Web派?手帳派?基本は「情報をまとめる」こと。仕事をグッと効率化させる手帳術
年末が近づき、2017年度の手帳がたくさん店頭に並ぶ季節となりました。
毎年習慣として手帳を買っているものの、ただ漫然とスケジュールを書きこんでいるだけ、あるいはほとんど活用できず真っ白のままという方へ。 書き込み方や整理の仕方を少し工夫するだけで、ビジネスを一歩リードできる手帳術があるのです。
大手広告代理店でクリエイターをつとめ、独自の哲学を詰め込んだ『ジブン手帳』を生んだ佐久間英彰さんに、仕事をより効率化させる手帳の活用術をうかがいました。
手帳を効率化させる「付加価値情報」とは
「スケジュール管理」以外にメモするべきこと……それは、ビジネスに価値を生み出す「付加価値情報」です。
「スケジュール情報」は、いわゆる「いつ」「どこで」「誰と」「どんな」打ち合わせをするかなどの情報です。もし記入ミスがあると、打ち合わせをすっぽかしたり、ダブルブッキングしたり、場所が分からずタイムロスしたり、打ち合わせの目的がわからず無駄な打ち合わせになってしまったりと、ビジネス以前の根本的なミスが発生してしまいます。
もちろん「スケジュール情報」だけでビジネスが円滑に進んでいるのであれば、全く問題ありません。しかし、もっと手帳を効率的に使いたいという方は、「付加価値情報」を書くことをオススメします。
「付加価値情報」とは、スケジュール以外の仕事に役立つ情報のこと。ざっくりというと「これって手帳のどこに書けばいいの?」と悩む情報を指します。
「付加価値情報」はビジネスを円滑にする種
打ち合わせや飲み会の席で、上司が「あの資料は読んでおいた方がいいよ」とアドバイスしてくれたり、得意先が「あの映画いいんだよね。観るといいですよ」と勧めてくることがよくあると思います。
その時に「はい、見てみます」とその時はやるつもりで答えるものの、その後ちゃんとチェックする人は、あまり多くないのではないでしょうか?
しかしきちんと実行した上に感想まで伝えると、上司や得意先は好感を持ってくれるはずです。教えがいがあるので、もっと面白い情報が入ってくるかもしれません。
些細なことかもしれませんが、これができる人とできない人とでは、きっと一年後には大きく差が開いているはずです。上司や得意先は、あなたに必要だと思って伝えた情報ですから、実行することできっとあなたの身になるでしょう。人間関係とは、こうした蓄積を続けることでもあります。それを助けてくれるのが、手帳なのです。
他にも「プレゼントにもらった/あげたもの」や「口約束」、仕事で疲れた時に背中を押してくれる「名言」、パスワードを思いださせてくれる「ヒントリスト」など、手帳に書く事でビジネスを円滑にしてくれる情報は多々あります。
手帳に「情報の置き場所」をつくる
こうした「付加価値情報」は、スケジュールを書くページではなく、特別なページに書き溜めるのがオススメです。というのも、スケジュールを書くページには、一週間や一ヶ月と寿命があり、その時間が過ぎると見返す事はほとんどなくなってしまいます。活用できない情報は、そもそも書く意味がありません。
そこで常に見返すためのリストページを作ってみましょう。「書き留めておこう」と思ったことは必ずそのページに書くクセを付けておけば、後から見返すことで実行に移しやすくなります。また、書くたびに前に書いた情報が目に入るため、リマインダーの役割も果たします。
部屋の整理整頓術でよく「置き場所を決める」というワードが出てくると思いますが、情報にも置き場所が必要だということです。
というわけで、ビジネスを一歩前進させ、さらに人間関係を潤滑にするためには「付加価値情報」をどう活用するかが大切です。
まとめると、「スケジュール情報」は、当たり前の事を当たり前にやるために重要な情報。「付加価値情報」は、相手の期待以上の結果を導きだすために必要な情報、ということです。
タイプ別・手帳の使い方アドバイス
・副業やプライベートとの両立に悩む
