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参院選29万票で落選……山田太郎氏インタビュー(下) 「表現の自由を守る党の活動は練り直さないといけない」

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2016年7月10日に投開票が行われた参議院議員選挙で得票数29万1188票を得ながら落選した山田太郎氏のインタビュー。前編では、約29万票という投票数の影響や、選挙戦の戦略についてお聞きしました。

参院選29万票で落選……山田太郎氏インタビュー(上) 「ネットの神様は3つのことを守らないと認めてくれない」
https://getnews.jp/archives/1506957 [リンク]

後編では、選挙戦の反省とともに、表現の自由を守る活動を今後どのように展開していくのかお聞きしています。自身のことを「政治家に向いていない」と語る山田氏にはみんなの党の解党などについても語って頂きました。

「僕は政治家に向いていない」

--表現の自由を守る党のお話もお聞きしたいと思います。前回のインタビューで、「地方議員もありだ」というお話もされていましたが、例えば党としての公認とか推薦を出すとか、そういった今後の展開を現段階で考えていらっしゃるんでしょうか?

山田太郎氏(以下、山田):いや、今後どうしていくかは、ネットを含めて「どうしていったらいい?」って聞こうと思っているんです。政治団体として残していったほうがいいのか、その他なのか、それはもうちょっと考えなきゃと。ただ、29万という数字をもらっておいて、「はい、さようなら。知りません」というわけには、きっといかないんだろうなと思っているけれども、少なくとも自分が議員でもないのに、他の選挙の候補者に公認を出すというのは難しいですよね。そういう意味での表現の自由を守る党の政治勢力の維持や広げ方は、落選をして議員でなくなる以上は、まったく練り直さないといけないなと思っています。

--今の反省というところは、具体的にどうことになるんでしょうか?

山田:票を稼ぐとか、選挙そのもので票を出すっていうのは、ある意味で大成功している。だけど選挙制度に基づいて議員になるためには、それだけじゃダメなわけです。自ら党を作っちゃうぐらいだったら100万票が必要だったわけで、全然届かないわけですよ。それか、あくまでも政党政治という論点に立つのであれば、個人じゃなくて党を表に出さなければいかなかったし、あるいは既存のどこかの政党と、もっとちゃんと組むべきなのかとか、そういうことだって問われている。「大きな政党に入れ」という声もあります。
だから今後のアプローチは、単独でいくのか、どこかと組むのか、どこかの大きい政党に入るのか。それだって相手があることで、入れてくれなきゃしょうがない。実は声として一番多いのは、「自民党に行け」っていう声なんだけど、「じゃあ」って行ったから、表現の自由を守る活動ができるのかとか。それが気に入らない人もいるだろうし。「いやいや、政府がやろうとしていること阻止するなら、第一党の民進党に行くべきだ」とか。あんまり党っていうよりも、政権党の中に入ってやるべきだっていう話と、ある種のアンチなんだから、野党第一党に加わってやるべきだという話があって、それは双方とも「そのとおり」という考え方だと思うんですよ。さりとてそれも相手があるからね。選んでくれなきゃしょうがないけれども。

--山田先生が、これから政治家を続けるかどうかというところも含めて、今後どうなさるかというふうなことをお考えだと思いますが、皆さんが山田先生ほどの人を放っておくとも思えないんですよね。

山田:僕は政治家に向いてないと思うよね。この機に議員になれなければ、それはそれで一つの民意なんだから、正直「もう引退しようかな」と思っていたんですよ。それで最後の戦いと言っていたけど、複雑なとこに入っちゃっているね。つまりみんなは、「勝てていたじゃないか」という判断をしちゃっているわけです。確かに数字は、野党で一番数字を取っちゃった。で、過去の憲政史上の最多落選の第4位。これだけの民意があって、「ここまでお前が掘り起こしておいて、人に期待をさせておいて、『さようなら』っていうのは何だよ」っていうのも、「それはそうだよね」と。だから非常に複雑ですよね。
あとはゼロから、100万票作れる組織や党をつくるとか。参議院の比例でやる限りでは、選挙制度にのっとれてやると、選択肢はそういうものしかないんだろうね。「選挙制度がおかしい」とかいう意見も、今回すごく多くて。1票の格差とか言っているけど、「こっちのほうがよっぽど格差じゃないか」と。でも、しょうがないよね。それで僕はどちらかというと現実論者だから、そんなところまで遡って運動していると違う運動になっちゃうから(笑)。もっと急ぐことがあるので。それはそれで、そうかもしれないけど、選挙制度にのっとって、ちゃんと実績を取ろうと思えば、どこかと組むのか、どこかに入るのか、あるいは本当に腹を括って自分でやるのか。

--例えば参議院議員にこだわるのか、あるいは衆議院選挙への出馬を打診されたら受けるとか。そういうことは、そのタイミングになってみないとわからないことですよね。

山田:そこが、なんか僕は「政治家に向いてないな」と思っている。政治家に向いている人っていうのは、どんな手段を使っても議員になること、議員であることを維持する人なんですよ。だけど衆議院っていうのは、選挙制度が表現の自由のこの運動とまったくマッチしない。というのは、小選挙区だから「どうするんだ」みたいな。表現の自由を掲げて戦えないのよ。もちろんそれで、自分が票を取れるかどうかっていうのもわからないし。それでも政治家向きだったらやるんでしょうけど。でも僕は運動体として、これまで真面目にやってきている中で、衆議院でどうやって戦えばいいのか、テクニカル上さっぱりわからない。だって小選挙区でしょ、そこで1人しか通らない選挙をやるけど。もしそれで通ったとしても、惜敗になっても、今度は個人名じゃなくて党を選んでいる構造になるから、難しいよね。

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--これは、山田先生というよりも、「われわれが」っていう話なんですが、国会の外から表現の自由を守る活動として、一人ひとりがどのようなことをしていったらいいと思われますか?

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記者:

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: http://yaplog.jp/parsleymood/

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