2号機原子炉の一部温度急上昇 長官「冷温停止状態には影響せず」

藤村長官「温度上昇は一ヶ所だけ」

 藤村修官房長官は2012年2月6日午後の記者会見で、福島第1原発2号機の原子炉の圧力容器底部の温度が冷却水の注入量を増やしたにも関わらず、70度超の状態が続いていることについて、「本日夜には対応方針が示される」と述べた。

 2号機の原子炉の圧力容器底部にある温度計の1つが約10日間で25度上昇、6日7時には73.3度を記録した。東京電力では原子炉への注水量を増やしているが、その後も温度計に大幅な変化のない状況が続いている。

 原子炉の底にある他の2つの温度計は45度弱で推移していることから、今回の一箇所のみの温度上昇は、「配管の工事に伴う水の流れの変化が影響しているのでは」と東京電力は説明しているが、原因はまだ明らかになっていない。

 「冷温停止状態」を受けて定められた規定では、原子炉の温度を80度以下に抑えるよう求めていることについて、長官は「今回の温度上昇は圧力容器底部の一ヶ所だけで他の部位は安定している」とし、「仮にこの一ヶ所のみの温度が80度を超えたとしても、保安規定上、冷温停止状況に影響するとは考えていない」と語った。

■藤村修官房長官とニコニコ動画記者(七尾功)との一問一答

七尾記者: 福島第1原発2号機の原子炉の圧力容器底部の温度が、冷却水の注入量を増やしたにもかかわらず、70度超の状態が続いていることについて、政府のご見解をお願いいたします。

藤村官房長官: 5日から70度を少し越してきたということで、時間を追って見ると一番高くなったのが朝7時で73.3度だと。その後もう少し下がってきていると。今日の時点でただまだ70度前後であるということであります。これは今、温度変化の状況とか原子炉内の放射性物質濃度等を踏まえ今後の対応について検討を進められておりますが本日夜には対応方針が示されると今聞いております。一ヶ所だけなんですよね。さまざまな理由はもう少ししっかりと調べていただかないとわからない状況です。

七尾記者: 冷温停止状態を受けて定められた規定では、原子炉の温度を80度以下に抑えるよう求めていますが、80度を超えた場合、冷温停止状態・達成宣言への影響についてどう考えていらっしゃいますでしょうか。

藤村官房長官: 今回の温度上昇は圧力容器底部の一ヶ所だけで他の部位は安定している。仮にこの一箇所のみの温度が80度超えたとしても保安規定上冷温停止状況に影響するとは考えていないというのが公式な見解です。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 七尾記者の質問から視聴する – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv80517800?po=news&ref=news#6:32

(七尾功)

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