果物の鮮度を常時モニタリングできる、本物そっくりのフルーツ型センサーが誕生

スイスのEmpaが開発したフルーツ型センサー東南アジアで栽培が盛んなバナナや、世界全体の約3割がブラジルで生産されているオレンジ、タイやメキシコが主要生産国であるマンゴーなど、遠方から私たち消費者に届けられている果物は少なくない。

一般に、これらの果物を輸送するコンテナには温度センサーが備えられているが、果物の品質管理において最も重要な果物内部の温度変化までは計測できないため、すべての果物の鮮度を適切に管理するには、十分とはいえないのが現状だ。

・本物そっくりの“偽フルーツ”で果物内部の温度変化を計測

レモンの輸送にフルーツ型センサーを同梱する様子スイス連邦材料試験研究所(Empa)の研究チームは、輸送時の果物の温度変化を計測するためのフルーツ型センサーを開発した。

このフルーツ型センサーは、まず、実際の果物をX線でデータ測定し、アルゴリズム解析によって、その果物の標準的な形や柔らかさをシミュレーション。

このシミュレーションをもとに水と炭水化物、ポリスチレンで果肉を再現し、実物そっくりの“偽フルーツ”を3Dプリンターで出力したら、その中心部にセンサーを埋め込む仕組みとなっている。

また、このプルーツ型センサーは、およそ50スイスフラン(約5,600円)という低コストで製作できるのも特徴だ。

・サプライチェーンや輸送プロセスの改善に役立つ

果物を出荷する際、コンテナの中に、フルーツ型センサーを同梱しておけば、ここに埋め込まれているセンサーが“偽フルーツ”の内部の温度変化を常時モニタリング。

実際の果物と近しい“偽フルーツ”の温度変化を計測することで、輸送中の果物の温度変化をより正確に把握できるわけだ。

このように輸送中の果物の温度変化を可視化することによって、サプライチェーンや輸送プロセスなどの改善につながることが期待されている。

研究チームでは、今後、このフルーツ型センサーの計測データをリアルタイムで把握できるよう、通信機能を備えた改良版の開発にも取り組む方針だという。

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Techable

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