南の島のバー「かぶやぁ」で国内外のラムと島フードに酔う【石垣島】

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夜の蝶ならぬ○○○○が待つカウンター

こんにちは、石垣島出身・京都在住のメシ通レポーターの泡です。

そろそろゴールデンウィークの予定を立て始めた方も多いのではないでしょうか。

今回は、石垣島旅行を計画しているアナタにぜひおすすめしたいバーがございまして。

計画をしていないお方もこの記事をご覧になって、「南の島で酔っぱらうのもいいなぁ」という気分になっていただけたら幸いに存じます。

そのお店の名は「かぶやぁ」。

石垣島のディープな飲み屋街、十八番街にあります。

以前に紹介したヤギ料理が食べられる居酒屋「酒肴屋 迷亭」のほぼお隣という立地。

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バスターミナルから美崎町という繁華街を西へ抜けて、徒歩5分ほど。

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国道沿いにある「かみやーき小」という、かまぼこ店(左側の建物)の横の通りを北上した2筋目の角にあります。

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周辺はスナック黄金地帯。年季の入ったビルの一角で目を引くしゃれた店構えです。

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目印はこの看板。

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白を基調にした店内はカウンター6席とテーブルがひとつ。

島の木工作家に依頼したという島センダンのカウンターはとてもなめらかで、木の形を活かした自然なカーブが素敵。

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テーブル席は4人がけ。

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迎えてくれるのは、長川千佳子さん(左)と、松本尚子さん(右)

千佳さんこと千佳子さんは脚本家、尚子さんはデザイナーとして共に東京で働きながら、鳩間島など八重山の離島が好きで10年以上通い続けていたそうです。

2015年、離島愛が高じたお二人は相次いで石垣島に移住し、千佳子さんが開店したバーに尚子さんが頼もしい相棒として加わりました。

人口や街の規模に対して飲食店の数はかなり多い石垣島ですが、居酒屋さんやスナックに比べるとバーは少なめ。特に、昔ながらのある意味スリリングなスナックが多い十八番街では、カラオケのない女性オーナーのお店というのは希少なのです。

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店名は八重山地方の古い方言でコウモリのこと。

コウモリといえば洞窟にひっそり生息しているイメージでしょうが、南国のやつらはおおらかというか大胆というかで、島の夜空を自在に飛び回っているのをよく見かけます。これがまた、ヤエヤマオオコウモリという名の通り、でかい! 子どもの頃は悪魔の使者のようでとても怖かった……。

そんなコウモリもこうして見ると、あらかわいい。お店のロゴは本職の尚子さんによるデザインです。

「日が暮れる頃にもそもそと店を開ける、夜の蝶ならぬ“かぶやぁ”ってことで」

島のバー=泡盛と思われがちですが、こちらは洋酒がほとんど。メインに扱うのはラムで、国内外合わせて40種類以上がそろっています。

しかし、なぜ石垣島でラム推し?

「ラムの原料はサトウキビ。石垣島をはじめ八重山の島々でも作られていますよね。キビ畑が広がる南の島で飲むのにぴったりのお酒だと思うんです。昼間にガーッと汗をかいた後にクイっとやるのがうまいこと!」と千佳さん。ご、ごくり。たしかにそうかも~。

一晩では飲み尽くせないほどの種類があるので、おすすめをピックアップしていただきました。

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▲手前「ロン アレウーカス アネホ」(スペイン) 1,200円

カナリア諸島産の、スペイン王室御用達だというラム。そう聞くだけで高貴な味わいが増してしまう私はド庶民。いや、それを差し引いてもとてもおいしい。野趣のかけらもないなめらかさといいましょうか。

奥は「サンバートン バニラ」(モーリシャス) 750円。バニラビーンズで天然の風味をつけたなんとも色っぽい甘さと香りにクラリ。素肌に白シャツ1枚でベッドに入るようなフランス女優の起き抜けってこんな香りなんじゃないかしらん。

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▲「ポルフィディオ」(マルティニーク) 1,200円

ボトルの中に涼しげなヤシの木がそそり立つ南国らしさ満点のラム。ヤシの木がサボテンになったテキーラバージョンもおなじみですね。ラムはカリブ海に浮かぶマルティニーク島で造られているそう。ファンシーなボトルからは意外なほど繊細な味わいで、サトウキビのいいところだけを集めたような感じ。

