相手に喜ばれる手土産の選び方と手渡す時のマナーについて
相手に喜ばれる手土産のマナーとは
知人や友人やお世話になった人など訪問先に持参する進物を「手土産」と称しますが、日本には相手に対する感謝の気持を品物に託す習慣が根付いています。
よりよい人間関係を育むために古来より受け継がれた美しいしきたりですが、何を選んだら良いのか、あるいは渡すタイミングを計るのに苦労するケースが多々あるようですので順を追って解説いたします。
手土産の選び方のポイント
貴方の事を大切に思って「貴方のために真心こめて選びました」という気持ちが伝わる品物で、消費してしまうものがお勧めですが下記の点がポイントです。
○贈る目的に合わす
お中元やお歳暮なら定番商品を、格式の在る祝い事なら格調の高さを感じられるものを、友情の表現としての贈り物なら手作りのクッキーなど、贈る目的と品物の有しているイメージや性格がマッチしていることが大切です。
さらに自分の収入に合わせ、背伸びしないことも大切です。
○間柄を考慮する
自分と贈る相手の関係を考えて下さい。非常に仲の良い友人なら親しいからこそ贈れるものがいいでしょう。
上司や目上の人やなら、あまり個性の強くないオーソドックスな品物が良いと思います。
○相手の生活スタイルを考慮する
都会暮らしの人には旬の山菜や土地の漬けものなど、田舎暮らしの人には洋菓子、大家族には実用的で量の多い調味料、一人暮らしには細かくパックされたお菓子などがお勧めです。
相手の好みや健康状態にも気配りして下さい。
○相手の年齢を考慮する
年齢による価値観や好のみの違いにも注意して下さい。
但し相手が年長者ということを意識しすぎて地味になり過ぎないように。
○注意したい異性への手土産
相手が異性の場合は特に間柄と贈る目的を考慮して下さい。
また男性から女性の場合は相手が気軽に受け取れる花もいいでしょう。
女性から男性の場合は女性らしい心配りをアピールする品物が喜ばれると思います。
訪問の約束と入室まで
手紙が丁寧ですが電話やメールでも構いませんので訪問の約束をとってください。
その際自分の目的を一方的に押し付けることのないように、さらにどのくらいの時間を要するかも伝えて下さい。
訪問時についてですが、玄関では手土産を持ったまま簡単な挨拶をします。
次に玄関を上がる時に後ろ向きで上がるとガサツになりますので、正面向きで上がって下さい。
夏でも素足やサンダルはNGです。
部屋に通されたら本日最高の挨拶をして下さい。
手土産の渡し方
苦労して選んだ手土産は、日頃の感謝と充実した時間を楽しんでいただくために持参するものですから真心こめて渡して下さい。
渡すタイミングは部屋に通され正式な挨拶がすんだ直後です。
添える言葉は、本来は「つまらないものですが」という、相手を尊重すると共に自分自身を謙遜する美しい言葉がお似合いですが、その意味を正しく理解できる人は殆どいません。
従って「貴方のために真心こめて選びました」という気持ちを、「心ばかりですが」「お気に召すとうれしいのですが」などの前向きな言葉と共に表現されたらいいと思います。
なお手土産は熨斗紙をつけて風呂敷で包むのがお勧めですが、替わりにリボンや紙袋でもいいでしょう。
ただ風呂敷や紙袋は手土産を汚さないようにするのが目的ですから、風呂敷に包んだまま、あるいは紙袋に入れたまま渡すのは失礼になります。
渡し方は和室では正座して風呂敷をほどいて、あるいは紙袋から手土産を出して、自分の正面に表面を上にして置き、素早く風呂敷や紙袋をたたんで、手土産を相手方に向けて渡します。両手で持って自分の胸の高さくらいが良いでしょう。
洋室の場合は立って挨拶した後に、手土産をとりだし風呂敷や紙袋をサッとたたみ、相手に正面を向けて両手で差し出して下さい。
ちなみに、生ものや冷菓などは玄関で、「生ものですから早めに冷凍庫に入れて頂けますか」といって先に渡します。
夫婦での訪問の場合は夫が渡します。
(平松 幹夫/マナー講師)
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