【ガジェ通秋葉原制覇】100年以上続く老舗の天丼を食べてみました @『八ツ手屋』
ガジェット通信編集部のある秋葉原から『とんかつ冨貴』が無くなってしまいました。
閉店した理由に関しては様々な噂も有りますが、やはり数年前の“閉店騒動”を考えると、まあ潮時かなと思った筆者(YELLOW)です。
というわけで、今こそ古き良き名店を特集するべきではないでしょうか?
後悔する前に行っておけ説を小一時間説きたい
『とんかつ冨貴』に限りませんが、いざ閉店となってから
「もっと通えば良かった……。残念です。」
みたいな声を出す人が少なくありません。いや、だったら行けよって話ですが、誰もが気になる店の近隣に住んでいるわけではないので、そう簡単に済む話ではありません。
なので「遠いから行けない」を力説する人の気持ちはごもっともですが、あえて言おう!
「歳を重ねてジジババになると人間の行動範囲は狭まるので電車を乗り継いででも気になる店には一回くらい行け!行って下さいコノヤロー!!」
他にも大事な事を伝えておきますと、
「歳を重ねてジジババになると脂っぽい料理が無理になるから若い時こそ脂ギッシュに生きろ!羽ばたけ!!」
以上です。
無論、そんなに食べ物に興味無いって人にはどうでも良い案件ですが、人間の寿命は長いようで短いので、とりあえず冥途の土産と言うか想い出のひとつとして“食べ歩き”みたいなのはオススメで御座います。
と、食べ歩き向きのマニアックな店を紹介すると、これまた批判する人も出るのですが、やはり個人経営の飲食店と言えども、利益が出ない事にはどうにもならないので、新規のお客さんを拒む様なのは如何なモノかと思います。
例えば『とんかつ冨貴』ですが、もしも普段から行列が出来るくらい人気があって、かなりの黒字経営だったならば、もしかしたら今でも店が続いていた可能性は否定出来ません。
確かに中の人も引退したい年頃かもですが、儲かっていれば人を雇ったりしていくらでも続ける事は出来ます。
そして利益が出ていれば、店の人同士で揉める事も無いだろうし、店を続けようと言うモチベーションにもなるはずです。
つまり!
どんどん大規模チェーン店にお客さんが流れてしまう昨今、新しい世代が古い店に訪れて“本物の美味しさを知る”という事は、非常に重要であると同時に未来の(略
創業大正3年!老舗の天麩羅『八ツ手屋』
そもそも大正3年と言われてもピンと来ないのですが、創業1914年と聞くと「マジか!!!」みたいなリアクションが生まれるでしょうか?
まさに100年以上続く“老舗”としての看板を背負った『八ツ手屋』は、筆者的にもリスペクトで御座います。
店の表に置いてある自転車もクラシカルで素敵過ぎます。
『天丼』(上 1050円)を食す!
『八ツ手屋』は食券制となっています。もっとも食券と言っても今は発券しておらず、店の入り口横にあるカウンターで注文して、先にお会計をするシステムになっています。
そして待つ事、十数分……こんな感じで御座います。
「上天丼の“上”とは?」
そんな疑問が沸き上がる筆者ですが、そこは筆者が決める領域ではないので受け入れるのみです。
一応、上は中よりも海老が大きくなるらしいのですが、これ以上小さくなったら甘エビサイズになってしまうと思うのですが、どうなんでしょうか?
ちなみに天丼を司る構成は“海老天2本、インゲン1本、イカのかき揚げ1枚”の面子でした。
タレは流石に美味しいぞ!
いきなり天丼のタレを褒めるのもアレですが、確かに老舗にしか出せない味って事では、この『八ツ手屋』のタレは味わうべきかと思います。
あえて言おう!海老天は微妙かも知れんと!!
値段を守る為の選択とはいえ、一説によると輸入物の海老を使っているらしいです。ここら辺は原材料が高騰しているので、価格維持の為には仕方無いかもですね。
まあ、確かに味もそんな気がしないでもない“海老天”でして、衣が大きい事もあり判定としては微妙です。
いや、これを絶賛するのは流石にないと思ったと素直に書きましょう。あの“ネイチャージモン(寺門ジモン)”も言うように
「人が口に入れる物に嘘があってはならない」
ってのを破ってしまうと、もう何を書いても説得力がない広告記事になってしまうので、イマイチな時はイマイチと言える健全な業界で在るべきかと存じます。
輸入な時点で冷凍物ですから、その海老を頑張って老舗の技でどうこうしても、やはり限界があるって事でしょうか?
とは言え、天丼という丼モノで考えた場合、このタレを含んだ衣の美味しさも評価の対象になるので、天丼で食べるならディスる程ではありません。
(天麩羅だったら発狂するかもですが……。)
イカのかき揚げは……どうでしょう?
まず美味しい“かき揚げ”の定義ですが、やはり筆者的には衣が少な目で“具材の美味しさ”が前面に出る奴が素敵かなと思います。
だが、しかし!
天丼のようにタレをかけて御飯と一緒に掻き込む事を想定した場合、この『八ツ手屋』の“かき揚げ”も正解だと思うので、そこは店の個性と言うか伝統として受け止めたいと思います。
お吸い物は間違いなく美味しいぞ!
これはなかなか、美味しゅう御座います。
漬け物もイイ感じで、やはり名店と呼ばれるだけの味に納得した筆者です。
ご馳走様でした!
『八ツ手屋』 総評
100年以上続く老舗を筆者如きが評価するのもアレなのですが、やはり老舗だからと言って何でも褒めちぎるってのも、どうかなと思った次第です。
例えば老舗と言うモザイクを取っ払って、純粋にひとつの“天丼”として他の店と比べた場合、筆者の場合は厳しい評価になってしまいます。
とは言え、やはり地元の人にとっては昔から慣れ親しんだ味でして、そういう味を大事にするのも正解ですので、そこら辺まで含めての評価をすると
「一回は食べてみるべきかな?」
みたいな地点に着地すると思います。なんだかんだ言っても100年続いているのですから、その店の方針に関して口を挟む余地はありません。
しかし!
平日の短いランチタイムしか営業しておらず、商売っ気がないと言うかなんと言うか、老舗ならではの「ウチはずっとこれだから」感は、この先の飲食業界の厳しさを想像すると、やはり心配になってしまうのは自分だけでしょうか?
天丼の“東の横綱”と言えば横浜の『豊野丼』ですが、あのオヤジが出す天丼と比べてしま(略
それでは、是非みなさんも『八ツ手屋』の天丼を試してみて下さい。歴史的な天丼を千円チョイで食べられるチャンスは滅多にないので、有給を使ってでも訪れてみる価値はあると思いますよ。
『八ツ手屋』
住所:東京都千代田区神田司町2-16
営業時間 11:00~14:00
定休日:土日祝日
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