファッション講座」。スーツの基本、ネクタイの選び方やクールビズの考え方など、実は意外に誰も教えてくれません。だからこそ、専門家に基本を学ぶことは大きな意味があります。基本がきちんとわかっていれば、「あれ?」と思われることはない。恥ずかしい思いをすることもなくなるのです。しかし、わかっていなければ、そのリスクがつきまとう、ということ。
木暮さんの著書『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』から、ほんの一部をご紹介しましたが、ぜひ頭に入れておいていただけたら、と思います。
■シリーズ「ビジネスファッションの常識・非常識」一覧はこちら
ビジネスファッションの常識・非常識 カテゴリーの記事一覧 – リクナビNEXTジャーナル
【参考図書】
『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』
著者:木暮桂子
出版社:ダイヤモンド社
WRITING:上阪徹
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