新社会人は要注意! 「取り急ぎ」がトラブルの元になる理由

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新社会人は要注意! 「取り急ぎ」がトラブルの元になる理由

新社会人にとって、簡単そうでつまずきやすいのが「敬語」である。

学生時代のアルバイトや就職活動の経験を通じて、「もう敬語やマナーは充分、身につけた」と思っている人は多いが、それは油断というもの。

たとえば、「とんでもございません」「取り急ぎ〇〇まで」といったワードは、新社会人が「敬語」として使いやすい言葉だが、どちらも間違っている。

なぜ、これらは間違いなのだろうか。

『誰とでも仲良くなれる敬語の使い方』(明日香出版社刊)の著者、松岡友子さんは、これらの間違い敬語についてこんな解説をしている。

■「とんでもございません」という日本語はない

まずは、相手から褒められ、謙遜の気持ちを表したいとき、つい使ってしまいがちな「とんでもございません」というフレーズについて。

実は、「とんでもない」自体がひとつの形容詞であるため、「とんでも+ない」と分けることはできない。

したがって、こうしたシチュエーションでは、「とんでもないです」「とんでもないことでございます」と返すのが好ましいのだ。

■むやみに「取り急ぎ〇〇まで」と言ってはいけない理由

敬語の難しさは、つねに相手との関係性と距離感を考えて言葉を選ばないといけない点にある。「取り急ぎ〇〇まで」はこの点で少し気をつけなければならない言葉だ。

このフレーズは、時間がない場合に「取りあえず急いで」という意味で使うのが本来の形。覚えるとつい使いたくなる言葉だが、むやみに「取り急ぎご報告まで」「取り急ぎ御礼まで」と乱発するのはおすすめできない。

というのも、「〇〇まで」という言い回しは、目上の相手には使わない言葉。基本的に周りには目上の人しかいない新社会人は、本来使う場面がないはずの言葉なのだ。

また、「取り急ぎ」の方も誤解を生みがちな言葉なので、注意していただきたい。

たとえば上司に報告書を送る際にこのフレーズを使うと、「不完全かもしれませんが、とりあえず急いで報告します」と伝えたことになる。この言葉を正しく理解している上司であれば、「あとで完全な報告書が改めて提出される」と受け取るだろう。

送った当人がタスク終了と考えていたなら、後でトラブルの元になる。

■お願いごとをされたとき、無礼にならない断り方

本書の著者、松岡友子さんによれば、敬語も含め失礼な表現というものは往々にして、相手との距離感を間違えてしまったために起こるという。

したがって、「よそよそしい」でも「なれなれしい」でもない、適切な距離感の言葉を選ぶことは、正しい敬語を使うことと同じくらい重要になる。

特に、何かネガティブなことを言わなければならないとき、こうした点に気を配ることは重要だ。例えば、目上の人もしくは客先から無理なお願いをされたとき、どのような言葉を選ぶべきか。

まずダメな例は、「すみませんが、無理です」「申し訳ありませんが、ご協力できません」。前者は論外として、後者も丁寧な言葉づかいではあれ、かなりきつい印象を与える言い方である。

このような場合、相手が自分に何か期待して声をかけてくれたことを考えれば、「断って申し訳ない」という気持ちが伝わるよう、「お役に立てそうにない」という言い回しを使うのがおすすめだ。

さらに「本当は協力したかった」ということを強調したいのなら、「残念ながら今回はお役に立てそうにございません」とすれば、相手を不快にさせずに断ることができる。

本書では他にも、相手の話がよく理解できないときに使うと便利なクッション言葉、先輩に対し差し出がましくなく、かつ丁寧な形で「手伝いましょうか」と伝える際の注意ポイントなど、「使える」情報が満載だ。

4月から新社会人となる人はもちろん、敬語に少しでも不安があるなら、どの年代のビジネスパーソンにとっても学びのある一冊といえよう。

(新刊JP編集部)

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