仕事やプライベート(もしくは副業)で分けて情報を管理したい、つまり「プライベートのときくらいは仕事のことを忘れたい」という人もいるかもしれません。
しかし、例えば「今日のプレゼンがうまくいったのは、プライベートでいいことがあったから」など、仕事もプライベートも副業も、全ての予定は相互に作用しているのです。なので、公私関係なく情報をひとつのページに「見える化」した方が、全体の流れが俯瞰しやすくなります。
そもそもひとつの時間にできる事はひとつですから、記入場所を分けて手帳に余計な隙間を作ってしまうと、ダブルブッキングの恐れもあります。
スケジュール管理でのTIPSをあげるなら、色分けしてスケジュールを書き込んでみましょう。例えばビジネスは「青」、プライベートは「赤」、副業は「緑」で書き分けると、一週間を俯瞰したときに色だけを見て公私のバランスを把握しやすくなります。
・目の前の作業に追われてしまい、仕事が終わらない
仕事とは、ひとつ終わらせても、次の仕事が待っているもの。最も大切なのは、定めれた時間内に終わらせることです。そこでスケジュールを立てるときは、締め切りを設定するのはもちろんのこと、その作業にかかる時間を予測したり、マイルストーンとなるチェックタイミングも同時に設定することをオススメします。
一度書き込んだら、あとは頭をクリアにし、目の前の仕事に没頭することが重要です。結局人間は、マルチタスクではありませんから。
・取ったメモを無くしてしまいがち
よく小さな付箋などに情報を書き込む人がいますが、無くしたり、どの紙に書いたか思い出せなくなる危険があるためオススメできません。もし使うとしても粘着力が強い付箋にして、決まった“母艦ノート”へ順番に転記したり、貼り付けたりするなど何かしらの工夫が必要です。
根本的に「情報は分散してしまうもの」ですので、メモを取るときには「絶対にここに集約させるのだ」というルールを作っておくことが重要です。
これはメモ以外にも、スケジュールに関しても同様です。情報の置き場を分散させず、スマホならスマホ、手帳なら手帳と、ひとつのツールにまとめるようにしましょう。
集約場所は、EvernoteやGoogle Keepのようなデジタルツールでも、モレスキンノートのようなアナログノートでも、どちらでもかまいません。とにかく、自分が一番管理しやすい・見つけやすい方法で、ひとつの“母艦”に集約させるよう意識づけましょう。
手帳を活用するときの注意点
情報は書き込みすぎず、簡潔に
手帳に仕事の予定を書き込む時に注意すべきポイントは、たくさん書きすぎない事です。
特にスケジュール情報は、「いつ」「どこで」「誰と」「どんな」打ち合わせをするかという情報で十分です。付け足すとしたら、「打ち合わせの目的」や「ここまでにやること」などを書くくらいでしょう。それ以上は情報が多くなり過ぎて、逆に見づらくなってしまいます。
また時間管理できる手帳の場合、移動にかかる時間も記入しておくのも手です。移動に何分かかるのか、最悪何分の電車に乗れば間に合うのか、など事前に書いておくと効率的です。
まとめ
手帳の活用において重要なことは、情報をバラバラにせずまとめること。そしてまとめた情報を常に俯瞰できるようにしておくことです。常に全体のスケジュールを把握することで仕事の効率アップにつながり、メモの整理を習慣化することで、人間関係の蓄積にもつながります。
来年こそは、いや、今から手元の手帳をもっと活用してみてはいかがでしょうか?
識者プロフィール
佐久間英彰
1974年、香川県生まれ。大手広告代理店のコピーライター、CMプランナーとして様々な広告に携わり、多数の広告賞を受賞。プライベートで、長年にわたり独自に開発したオリジナル手帳「ジブン手帳」や、月と週を同時に見られる「Pat-mi手帳」を商品化。近著に「速攻で仕事をする人の手帳のワザ」。
<取材・伊藤七ゑ>
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