受験前のとっておきの勉強法「暗記」をさらに生かすコツとは?
1月14日、15日に全国各地の試験会場で「センター試験」が行われました。受験生にとって、今はまさに受験シーズン。第一志望の大学に合格するため、試験までの限られた時間の中で、一つでも多くの英単語や年号などを暗記しようと今も奮闘している方もいるでしょう。
そんな中、2016年10月に幻冬舎から発売された『受験合格は暗記が10割』では、効率的に暗記する方法を紹介しています。
本書を手掛けたのは、全国に100校以上の”校舎”を持つ「武田塾」塾長の林尚弘さん。林さんは1984年生まれ。高校1年から予備校に通うも、受験に失敗し一浪。翌年、学習院大学法学部政治学科に見事合格しました。その後、自身の体験から大学在学中に同塾を開設し、E判定だった受験生を早稲田大学に合格させるなどして、驚きの勉強法で脚光を浴びました。
そんな林さんは本書で、「そもそも人間は忘れるようにできている。このことを知った上で、効率的に『暗記』をしなければなりません」と述べます。さらに「勉強とは、『知識の暗記』に尽きる」と暗記の重要性について言及し、受験生に普段から伝授している「武田塾式暗記術」を紹介しています。
たとえば「90分で100個の英単語を覚える方法」では、まずノートを用意し、ページの中心に縦線を引いて1ページを2つに分けて、左側に覚えたい単語を、右側に日本語訳を書きます。これを10個ずつ覚えていき、10個全部をまとめてテストしてそれを繰り返します。
……と、ここではかなり簡略的に紹介しましたが、英語以外にも、数学や理科などの暗記法についても触れています。
このように本書では、暗記がいかに重要かを訴えているわけですが、やはり短期間で結果は出るものなのでしょうか。「進研ゼミ高校講座」を担当する、ベネッセコーポレーション高校生事業本部の永見良介さんに聞いてみたところ、次のように答えてくださいました。
「確かに暗記学習は重要で、暗記に重点を置くことで、古古文、漢文、地歴公民にはチャンスが生まれます。テスト本番30分前に暗記学習をすることで、それが結果に反映されるケースもあります」
こう話す永見さんですが、「ただし」と付け加えさらに説明を続けます。
「暗記は、目的ではなく結果で、きちんとした知識が身に付いている上でのお話です。 『ごまかし暗記』といったように、その場だけ覚えたところで、知識を使いこなせなければ大学入試にはまったく通用しません。たとえば進研ゼミでは、高校1年から、本質的な理解を深める学習に重点をおいた『Challenge』などのプログラムを用意しています。また昨年からは、スマートフォンアプリ『サクッと暗記』の提供を開始しましたが、スキマ時間をつかって気軽に取り組むことができ、間違った問題をすぐに再出題するなど、知識を効率的に定着しやすい出題形式になっています」
また、暗記には個人差もあるようです。
「ひとくちに暗記と言っても、個人個人で効果は違いますし、そもそも勉強法には”相性”があります。コツコツタイプの人もいれば、メリハリをつけて勉強する人もいます。できれば一概に暗記に頼るのではなく、まずは自分に合った勉強法を見つけることが大事。その上で暗記法を身に付ければ、たとえば数学で問題を見ただけでも解き方がわかるようになります」
なるほど、一番大事なことは、自分に合った勉強法を見つけること。その上で問題や解答の本質を理解すること。暗記というのは、そのベースがしっかり備わっていればさらに活かせる「必殺技」になるのかもしれませんね。
試験本番まで残された時間が少ないですが、問題や解答の意味・本質をしっかりと理解しつつ、本書を読み進めてみたら、さらに暗記の効果が発揮されるかもしれません。
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