アポ取りから打ち合わせ終了後まで。理想的なメールの通数は?

ビジネスシーンでのコミュニケーションは今やメールが主流。特に、社内外に関わらず、仕事相手との面談や打ち合わせのダンドリはメールでやりとりする人が多いことでしょう。

多くのタスクをメールでやりとりするだけに、人によっては1日に100通以上のメールをさばいていることも。そのため、非効率なメールを送ることは相手にムダなやりとりを発生させることにつながり、マイナス印象にもなりかねません。

そこで、日本ビジネスメール協会の代表理事であり、ビジネスメールやコミュニケーションに関するコンサルティング・教育を手がける平野友朗氏に、メールを効果的に使うポイントをお聞きし、まとめてみました。

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ここでは、社内外を問わず「面談や打ち合わせを行う」というシチュエーションを例に、効果的なメール送信のタイミングと内容をご紹介します。

平野氏によると、理想的なメールは5通だそうです。

【1通目】アポイントを取る

「**についてご相談したいのですが、ご都合いかがでしょうか」

「**についてご案内したいのですが、近々お時間をいただけますでしょうか」

アポイントを取りたい相手への最初のメールで、これだけ書いて送る人もいます。

すると、この後、どうなるでしょうか。

相手「承知いたしました。〇日×時~ではいかがでしょう」

自分「申し訳ありません。その時間帯は別の打ち合わせが入っております。〇日か〇日はいかがでしょう」

相手:「では、〇日×時~はいかがですか」

このようにムダな往復が発生することになり、相手に手間をかけさせてしまいます。

打ち合わせを申し込む際には、ただ「会いたい」と書くのではなく、目的や趣旨を記した上で、候補日をいくつか提示しましょう。

あらかじめ選択肢を示すことで、メールの往復回数を減らし、日時決定に至るまでの時間も短縮できます。

【2通目】打ち合わせの議題・資料を送る

相手は忙しい中、自分とのアポイントにあてる時間を捻出してくれているということを忘れてはいけません。当日の打ち合わせで、なるべく相手の時間を余分に奪うことのないように配慮したいものです。

当日会ってから分厚い資料を渡したら、相手がそれを読んで理解・検討するのに時間がかかり、話し合いの時間が削られたり、長引いたりしてしまいます。再度打ち合わせの場を設ける必要が出てきて、相手に負担をかけることになります。

数日前にはメールで資料を送っておきましょう。そして、今回の打ち合わせの目的、目指すゴールなども明確に伝えておきます。

相手が事前に考えをまとめたり、資料を準備したりしておけるので、当日会ってすぐに本題に入り、密度の濃い話し合いができます。

【3通目】リマインドをする

「リマインド」とは、相手に一度伝えたことを思い出してもらうために、再度伝えること。アポイントの前日に、「明日、〇時に伺います。よろしくお願いいたします」とリマインドのメールを送りましょう。

「気が利く人」という印象を持ってもらえますし、「そういえば資料が送られてきていたな。読んでおかなければ」と、さりげなく相手に準備を促すこともできます。

もちろん、相手がアポイントを忘れていて、当日訪問したら不在だった…というムダ足も防ぐことができます。

【4通目】お礼をする

打ち合わせが終了したら、時間を割いてもらったことに対し、お礼のメールを送りましょう。これは、その日のうちに送るのがベスト。早ければ早いほど、感謝の気持ちが伝わりやすく、好印象を与えます。

直接業務に影響しなくても、相手との人間関係が深まる可能性は十分にあります。

また、お礼の言葉にプラスアルファのメッセージを書いておくのもおススメ。

例えば、「***のお話が大変勉強になりました」「***というエピソードに感銘を受けました」など。相手が話したことに対してポジティブな感想を送れば、印象はさらにアップします。

あるいは、このプロジェクトに対する意気込みを伝えれば、「応援してあげよう」「協力してあげよう」「心強い。安心して任せられそうだ」という気持ちになってもらえるかもしれません。

【5通目】「まとめ」を送る

打ち合わせで決定した事項、持ち越しになった課題などをまとめて送ります。このメールが「議事録」の役割を果たすと同時に、「私は本日の打ち合わせ内容をこのように認識しましたが、間違いないでしょうか?」という確認にもなります。

もちろん、お礼のメールの中に書いても構いません。

自分と相手では違う受け止め方をしていて、後日、提案書を出したり2回目の打ち合わせをしたときに「あれ?」となるのはよくあること。「まとめ」を提出することで、お互いの認識のズレを防ぐことができるというわけです。

――相手に好かれるメールは、「相手にとって意味があって自然に受け取れるもの」。嫌われるメールは「意味がなく不自然なもの」と平野氏。

「このタイミングで、この情報をもらえるとはありがたい!」と思われるようなメールを送ることを心がけてみてください。

平野友朗氏/一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事、株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役

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1974年生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学専攻。広告代理店勤務を経て、2003年、日本で唯一のメルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育の専門家。メールスキル向上指導、組織のメールのルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。セミナーや講演・研修は年間100回を超え、メディア掲載実績は合計で400回を超える。著書は『カリスマ講師に学ぶ!実践ビジネスメール教室』など合計23冊。

一般社団法人日本ビジネスメール協会 http://businessmail.or.jp/

(株)アイ・コミュニケーション http://www.sc-p.jp/

ビジネスメールの教科書 http://business-mail.jp/

EDIT&WRITING:青木典子

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