暑い夏を快適に過ごすエアコン設定が分かった! 重要なのは“温度”ではなく〇〇でした
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8月に入り、全国各地で真夏日や猛暑日が相次いで記録されています。冷房をつけた部屋にいるのに何となく過ごしにくい、寝苦しさを感じる、なんてことありませんか?
暑い。エアコンの温度設定を下げる。まだ暑い。温度設定を下げる。それでも暑い。温度設定を下げる。全然眠れない! なんて人は必見、身の回りの空間を最適な環境にするためのエアコン設定を調べてみました。
空調メーカーを直撃
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やって来たのは東京・新宿にあるフーハ東京。空調メーカー・ダイキン工業のショールームです。
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「エアコンを作っている会社が推奨する快適な温度設定を教えて欲しい」と単刀直入に伝えたところ、ダイキンの担当者に案内されたのは「体感ルーム」なる部屋。
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ちなみに、この日の東京の気温は33℃。部屋に入ると、外気温に比べて過ごしやすいものの、何となくムシムシする感じが。
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――25.2℃ですか。体感よりも低い設定温度ですね。このくらいが推奨の室温ですか?
担当者:それでは、次の部屋に参りましょう。
――あ、はい。
(さらに奥の部屋へ案内される)
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――あー、なるほど。こちらの部屋の方が過ごしやすいですね。夜も寝付きが良さそうな感じです。
担当者:この部屋と、前室の温度差はどのくらいに感じましたか?
――3℃くらいは下がった気がしますね。涼しいです。
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担当者:実はこの部屋の温度は27.3℃です。先ほどの部屋よりも室温が高く設定されています。
――えぇッ!? でも最初の部屋よりも涼しく感じますよ?
担当者:快適に過ごすには体感温度が重要です。それには温度以外にも、湿度や気流など様々な要因が関係しています。同じ温度でも湿度が低い方が体感温度が下がりますし、気流を肌に感じることでも涼しく感じられます。
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――なるほど。先ほど暑く感じた部屋が温度25.2℃、湿度69.3%。そして今回の涼しく感じた部屋が温度27.3℃、湿度53.2%ですね。
担当者:寝る時などは温度を28℃以上に設定し、湿度を50%~60%に保つのが良いでしょう。体温を冷やしすぎることなく、体感温度を下げてくれます。
――今まで温度設定ばかり気にしていました……。
担当者:多くのエアコンには除湿運転機能が搭載されています。また、従来のエアコンは長時間冷房運転をすると、部屋の温度は維持できるものの、徐々に湿度が上がってしまうという課題がありましたが、最新のエアコンには設定温度に到達した後も、温度だけでなく湿度も快適に保つ機能が搭載されています。部屋の人数や環境、男女でも体感温度は変わってくるので、まずは部屋に湿度計を設置して、快適な温度と湿度のバランスを見つけてみてください。
設定温度=室温ではない、室温の調整=快適な空間作りではない
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環境省では、地球温暖化対策のため、冷房時の室温を28℃で快適に過ごせる軽装や取組みを促す「クールビズ」を提唱しています。28℃はあくまでも「目安」の数値ですが、中には「暑すぎる!」という声もあるのが事実。そんな時は、室内の湿度に注目してみると良いでしょう。
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ちなみにガジェット通信の編集部はというと、設定温度25℃に対して、室温27℃となっていました。建物の造りや室内の人数などの諸条件によって、設定温度と室温は必ずしもイコールではないということですね。
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湿度計で計ってみると、湿度は70%近くを計測。確かに蒸し暑い感じがあったので除湿運転にして湿度を下げてみたところ、かなり過ごしやすくなったのを体感できました。ちなみに、消防庁が発表しているWBGT(熱中症危険指数)では、湿度が70%を超えていると夜間熱中症の危険性もあるとされています。
室内の暑さにお悩みの方は、まずは湿度をチェックして快適な空間にコントロールしてみてはいかがでしょうか。
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<まとめ>
・室温を28℃に設定する
・湿度を50%~60%に調整する
・それでも暑いと感じたらエアコンの風量を強めたり、扇風機を併用したり、設定温度を下げてみたりする
・自分やその部屋にあった最適な室温と湿度を見つけて維持する
協力:フーハ東京
http://www.daikin.co.jp/fuha/tokyo/
参考:ダイキン「空気の困りごとラボ 熱帯夜の困りごとと解決法」
http://www.daikin.co.jp/air/knowledge/labo/kaimin/index.html[リンク]
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