オフィスで「ブラブラ…」が効果てきめん?気軽に運動できるワークサイズ&オフィスポに注目
近年、「働き方改革」の名のもとに、各企業でさまざまな取り組みが行われています。例えば労働時間の適正化もそのひとつ。生産性を向上するための施策を行っている企業が増えています。
そして、もうひとつ注目を集めているキーワードが「健康経営」です。2015年12月より一定規模以上の企業にストレスチェックが義務化されたことで、社員1人ひとりの健康に意識を向ける企業やそうした企業を支援するサービスが現れています。その事例について紹介します。
働く場と健康活動する場を「合体」させたオフィスを実現!
オフィス家具の販売やオフィス空間のプランニングなどを行う株式会社イトーキは、2012年に「SYNQA(シンカ)」というオフィス空間の在り方を実証実験する新拠点を開設。「ワーク(働く)」と「エクササイズ(健康活動)」を両立させるために、ふたつを組み合わせた「ワークサイズ」を導入し、オフィスを働きながら健康活動も促す空間へと変えました。そして、ワークサイズに適した空間レイアウトの考え方や家具、スマートフォンアプリを開発。さらに他社への導入を提案するなど、本格的な事業として展開しています。
▲通路はオフィスを1周できるように設計されています
実際、ワークサイズを導入してから、同社ではどのような効果があったのでしょうか? 同社ソリューション開発本部の高原良さんに話を聞きました。
「社員32名を対象にした調査になりますが、1日2時間を目安にしたスタンディングワークの導入によって、約8週間で腹囲が平均で0.8cm減少していました。また、健康づくりの重要性を理解し、なにかしらの取り組みを始めた人が倍増しました」
そのほかにも、完全フリーアドレス運用の社員は、狭いエリアで限定したフリーアドレス運用の社員と比べて、フロア内の移動量が1ヶ月で約1,600m多いという計測結果も見られ、座席の運用上の工夫によって運動量を増やせたと高原さんは話します。また、歩く機会が増えたことで人の交流機会も自ずと増えて情報共有のやりとりも迅速になり、新しいイノベーションの創出にも貢献しているそうです。
▲立ってデスクワークができるスペース。ひとりで集中して作業したいときに便利だそう
「社員が働き方の改革を自発的に実践することを重要視してプロジェクトを進めています。そのために、社員の健康状態のデータ分析結果をまとめた社内広報誌を作成して配布したり、社員からアイディアを出してもらうワークショップを開催してきました。自分が関わったものには愛着が生まれやすいので、自発的に変わっていこうとする気持ちが強くなるんです」
そんな同社の取り組みに惹かれる就活生も増えて入るそうです。
▲導入事例会社:株式会社フジクラ うんてい設置
また、ワークサイズを導入した株式会社フジクラでは、健康につながる行動を浸透させるため、コラボレーションスペースにうんていを設置しています。
「アイデアに行き詰ったときに子どもに戻ってぶらさがり、「気分転換」をという目的で設置しましたが、うんていを見ると懐かしさにぶらさがる社員も多いです。ですが、子供の頃と今との自分のギャップに驚き、ひそかにトレーニングを重ねる人も少なくありません。気分転換だけでなく、気づかないうちに体力アップにもなって、まさに一石二鳥でした」(株式会社フジクラ 健康経営推進室 吉田さん)
健康経営を経営戦略の一環として推進している同社では、これからもワークサイズを取り入れた健康経営を推進していくとのことです。
オフィスポが提案する
ブレークタイムの「ちょい軽」エクササイズ
こうした自社での改革を進める企業がある一方、さまざまな企業に運動する機会を提供するサービスも存在します。電通の奥村誠浩さんとBUTAI PROJECTの齋藤圭祐さんが共同で取り組んでいる「オフィスポ」もそのひとつ。同サービスでは、“ブレークタイムをデザインする”をテーマに掲げ、禅やヨガ、ストレッチなどオフィスでも手軽にできる運動プログラムを企業に提供しています。
「体を動かすことの重要性はわかっていても、実践するとなるとなかなか行動に移せないという人はかなりいると思います。会社に行って、働いて、それからジムに移動するというのは、まったく運動をしていない人にとってはなかなかハードルが高いことなんですね。そこでオフィスポでは、まずは“運動をしてみよう”という気持ちを芽生えさせるために、着替えなくてもできる運動を中心にプログラムを組んでいます」(奥村さん)
▲特に男性はヨガ教室に通う機会が少ないため、オフィスポを通じてハマる人もいるとか業務時間内にスーツから着替えて運動をするというのは、少し現実的ではありませんが、そのままの格好で気軽に運動ができるとなれば話は別というのは納得する話。オフィスポをきっかけに定期的に運動を始める人もいるそうです。また、社員の運動解消以外の効果も期待できると言います。
「働いてる時間内に、少しだけ仕事ではないことを考える時間をあえて作ること。運動するときって没入して、自然と気持ちがオフになるので、脳や心を一瞬休ませてあげるのが大事かなと。また、普段怖い上司が少しダサい姿を見せて、それで笑いが起きたりして、仕事以外の話題が生まれることが、意外とコミュニケーションを活性化させるきっかけになってるなと感じてます」(齋藤さん)
労働時間を削減してプライベートタイムを充実させる施策も重要ですが、そもそもの労働時間を充実させるために運動を取り入れてみる。そんな取り組みを始めてみるのもいいのではないでしょうか。
▲ボクササイズでは、キックボクシング日本チャンピオンから指導を受けられる取材・文:村上広大
取材協力:株式会社イトーキ、株式会社フジクラ、オフィスポ
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