体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

「大企業」でくすぶるより、「ベンチャー」で夢中になりたかった…――楽天“自由すぎるサラリーマン”仲山進也さんの「奇跡のキャリアプラン」

日本最大級のネットショッピングモール「楽天市場」を運営している楽天株式会社に「自由すぎるサラリーマン」と呼ばれている社員がいるのをご存知だろうか。

楽天の正社員でありながら、出社の義務がない勤怠フリーかつ、楽天以外に仕事をしてもいい兼業フリーで、実際に「仲山考材」というご自分の会社も経営し、さらには横浜Fマリノスとプロ契約をしている。

そんな規格外の働き方を実現しているのが仲山進也さん(43歳)だ。仲山さんはどのようにして「自由すぎるサラリーマン」になったのか。これまでのキャリアと独自の仕事観、働き方をじっくり語ってもらった。

f:id:k_kushida:20170106164542j:plain

【プロフィール】

仲山進也(なかやま しんや)

1973年北海道旭川生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。シャープを経て、楽天へ。初代ECコンサルタントであり、楽天市場の最古参スタッフ。2000年に「楽天大学」を設立。楽天が20人から1万人の組織に成長するまでの経験をもとに人・チーム・企業の成長法則を体系化、社内外で「自走型人材・自走型組織」の成長を支援している。2004年、Jリーグ「ヴィッセル神戸」の経営に参画。2007年に楽天で唯一のフェロー風正社員(兼業フリー・勤怠フリーの正社員)となり、2008年には仲山考材を設立、オンライン私塾やEコマース実践コミュニティ「次世代ECアイデアジャングル」を主宰している。2016年からJリーグ「横浜Fマリノス」でプロ契約スタッフ。著書に『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか 13のコラボ事例に学ぶ「共創価値のつくり方」』『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」』(ともに宣伝会議)、『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則 『ジャイアントキリング』の流儀』(講談社)など。

Facebook

【就職活動期】司法試験に落ちて大学5年生で就職活動

──まずはこれまでのキャリアについてお聞かせください。就職活動の時にはどんなことを考えていましたか?

北海道旭川の高校を卒業後、推薦で慶應義塾大学法学部に入りました。学生時代は漠然と検事になりたいと思い、司法試験の勉強をしていました。というのも、子どもの頃に友達と遊びでサッカーをやっていて、みんなが飽きないようにルールをチューニングするということが好きだったので、世の中のルールというものを勉強してみたいと思ったからです。司法試験に受かると裁判官か検事か弁護士になれるということで、自分は人を裁くほど偉くないし、原告側か被告側につくかで主張が180度変わる弁護士もしっくりこない。悪いことは嫌いだったので、何となく検事がいいかなと。そんな、確固たる意志もない、漠然とした動機でした。

初めての司法試験は、1次試験の自己採点で1点足りなくて不合格でした。どうしようか考えて、試験はやめて就職活動をすることにしました。そもそも僕は試験が嫌いだったということを思い出したんです(笑)。受験しなくてもいいように学校の勉強はちゃんとやって、大学に推薦で入ったのでした。浪人して司法試験の勉強だけして過ごしているという自分のイメージが浮かばないなと。あと、結構がんばった結果が1点だけ足りないというのも、「こっちの道じゃないよ」という天からのメッセージかなと思ったりして(笑)。

とはいっても4年生の時は就職を全く考えていなかったので何の就職活動もしておらず、さらに当時は就職氷河期の真っ只中。まわりから、就職活動するなら新卒じゃないと内定はもらえないよと言われたので、親にお願いして自主留年させてもらうことにしました。それでやっと就職活動を始めたのですが、当時は本当に無知もいいところで、メーカーと商社の違いすらもわかっていない、恐るべきダメダメ就活生でした。友人たちはみんな卒業しちゃったので一緒に就職活動する友人もおらず、取りあえず見よう見真似で会社四季報を読んだり、誰でも知ってる有名会社にOB訪問に行ったり応募書類を送ったりということを始めました。

「ありがとうと言われる仕事はできますか?」と聞いて面接官に笑われる

──当時、就職に関してどのような思いを抱いていましたか? 例えばやりたいことを仕事にしたいという思いは?

全くなかったです。好きなことといえばサッカーしかなかったのですが、サッカー関係の会社に就職したい、と目標にするようなこともなく、ご縁があった会社、こんな僕でも拾ってくれる会社に入れればいいな、くらいにしか考えていませんでした。自分がどんな仕事に向いているのかもわからないし、そもそも仕事ってどんなものなのかもわからなかったので。

面接で「質問は?」と聞かれたときは、「人に楽しんでもらえて、ありがとうと言われるような仕事がしたいのですが、できますか?」という、ものすごく青い質問をしていました(笑)。

実はそれには原体験があって。大学時代に自分で主催した「ミニサッカー大会」がそれです。学部でゼミ対抗のソフトボール大会があって、サッカー大会はなかったので委員会の役員に「ミニサッカー大会もやりましょう」と提案してみたのです。そうしたら、「やりたければ勝手にやれば」と冷たくあしらわれたので、じゃあ勝手にやりますよと思って(笑)。自分で借りられるグランドを見つけて、ハンドボールのゴールにビニールテープでネットを手作りしたりして開催したところ、すごく盛り上がったんです。終わった後、ある参加者が「今日はめちゃめちゃ楽しかったよ。ミニサッカー大会をやってくれて本当にありがとう」と握手を求めに来てくれました。そのひと言がめちゃめちゃうれしくて。

それで、業界・業種や仕事内容うんぬんよりも「人に楽しんでもらえて、ありがとうと言ってもらえる仕事がしたい」と思うようになったのでした。ただ、就活の面接時に「そういう仕事はできますか?」と質問したら、ほとんどの面接官の人には「フッ」と鼻で笑われました。どうやら仕事というのは、ありがとうなんて言ってもらえないもののようだな、と知りました。

いろんな業界の人の話を聞くうちに、どうやら自分はメーカーが好きそうだなと思うようになりました。仕事の仕方として、単なる歯車的なのはイヤで、全体像がわかった上で自分なりに工夫したいと思っていたので、物を作って売るところまで全部、一気通貫でやってるメーカーがよさそうだなと。また、メーカーの人は落ち着いた雰囲気の人が多く、自分もテンションが高いタイプではないので波長が合いそうだなとも感じました。

1 2次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。