“不審な外国人”ってどんな外国人?
『Twitter』の自分のタイムラインで、神奈川県警から回覧されたというチラシが話題になっていた。それは、神奈川県警のホームページ上に掲載された「犯罪インフラ撲滅対策 あらゆる犯罪の根絶を目指して」(http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesh0001.htm)というページが元になっているようなのだが。
神奈川県警察では、犯罪の根を絶つ活動として“犯罪インフラ撲滅対策”に取り組み、全ての警察官が犯罪インフラ撲滅対策に対する意識と士気の高揚を図ることを目的として、全警察職員から標語を募集し、最優秀作品他2点を選定したという。その最優秀作品は”見逃すな 暮らしに潜む 犯罪インフラ”だった。
ちなみに、この“犯罪インフラ”とは、
犯罪インフラとは、犯罪を助長し、又は容易にする基盤のことをいいます。
基盤そのものが合法なものであっても、犯罪に悪用されている状態にあれば、これも犯罪インフラとなります。
例えば、振り込め詐欺事件の犯人が、被害者に電話をかけたり、共犯者との連絡に使用した携帯電話、偽りの身分を装うための偽・変造された各種身分証明書、違法薬物の密売に利用されたインターネットの掲示板や宅配サービスなど様々なものが犯罪インフラとなります。
とのこと。
今後は、“この標語を用いたキャンペーンや広報活動を展開し、安全で安心して暮らせる神奈川を目指して諸活動を推進するため”に「皆さんのご協力をお願いします」とある。
この“皆さんのご協力”というのは、具体的にはどのようなことなのだろう。乱暴に言ってしまえば、密告しろということだ。
「情報をお寄せください」の一覧には、
・頻繁に姓を変えている人がいる
・不審な外国人が、薬のようなものを、薬局でもない場所に買いに来ている
・不審な外国人が、多数アパートなどに出入りしたり、集まっている
・大勢の不審な外国人が、働いている会社等がある
・朝夕、不審な外国人を送迎している車がある
・高い塀等で周りを囲み、不審な外国人が出入りしたり、多数の車の出入りがある
といった項目が記されている。タイムライン上では、「“不審な外国人”は、一体どういった基準で決められるというのだろう」という疑問の声が上がっていた。
そして、「怪しいな、と思ったら最寄りの警察署、又は下記(犯罪インフラ対策ホットライン)へ連絡をお願いします」とあるが、密告組織というか、戦時中の“隣組”のようでぞっとする。
現在、日本には私も含めて、約200万人の外国人が住んでおり、日本人と同じように、働いたり、学校で勉強したりしている。
また、外国人も同じ地域の住民として互いに認め合い、共に地域づくりをしていこうという多文化共生の取り組みも各地で行われている。
そのような時代に、神奈川県警はまるで逆行しているかのようだ。「外国人は犯罪者である」とでも言いたいのだろうか?
画像:神奈川県警察ホームページより
http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesh0001.htm
※この記事はガジェ通ウェブライターの「rinda」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
在日コリアン2.5世、中途半端なマイノリティですがごく普通に生きてます。ライターとして、日々あちこちでニュースを配信。法律もぼちぼち勉強中。みなさま、どうぞご自愛ください。
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