カッパ登場の構想もあった? 『ハリー・ポッター』名物プロデューサーが待望の新シリーズを語る

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11月23日(水・祝)より日本公開を迎えた映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。『ハリー・ポッター』の世界を舞台に、原作者 J・K・ローリングが脚本を書き下ろし、主人公ニュート・スキャマンダー役にエディ・レッドメインを迎えた新シリーズだ。

映画『ハリー・ポッター』全シリーズを手掛け、最新作でもプロデューサーを務めたデヴィッド・ハイマンに単独インタビューを実施し、制作の裏側と新シリーズの今後を聞いた。

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――全世界で大ヒットスタートおめでとうございます! 『ハリー・ポッター』を含めたこの魔法世界のシリーズが世界中で人気を博している理由は何だと思いますか?

ハイマン:ファンタジーはみんなが大好きだ。ビーストも。呪文も。でも、やっぱりキャラクターや、彼らが置かれた状況を楽しんでいるんじゃないかな。今作で活躍するニュート、クイニー、ジェイコブ、ティナはアウトサイダーなんだ。ハリー、ロン、ハーマイオニーも同じだけど、人間誰しもが、ある点で自分がハグレ者だと感じている。ニュートは人間といるよりも、魔法生物たちと一緒の方が楽なタイプだ。ファンタジーだけど、描かれているのは私の物語であり、あなたの物語だ。ジョー(J・K・ローリング)は、我々の住む世界に鏡を置いて、そこに映る真実を見せているんだと思う。

――ニュート役のエディ・レッドメインは、オーディションで選ばれたのでしょうか?

ハイマン:エディは、我々にとって唯一の主演候補だった。だからオーディションはしていない。彼はどんな時代にもとけ込むことができる素晴らしい英国人俳優だ。ニュートは少しぎこちないところがあるけど、観客が感情移入できる魅力的な人物でなくてはならない。その点、エディは誰からも愛される見事な人間性を持ち合わせているね。

――彼は『ハリー・ポッター』で、ヴォルデモートの青年期トム・リドル役のオーディションを受けていたと明かしました。

ハイマン:実はその時のことは覚えていないんだよ(笑)。でも、ヴォルデモート役を演じるには善人すぎる。それに、『ハリー・ポッター』に出演していたらニュートを演じることはなかったから、合格しなくて良かったよね。

――今作は『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが脚本を手掛けていることでも話題になっています。

ハイマン:ジョーにとって脚本は新しい経験だ。素晴らしい小説家であっても、素晴らしい脚本家とは限らない。だから、最初の草案を読むときは少しナーバスになったよ。でも、読み始めてすぐに「これは大丈夫だ」と思った。キャラクター、会話、場面、どれも素晴らしかった。最初は3部作の予定だったけど、2本目を書いているうちに「5部作になる」と言い始めたんだ(笑)。本人も認めるはずだけど、書きながら学んだ部分は多いと思う。

――現在は、5部作のどのあたりまで完成しているのでしょうか。

ハイマン:2作目の最初のドラフトが届いたところだ。5部作にわたる全体の流れは聞いているけどね。

――もし、ちょっとだけ話せることがあれば……。

ハイマン:口が裂けても言えないよ(笑)。教えられることがあるとすれば、2作目には若い頃のダンブルドアが出てきて、フランスのパリで場面が展開される予定だよ。

――ニューヨークやパリに続いて、世界の主要な都市が舞台になる予定ですよね。日本やアジアが舞台になる可能性は?

ハイマン:まだ分からないけど、ジョーは日本が大好きだと言っていた。2年前の来日が凄く楽しかったみたいで、今でもその話を耳にするよ。日本にも魔法学校があると明かしているしね。

――日本にも妖怪を始めとした古くから伝わるファンタスティック・ビーストがたくさんいるので、ぜひご検討を!

ハイマン:ああ、ヨーカイ! 今作にはカッパが登場するかもしれなかったんだよ! デザインまでは完成していた。ストーリーと合わなかったから、最終的には採用されなかったけど。

――次回作以降の楽しみがまた1つ増えました(笑)。最後にプロデューサーとしてのご意見が聞きたい質問を。英国のEU離脱決定や、米国の大統領選など、映画製作で携わる両国が大きな変化の時を迎えています。映画業界も何か影響を受けることがあると予想していますか?

ハイマン:今はEUの加盟国として、ヨーロッパからの融資を受けて映画製作を行っている。出資パートナーだけでなく、キャストやスタッフも、ヨーロッパ各国の才能が集結している。離脱してしまったら、大きな打撃を受けるかもしれないね。ただ、実際に離脱してみないと分からないのが現状だ。言えることは、国と国を分断することよりも、つなぐことの方が尊いと思っている。ある意味で、ジョーの物語は、まさに人と人のつながりを描いていると思う。世界が分裂してしまって、考えの異なる人が対立した時に、人が人を否定するという事実を提示している。英国でも米国でも日本でも共感できる物語だ。今この時代に、この物語を描くのは、非常に意義深いことだと考えているよ。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』予告編(YouTube)
https://youtu.be/JT-MXQTYaBw

映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』公式サイト:
http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/

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よしだたつき

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PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

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