日本の未来は「明るい」20%以下 マクロミル『2012年新成人に関する意識調査』で
今年成人式を迎える人たちは、日本の未来と自分の将来をどう見ているのでしょうか? マクロミルは全国の新成人男女500名(有効回答数)を対象に『2012年新成人に関する調査』を実施。その結果を発表しました。調査手法はインターネットリサーチ、期間は2011年12月6日~8日。
「日本の未来」についてどう思うかを問う質問では、「明るいと思う」と回答したのは全体でわずか0.6%のみでした。「明るい」「どちらかといえば明るい」を合わせても19.6%に留まり、「暗い(16.6%)」「どちらかといえば暗い(63.2%)」を大きく下回りました。「暗い」と感じる理由は、政治への不安、格差拡大、経済状況の見通しの悪さがあげられています。
「自分たちの世代が日本を変えてゆきたいと思うか」という質問では、「そう思う(25.2%)」「ややそう思う(51.4%)」を合わせて76.6%に上り、昨年の同調査と比較すると8ポイント上昇しています。変えてゆきたいことは、「個人個人の社会貢献」「国民年金をしっかり払う」「日本を海外にアピールする」「国民への情報開示」などのコメントがあり、安心して暮らせるとともに海外に誇れる国へ変わってゆくことへの希望があるようです。
「将来の夢」の有無では、64.8%が「ある」23.6%が「ない、11.6%が「わからない」と回答。「自分の未来」については「明るい(13.8%)」「どちらかといえば明るい(51.2%)」「暗い(6.0%)」「どちらかといえば暗い(29.0%)」と回答しており、「日本の未来」よりもポジティブな数字になっています。「明るい」と思う理由には「なにごともポジティブに考えたい」「知識や経験が将来につながると思う」と答え、状況はともかく気持ちだけでも明るく持ちたいという意思が伝わってきます。
将来の仕事については、将来希望するのは「公務員(19%)」「会社員(技術系(15%)」の人気が高く、安定した収入への期待がにじんでいます。公務員では、地方公務員や教員を希望する人が多いようです。そのほかでは「会社員(サービス系)」「会社員(事務系)」が各6%、「会社員(その他)」3.3%、「自由業(3.1%)」「自営業(2.5%)」と続いています。また、就きたい仕事が決まっている人のなかで就職への不安を感じている人は47.5%。「やや不安を感じる(31.1%)」と合わせると78.6%が不安を感じています。
国民年金に対する意識では、72.4%が「将来自分がもらえるか不安」と回答。「持続可能な制度だと思う」と答えたのは「あてはまる」「ややあてはまる」を合わせても29.4%で、年金制度への期待の低さが露呈しています。また、国民年金に対する信頼は、「信頼できる(1.2%)」「どちらかといえば信頼できる(24.2%)」で、「信頼できない(30.2%)」「どちらかといえば信頼できない(44.4%)」という結果に。20歳から義務付けられている国民年金支払いへのモチベーションの低さが伺えます。
すでに成人となったみなさんは、新成人の意識についてどんな感想を持たれるでしょうか? 自分が成人式を迎えた頃と比べて見てみると、今の日本の状況が見えてくるように思われます。
※トップ画像は『足成』より。
京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。
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