福岡在住の直木賞作家・葉室麟「地方にいると歴史の断面がよく見える」

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歴史への想いを語る葉室氏

 時代小説『蜩ノ記(ひぐらしのき)』(祥伝社)で2012年1月17日に第146回直木賞を受賞した葉室麟(はむろ・りん)氏は記者会見に臨んだ。福岡県に暮らしながら作品を執筆することについて、「地方には(歴史上)負けた人の話が多い」とし、そこに歴史を見直す機会があると述べた。

 福岡県で執筆を続ける葉室氏は同じく九州で時代小説を書き、「九州(西国)三人衆」と呼ばれた白石一郎氏、古川薫氏、滝口康彦氏と比較されると、「私と共通点があるとすれば、地方で歴史物・時代物を書いていること」とし、

「地方にいると歴史の断面がよく見える。東京にいると、どうしても勝者が理解した歴史としてある。地方にいると負けた人の話が多く、その中で歴史って本当にこうだったのだろうかと考える機会がある」

と、地方で歴史小説を書くことの意義を語った。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 葉室氏が地方で執筆を続けることの意義から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv76739590?po=news&ref=news#3:10:33

(土井大輔)

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