20代の常識は40代の非常識!? 知らないと損する社会人の5つのオキテ
「女心(男心)がわかっていない」という言葉があるように、良かれと思ってしたことでも、相手にとっては残念に思われてしまう行動があるものです。これは何も男女関係だけではありません。上司と部下のような「20代の現場と40代の管理職」でも気持ちのミスマッチは発生しています。
このようなミスマッチを放っておくと、徐々にマイナス評価が蓄積してしまい、ダメ社員の烙印を押されることになります。逆に40代管理職のツボを押さえる人は、ぐーんと評価が上げることができます。
そこで、「知らないと損する社会人のオキテ」について、広告代理店勤務時代に3000人以上のVIPに対応した経験を持つ「気配り」のプロフェッショナル・後田良輔さんに話を伺います。
40代の口癖は「時間が足りない」
40代とは、ひと言で言うと「時間のない人たち」と言えるのではないでしょうか。
プレイヤーなら会社を出てはクライアントのニーズ把握と提案作業。マネジャーなら社内での関係部署の根回しや部下の管理。家庭にあってはパートナーと子供への配慮など、40代は自分のことだけに集中して行動することができない年代です。
そんな忙しい彼らは、目の前に増え続けるやらなくてはいけないことを処理するために「今、何を優先すべきか」という発想で、毎日、行動しています。この「優先順位をつけて行動する」という考え方に寄り添うことができれば、会社のキープレイヤーである40代の評価を上げることができます。
■社会人のオキテ① 「鮮度」を意識する
「会議の内容を議事録にまとめておいて」「来週の提案資料は準備できている?」「この書類をコピーして」など、40代に作業を依頼される場面は多々あるもの。そんな時、あなたはどのように対応していますか?
もしお願いされた順にこなしている人がいたら、それは残念な人だと言えるでしょう。彼らは、今、お願いしたことを一番早くやって欲しいと思っています。たとえ40代の人が「手が空いている時でいいから」と言っても、言葉どおりに受け取ってはいけません。
お願い事には魚の刺身と同じように「鮮度」が存在しています。もしAという作業を頼まれたあとに、Bという作業も頼まれたら、Bを優先してください。もしどうしても迷うようであれば、「AとBはどちらを優先しますか?」と聞くのが正解です。
■社会人のオキテ② 「利益」を意識する
お願いされたことは、手を抜かず、一生懸命取り組む。
一見、社会人として素晴らしい態度に見えますが、40代は一生懸命さに重きをおいてはいません。彼らが重要視するのは「利益」です。どんなに出来栄えの良い提案書でも、残業や休日出勤をして作成したのでは意味がありません。
40代は「人件費=支出」と見ています。特に昨今は超過勤務に厳しい時代ですので、与えた仕事以上に一生懸命残業されてしまうと困ってしまいます。ぜひ「与えられた時間の中で、どうやったら最大の利益を生み出せるのか」を考えて行動してください。
■社会人のオキテ③ 「素直」に聞く
「その場に合わせる」「場の空気を乱さない」など、人間関係を乱さない「読心術」を駆使し、「KY」と言われないように気を使っている20代のビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。現代はインターネットで手軽に検索ができるだけに、「聞くより自分で調べたほうが早いし波風が立たない」と考え、なかなか質問しにくいのでは。
ですが、その心づかいは40代には無用です。彼らの多くは学生時代に、部活の先輩に「パンを買ってこい」と言われたら、何の疑問も持たずに買いに走った体験を持つ世代。それゆえ「アレコレと空気を読む」より、「素直に聞く(従う)」姿勢を大切にしています。「こんなことを聞いたら馬鹿だと思われるかも」というレベルのことでも、素直に「教えてください」と聞いてください。40代には、「馬鹿な奴ほど可愛い」と思う性質を持ち合わせている人も多いのです。
■社会人のオキテ④ 「清潔さ」を重視する
流行のファッションに身を包み、仕事をバリバリこなせたら格好良いですよね。でもそこには落とし穴があります。40代は必ずしも「おしゃれが大切」とは思っていません。彼らが重要視しているのは「清潔さ」。「今すぐお客さんの前に連れて行っても恥ずかしくないか」という目線で衣服や持ち物をチェックしています。
極端な話、あなたの服装は、急なお通夜が入った際に対応できるようになっていますか? クライアントが販売している服やカバンなど、特に意味があるものでなければ「清潔さ」を判断基準に衣服を選ぶのが正解です。
40代は服装を「自分の気持ちが上がるか」ではなく、「周りからの評価が下がらないか」という目線で選んでいます。
■社会人のオキテ⑤ 「運」より「縁」を大切にする
「ビギナーズラック」という言葉があるように、初心者ゆえに雑念がなく、思わぬ好結果が出る場合が仕事でもあります。でもそれを「運がよかった」で終わらせるのはもったいない。デキる40代はあてにできない「運」に頼らず、毎回同じ結果を出せる「縁」を仕掛けます。
例えば手紙。運よく勝利したプレゼンがあれば、関係者にお礼の手紙を送る。クライアントの子供の誕生日を覚えておき、「もうすぐ〇歳になりますよね」と一声かけるなど、ちょっと手間だけど、結果、のちのち大きく戻ってくることに時間を割くようにしています。「縁」は「運」よりも強し。目の前の優先順位に将来という視点も足してみてください。
――20代で高評価を得る人は、「自分の気持ち」の前に「相手の気持ち」を考えることを習慣としています。どうせ働くのなら、仕事をすればするほど相手に認められる働き方をしてみませんか? 人は好意を受ければ受けるほど、その人を大切に思うものです。
ぜひ積極的に「あの人の優先順位は何なのか」と考えてみてください。たったそれだけで本当に信じられないくらい、いろいろなことがどんどんつながりはじめ、人生が劇的に変化していきます。
後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト
1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。
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