年金加入パンフレットの内容は最早詐欺!?

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年金制度の破綻の可能性については前々から指摘されているが、原則として20歳になれば加入しなければならない。先日20歳を迎えた筆者の許にも、加入申し込み用紙とパンフレットが送られてきた。

パンフレットはQ&Aの形式でわかりやすくまとめられている。筆者自身は、国民の義務であるし、今まで税金を介して年金受給者やこれから受給するであろう世代に育てられたと思っているので、どんな内容であろうと可能な限り納めるつもりだがせっかくなので読んでみた。
その内容には事実であるが、真実と乖離(かいり)している部分があった。以下に一部を抜粋する。

Q4.将来、十分な年金が本当にもらえるの?

A.はい。生きている限りもらえる、一生涯の保険です。賃金や物価の変動にあわせて、年金額が改定されるため、年金に加入(20歳)してから年金を受給(65歳)するまでの間、経済社会が大きく変動したとしても、年金の価値が保証されます。国民年金の老成基礎年金は1/2が国庫負担(税金)で賄われているため、払った保険料を上回る給付を受けられます。

おわかりいただけただろうか。本来ならば負の意味で使用されるデータが、都合の悪い箇所を隠してアピールに使われている。

老齢基礎年金の額は、昭和61年度は62万2800円だが、平成23年度は78万8900円と説明どおり上昇している。しかし裏では年金未納率が年々上昇しており、平成22年度には過去最悪の40.7%を記録した。悪化の要因について厚労省は「年金記録問題への対応に人手が割かれたこと」を挙げ、平成22年度は「大きな影響はない」としたが、悪質未納者に対する差し押さえ件数は3379件で、前年度比287件増にとどまった。納付がままならない状態で「年金の価値が保証される」という言葉は信じていいものなのだろうか。

国庫負担についても同じことが言える。基礎年金の国庫負担割合を1/2にする法案は平成21年6月に国会で可決されたが、財源には埋蔵金が充てられた。現在に至っても財源の問題は解決されていない。

予想通り、パンフレットにそうした問題点についての記載はない。あるのは甘言だけである。少しだけでも問題を解決する方針や方策を載せたほうが、年金を納めようという気が起きると思うのだが……。

年金法では、「税制抜本改革により安定財源を確保して、基礎年金国庫負担1/2を恒久化する」としている。政府には、安心して年金を納めることができる環境を整えてほしい。自身が高齢者になったとき、「年金を納めてよかった」と思うことができることを願うばかりだ。

画像:フリー百科事典『ウィキペディア』年金手帳より
http://ja.wikipedia.org/wiki/年金手帳

※この記事はガジェ通ウェブライターの「きっしー」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
1991年11月19日生まれ。主に政治分野の出来事とそれについて自分が思ったことを記事にしていこうと思います。より興味がある分野は経済と国防です。何卒よろしくお願いします。

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