[女性限定試写会ご招待]クリステン・スチュワート『パーソナル・ショッパー』インタビュー
本作は“パーソナル・ショッパー”としてパリで働くモウリーンが最愛の双子の兄を亡くした悲しみと向き合おうとしたある日、携帯に奇妙なメッセージが届き始めるところからスタートする。
日本には馴染みのない、セレブの買い物を代行するパーソナルショッパーを職業にしているモウリーンの日常は決して共感しやすいものとは言えなかった。しかし亡くなった双子の兄との絆や、謎のメッセージによって翻弄され顔を出すモウリーンの秘めた欲望はわたしたちの日常にも通ずるものがある。大切な人の死と向き合う苦悩、禁じられたことほど魅力的に感じる瞬間ーーこうした場面は人生を送るなかで経験するものだ。そして多くの人間は理性と本能のバランスをとり生活を送る。しかしその理性はちょっとしたきっかけ飛んでしまう。その危うさは主人公の魅力を損なうどころかむしひと際輝かせている。NeoLでは本作の女性限定試写会に10組20名様をご招待。主人公クリステン・スチュワートのインタビューもあわせてお楽しみください。
女性限定試写会にTwitterのフォロー&リツイートで5組10名様をご招待します。
https://twitter.com/NeoL_Magazine
■日時:4月26日(水) 18:00開場/18:30開映
■場所:神楽座 (千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA富士見ビル1F)
※JR飯田橋西口を出て左、教会を越えたら右折
■ご招待人数: 10 組 20 名様
━『アクトレス~女たちの舞台~』からわずか2年後に、再びオリヴィエ・アサイヤス監督作品に出演することになると予想していましたか?
クリステン「いいえ。でも、アサイヤス監督が同じ役者やスタッフを起用するのが好きなことは知っていたわ。だから、心のどこかで、また出演できることを願っていた。『アクトレス~女たちの舞台~』の撮影現場ではとても気が合ったし、遅かれ早かれ、またすばらしい企画で一緒に仕事ができるだろうとは思っていた。だけど、まさかこんなにすぐとは思わなかったわ。私は、監督のプロデューサーを務めるシャルル・ジリベールと仲がいいの。彼が、監督が新作の脚本に取り掛かっていることを教えてくれた。『アクトレス~女たちの舞台~』のためにカンヌ国際映画祭に参加していた時だと思う。正直、あれほど結束力の強いチームと出会ったのは初めてだったし、みんなと離れたくなかったわ。お互いに支え合っていたの。私はとてもラッキーだと思う。『パーソナル・ショッパー』への出演の話をもらった時、驚きはしなかったけど、すごく興奮した。チームの一員として、また一緒に経験したいと思ったの」
━アサイヤス監督は、単なる女優としてだけでなく、監督が常に描きたいと願っている現代的な若い女性像を具現化する理想の人物として、あなたを捉えているような気がします。同じように、あなたにとって、彼こそが常に求めている監督だと言えますか?
クリステン「間違いなくそうね。私たちは多くの人たちと一緒に仕事をするけれど、私と監督の間には言葉ではないコミュニケーションが成立するの。監督と女優にとって、とても望ましいことよ。あまり話さなくても、お互いを理解して、同じ関心事や似たような好奇心を共有している。アサイヤス監督と一緒に仕事をするのは本当に楽しいわ」
━アサイヤス監督は、どのように本作の話を持ってきたのですか?
クリステン「私のために簡単な脚本を書いている、気に入ってもらえたらうれしいと監督は言ったわ。脚本を受け取った時は、すごく怖かった。だって、シャルルや監督に向かって、この作品は私には向かないと言って断るなんて想像できないでしょう? 幸い、そんな心配はまったく必要なかった。読んですぐに、とても感動したの。『アクトレス~女たちの舞台~』とは全然違うものだった。監督のことを知ったつもりになっていたけれど、どうしたらこのような物語が思い付くのか謎だったわ。監督にはまだまだ隠された面があることに驚いた。今作はすごく静観的な映画よ。監督独自の方法で、目に見えない世界を想起させることに成功している。『アクトレス~女たちの舞台~』よりもさらに個人的な映画だと思う。知性ではなく、肉体的感覚に訴える人間的な作品なの。監督は理性的で、この作品中でとても私的な感情を表現した。本当にすごいわ」
━モウリーンは自分が“パーソナル・ショッパー”であることに若干うんざりしながらも、タブーを犯して、キーラの服を試しに着てみることをやめられず、それを楽しんでいますよね。
クリステン「嫌いであると同時に魅了されているの。アイデンティティの危機に陥っているのよ。彼女が消費社会の浅はかさを非難するフェミニストではないところが気に入っているわ。彼女は自分の中の葛藤を抱えているの。キャリアが形になり始めて、この世界にとても魅力を感じているのだけれど、そのことを恥じている。私も時々そう感じるし、誰しもがある程度は感じたことがあることだと思う。現代ファッションの世界で繰り広げられる物語だけど、1930年代のハリウッドでも起こり得たことね。その当時のほうがマシかどうか分からないけど。人間はいつでもキラキラ輝くものに心惹かれるものでしょ。小さな蛾のように」
━本作はとても変わった方法で自由を見つけようとする若い女性の自己解放の物語でもありますね。
クリステン「そうね。私の人生で最高の瞬間はいつも悲惨な出来事の後にやってくるの。トラウマを抱えるような体験の後に、心の静けさや心満たされる瞬間を得られることってよくあるでしょ。死にそうな体験をしたら、自分が生きていることをより強く実感するものよ。映画の終わりには、たとえ探していたものを見つけられなかったとしても、モウリーンはやっと再出発することができるの」
━どのような役作りをしましたか?また、あなたにとって見た目上の役作りはどれほど重要ですか?
クリステン「すごく重要よ。モウリーンが死んでしまった双子の片割れの兄弟との繋がりを探し求めているのだと観客に感じてほしかった。だから、飾り立てていない、ほとんど中性的な見た目がいいだろうと考えたの。また、彼女の容姿にはファッション業界への愛憎が反映されているから、服装はとても大事だった。映画の役作りに関して言うと、いつも脚本を一度だけ読んで、その後は見ないようにしている。毎日、現場で各シーンを発見していくの。特にこの映画のために事前に勉強しておくことはなかったわ」
『パーソナル・ショッパー』
5/12(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
監督:オリヴィエ・アサイヤス(『夏時間の庭』『アクトレス ~女たちの舞台~』) 出演:クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガ―、シグリッド・ブアジズ
原題:Personal Shopper/2016年/フランス映画/英語・フランス語/1時間45分/シネマスコープ/カラー/5.1ch
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト:personalshopper-movie.com
©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR
http://personalshopper-movie.com
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ウェブサイト: http://www.neol.jp/
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