AR/MRの技術を結集!HoloLensを利用したScopisの新システムは外科手術で活躍
ポケモンGoが世の中を席巻し、AR元年とも言われた昨年。しかし、AR(拡張現実)やMR(複合現実)技術の飛躍的な進歩は、エンターテイメント分野だけに限った話ではない。
・Scopisによる「ホログラフィック・ナビゲーション・プラットフォーム」
さまざまな分野でその可能性が見込まれているAR/MRだが、中でも最も期待されている分野の一つが、医療への応用だ。
医療用AR/MR機器の開発を手掛ける企業Scopisがこのたび発表した「ホログラフィック・ナビゲーション・プラットフォーム(Holographic Navigation Platform)」が関心を集めている。このシステムは、マイクロソフトが提供するAR用のウェアラブルデバイス「HoloLens」を利用する。
外科医は手術中にHoloLensを着用することでこのプラットフォームとワイヤレスにつながる。HoloLensの3Dトラッキング機能により、脊髄手術において、脊髄中に埋め込むべき「椎弓根スクリュー」の位置がMR上に正確に投影されることで、より精度の高い手術が迅速に行えるという。
・他医療分野への応用も!
他にもメリットはある。手術そのものの精度が向上するだけでなく、医者と患者双方にとって、放射線被ばく量を減らすという効果もある。
現在、脊髄へのスクリュー設置位置の決定にあたってはX線透視法が用いられているが、本システムを利用することでその必要がなくなるためだ。
「Scopisのホログラフィック・ナビゲーション・プラットフォームは、普遍的なソリューションの一つであり、脊髄手術に強力なアドバンテージを与えるとともに、最高度の正確さとスピードが求められる他の医療分野にも展開可能だ。神経外科分野では、例えば他にも脳腫瘍手術への応用が考えられる」同社CEO兼創業者Bartosz Kosmeckiは語る。
人命がかかる医療現場では今後さらなる検証が必要であるものの、AR/MRの実用面での応用可能性は無限に広がっていると言えよう。
![Techable](https://px1img.getnews.jp/img/archives/2019/08/origin_Techable.jpg)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。