続いては最近注目を集めている国産のラム。

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▲左「イエラム・サンタマリア ゴールド」 650円。右「イエラム・サンタマリア クリスタル」 650円

共に、沖縄本島からほど近い伊江島で島産のサトウキビのみを使って造られています。オーク樽で熟成させたゴールドは味わいまろやかで余韻が長く、クリスタルは端正な甘味で飲み口はすっきりめ。国産でこんなにおいしいラムがあるのですね。しかも沖縄生まれというのがうれしい。

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▲左「コルコル アグリコール」 1,200円。右「コルコル」 800円

こちらは沖縄・南大東島産です。

緑の「アグリコール」はサトウキビの搾り汁をそのまま発酵させた希少な製法のラム。先に紹介した「サンバートン バニラ」や「ポルフィディオ」も同様に造られています。パンチのある中に、重層的な風味があってインパクト大。対して、赤は「インダストリアル」という糖蜜を使った一般的な造り方によるものですが、無添加ゆえにとてもパワフルな味わいで好き嫌いが分かれるかもしれません。野性味あふれる眉毛の太い島の少女といった趣でした。

一部を挙げただけでも実に個性さまざま。

希望とあらば1本ずつに千佳さんや尚子さんの名解説がついてくるので、ぜひおねだりを。

さらに、ラム初心者でも飲みやすいカクテルもいろいろとそろっています。

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▲「てぃだ うちな」 950円

沖縄の太陽という名のオリジナルカクテル。ラム&グレープフルーツのカクテル・ソルクバーノを「イエラム・サンタマリア クリスタル」で作ります。さっぱりとしてするする飲めてしまう危険な1杯!

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▲「石垣島ミントのモヒート」 800円

太陽の光を浴びてすくすくと育ったミントを使う、口明けにぴったりのカクテル。通常はあまりクセのない「バカルディ」のホワイトラムがベースですが、例のクセたっぷりな「コルコル」などに変更も可能。飲み比べも一興かと。

このほか、自家製のレモンチェッロやジンジャーエールを使ったカクテルもおすすめですよ〜。

腹ペコでも安心。フードも料理屋さん顔負け!

「かぶやぁ」の魅力はお酒だけではありません。

料理上手な尚子さんが主に手がけるフードもかなーりイケているのです。

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▲石垣島野菜のピクルス 400円

季節ごとの島野菜のみを使ったピクルス。ほどよい酸味が口の中をスッキリさせて次の1杯を誘います。

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▲そうめんジェノベーゼ 小500円(大は800円)

郷土料理のそうめんチャンプルーをイタリアン風に。鮮度抜群な島産バジルを使っているので香り立ちまくり〜。

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▲そうめんチャンプルー イカ塩辛バター 小500円(大は800円)

これも島産の塩辛を使用(長浜水産製。島のほとんどの家庭の冷蔵庫にはここの商品が入っていると思われる)。発酵モノとバターという酒飲み好みのマッチング……たまらん。

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▲かぶやぁカレー(ちょこっと)650円

これは個人的にイチオシ! じっくりと煮込んだ豚の軟骨入りでスパイシーなルーがやみつきになります。島産無農薬玄米を合わせているのでヘルシー。

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▲そしてデザートも! 大人のガトーショコラ 500円

数種類のスパイスを効かせた、ラムの味にも寄り添うチョコケーキ。そのうちのひとつは、“ヒバーチ”と呼ばれる島胡椒。八重山そばには欠かせない島スパイスですが、意外やチョコにも合う!

かように、ちょい飲みだけではもったいない、ネタ満載なバーなのであります。

味のよさに加えてお二人のキレッキレなトークも島人を魅了しており、一人でカウンターを目指す島のネェネェも少なからず。ママさん会合の帰りにここでひと息ついて一杯、というお姿も見かけます。まさに島の止まり木的存在!

観光の方には、ガイドブックには載っていないような島情報も惜しみなく教えてくれますよ。

一歩踏み込んだ石垣島の夜を体感したいなら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

お店情報

かぶやぁ

住所:沖縄県石垣市石垣267-101

電話番号:0980-83-4510

営業時間:19:30頃~翌2:00頃

定休日:水曜日

ウェブサイト:http://www.kabuyaa.com/

※本記事の2017年1月の情報です。

※金額はすべて消費税込です。

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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