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「評論家冥利に尽きる」 ”引退”直前の三宅久之氏がニコ生で語る政治 全文書き起こし<後編>

三宅久之氏

 「彼の”改革の志”は買っています」――。2012年3月28日夜、ニコニコ生放送の番組に出演した三宅久之氏は、「橋下徹・大阪市長の『大阪維新の会』をどう思うか」という視聴者の質問に対してこのように答えた。今春で政治評論家の”引退”を表明している三宅氏は、これからのメディア、そして日本の政治の未来について、どのような”置き手紙”を残すのだろうか。番組の終わりに、「寂しい」「また来てください」という引退を惜しむ声が視聴者から寄せられると、三宅氏は「評論家冥利に尽きる」と語った。

 以下、番組の後半部分を全文書き起こして紹介する。

・”引退”直前の政治評論家・三宅久之氏がニコ生に初出演 「国会の野次はユーモアのかけらもない」 全文書き起こし<前編>
http://news.nicovideo.jp/watch/nw228212
・[ニコニコ生放送]本記事の書き起こし開始部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv85917754?po=newsgetnews&ref=news#0:31:04

■”権力”とケンカするときの注意点

角谷浩一氏(以下、角谷): 派閥に付いてくる番記者。それは、会社から「お前、ここの派閥行け」と言われて配属されるんだけど、そこで頭角をあらわしてくると、派閥を取り仕切る記者が出てきたり、「お前、立候補しないか?」という話が出てきたりする。つまり、それくらい、政治家養成の予備軍みたいな部分もあったということですか?

三宅久之氏(以下、三宅): 予備軍ということもないでしょうけど。ただ、本当に「心しなきゃいかん」と思ったのは、派閥でいろいろな・・・。例えば、私も河野派だけを持っているわけではないので、いろいろなところに行くでしょ。

 例えば総理大臣にもなったことがある人だけども。寒い夜に、10人ぐらいの記者が集まることがあるでしょ。その内の1人を呼び出して、「○○君、暖炉の火が消えかかっているぞ」って言うんですよ。新聞記者にですよ。すると「はい」と言って、焚き木を持ってきて、(暖炉に)くべる奴がいるんですよ。普通、そんなこと言いませんよ。書生かなんかにやらせりゃいいことでね。

 そういう時に、唯々諾々としてやっていると、みんな顔を見合わせるんですよ。「あいつやっぱり、金を貰っているんじゃないか」と思うわけですよ。そうじゃなかったら、新聞記者に向かって「火が消えかかっているぞ」なんて。そんなことは、女中さんか書生を呼んで言えばいいことであってね。そういうことですから、(番記者仲間で)ワイワイとやっていても、何となしに、正道から外れていると分かるんですね。

角谷: もう一つ、記者クラブの問題とあると思います、一方で、僕らは最初、先輩の記者から言われたのは、取材対象との距離の取り方。「ご飯を御馳走になったら、次のときには、安い焼鳥屋でもいいからおごり返して、チャラにしとけ」と。それをやらないと、取材対象に取り込まれちゃったり、いつの間にか、そういう関係ができちゃって、子分みたいになっちゃったり、向こうの言い分だけ聞くようになっちゃう、と。それを、「西山事件」を材料にして教わったことがありました。

三宅: 西山っていう人は、(外務省の)女性事務官と関係があったと叩かれたわけだけど、金を持っていたんですよ。彼のお母さんが九州の小倉かなんかに、いろいろな不動産やなんかを持っていてね。

 「西山事件」が起きた時に、私は部長から頼まれて西山の家まで行って、預金通帳を見せてもらったことがあるんですよ。それで、どこから振り込まれているかをチェックしたことがありますよ。金のことでそんなに汚いということは、なかったんだと思いますけどね。私は一緒に仕事したことがあまりなかったもんだから、よく分かりませんけどね。

角谷: そういうこともあったり、距離の取り方というのは、僕たちは権力を持っている人たちと付き合うわけだから、取り込まれたり、逆に対立して権力を使われて追い込まれたりする危険もあったりする。だから、(自らを)律してないと面倒なことに・・・。

三宅: 角谷さん、その通り。だから、特に権力相手にケンカする時は、「金と女のこと」については、自ら省みて、自信がなきゃダメですよ。それは、検察も警察も、国税だって権力を握っているわけですからね。(身辺を)洗われて、オタオタするようだったらダメですよ。

 「西山事件」のときに、それは確かにアメリカが軍用地を日本に返還するにあたって、(400万ドルの)復元保証をして還すという約束が(1971年の沖縄返還)協定にあるにも関わらず、アメリカの議会が「タダで領土を還してやるんだから、金までやることはない」と反対しているというところにあったわけです。

 それならそれで、政府は国民に言えばいいんですよ。だけど、沖縄返還を望む(沖縄)県民の声を無視できないから、「この際この400万ドルについては、追々取り立てることにして、とりあえずは日本政府が肩代わりして払います」と言えばなんていうことはない。

 当時の外務大臣の愛知揆一さんが、「アメリカが(400万ドルを)払ったように見せかけよう」なんていう小細工をやろうとするから、ゴタゴタになったわけでしょ。この問題と、西山が女性事務官とある種の「男女関係にあった」ということは、切り離すべき話です。だけど、公判が始まって、検事から論告求刑の中で「密かに情を通じ・・・」と読まれると、やっぱりガラッと変わるんですよ。

角谷: 空気がね。

三宅: ええ。それまで政治部のデスクに外からかかってくる電話では「知る権利を守れ」「佐藤内閣に屈するな」という電話がほとんどだったけど、ガラッと変わって「そんな汚い手を使ってネタを取っていたのか。もう(購読は)やめた」と。そういうのがワーっとくるわけですよ。

 ですから、やはり(権力との対決を)やる時は、ちゃんとしてやらないと大変だな、と。もう、潮目が変わるときというのは、目には見えないですけどね。「自分の身はちゃんとしなきゃいかん」と思いましたね。

■三宅氏は”官房機密費”を貰ったのか

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