普通に軽自動車に乗る時代だからこそ、上質感のある4気筒エンジンにこだわりたい!

▲コストの兼ね合いもあってか絶滅してしまった軽の4気筒エンジン(画像はスバル・EN07型エンジン)

▲コストの兼ね合いもあってか絶滅してしまった軽の4気筒エンジン(画像はスバル・EN07型エンジン)

絶滅してしまった軽自動車の4気筒エンジン

軽自動車が我慢を強いられる車だったのはすでに過去の話で、最近の軽自動車の進化っぷりには目を見張るものがありますね。電動スライドドアにLEDヘッドライト、クルーズコントロールまで装着されている車種もあり、普通車に匹敵する装備を持ち合わせているといえるでしょう。

そんな豪華の一途をたどる軽自動車ですが、現在販売されている(2016年12月現在)新車の軽自動車には搭載されていないものがあります。それは「4気筒エンジン」です。確かに現在の3気筒エンジンは昔のものに比べて圧倒的に振動も騒音も軽減されていますが、やはり4気筒エンジンと比べてしまうと劣ってしまうのもまた事実。フィーリングに関しても4気筒エンジンの方が良いと考える人も多いでしょう。

そこで、今回は絶滅してしまった4気筒エンジンを搭載した軽自動車をご紹介。家庭の都合など様々な制約条件がある中では、維持費の安い軽という選択は現代では当たりまえ。そんな中でもこだわりを捨てず、あえて4気筒エンジン軽自動車をチョイスすることは、むしろカッコイイのではないでしょうか!? 中古車ではそこそこ台数のあるモデルも多いので、自分にあった1台を選ぶことができるかもしれません。

ダイハツ コペン(2002~2012年)

オープンカーであることに注目が集まりますが、走りのポテンシャルもかなり高い1台

▲オープン走行が楽しめて走りもいい、なんとも贅沢な車です

▲オープン走行が楽しめて走りもいい、なんとも贅沢な車です

ダイハツがリーザスパイダー以来、久々に登場させた軽のオープンカーがコペン。リーザスパイダーはベースにリーザがありましたが、コペンはオープンカー専用で開発がなされ、軽自動車とは思えないほどコストがかかっているのはご承知のとおり。余談ですが、電動ハードトップ機構を省いたディタッチャブルトップ仕様も存在し、販売台数約350台という激レアモデルとなっています。

そんな初代コペンに搭載されていたのがJB-DET型と呼ばれる4気筒ターボエンジンです。同型のエンジンは同社のMAXやムーヴの一部グレードにも搭載されていましたが、コペンに搭載されたものはツインスクロールターボを装着したもの。これにより、最高出力こそ自主規制値で64馬力のままだったものの、最大トルクは110N・mと、3気筒ターボを搭載する現行コペンの 92N・mを大きく上回る数値をたたき出していたのです。

スバル R1(2004~2010年)

アルカンターラやレザーなど上質な素材を使用した内装も用意したハイクオリティミニ

▲R1は軽乗用車サイズをフル活用しないという贅沢を教えてくれた

▲R1は軽乗用車サイズをフル活用しないという贅沢を教えてくれた

軽自動車枠という決められたサイズの中でいかに有効なスペースを稼ぎ出すのか、というのが軽自動車の命題とも言われ、ほぼすべての軽自動車がその枠いっぱいのサイズで登場しているなか、10cm以上短い全長で登場したのがスバル・R1でした。後部座席は用意されるものの、2人乗りのパーソナルカーというコンセプトで登場しており、レザーとアルカンターラのコンビシートがオプション設定されるなど、普通の軽自動車との違いをアピールしていました。

搭載されたエンジンは当初は自然吸気のDOHC4気筒エンジンのみでしたが、のちに廉価グレード用にSOHCエンジンも追加されます。しかし、このSOHCエンジンも4気筒というこだわりっぷり。さらに遅れてスーパーチャージャー付きエンジンもラインナップに加わりましたが、もちろんこちらも四気筒です。足回りも四輪独立サスペンションを採用し、一般的なトーションビームのリアサスとの差別化が図られています。

三菱 パジェロミニ(1998~2012年)

軽SUVとしては唯一20バルブターボエンジンをラインナップ

▲初代から一貫して4気筒エンジンを搭載し続けたもう一つの本格軽SUV

▲初代から一貫して4気筒エンジンを搭載し続けたもう一つの本格軽SUV

軽自動車の本格SUVというとジムニーをイメージする方も多いと思いますが、忘れてはいけないのがライバル関係にあったパジェロミニです。RVブームを牽引したパジェロで培ったノウハウを投入して生まれたパジェロミニは、今回紹介する2代目モデルだけでなく、初代から一貫して4気筒エンジンを搭載しているのがジムニーとは異なる最大のポイントでしょう。

さらに2002年8月までのターボモデルに限定されますが、1気筒当たり5つのバルブを備えた20バルブエンジンを搭載しているのです。日本において市販車で20バルブエンジンを採用したのは、トヨタの名機4A-G型エンジンと、この三菱の4A30型エンジンのみ。もちろん軽自動車では三菱だけとなります。ちなみにこの20バルブエンジンは同社のミニカやトッポBJの一部グレードにも搭載されていました。

軽自動車の4気筒エンジン、消滅してしまったのが惜しいと思えるほど魅力的に見えてきたのではないでしょうか? もちろん3気筒エンジンに比べ4気筒エンジンは部品点数が多くなり、コストも高くなってしまうという側面もあります。しかしそこは中古車。そんな魅力的な車がリーズナブルな価格で手にすることができるのです。さあ、あなたもレッツ中古車検索!

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三菱 パジェロミニ(2代目)text/小鮒康一

photo/ダイハツ工業、富士重工業、三菱自動車

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