外国人ジャーナリスト「福島原発の取材、『女性はダメ』受け入れがたい」
イタリア人ジャーナリストのピオ・デミリア氏は2011年11月8日、同じくイタリア人の写真家ピエルパネロ・ミッティカ氏と共に都内で出版記念イベントを開催した。東日本大震災の発生直後から被災地を取材しているデミリア氏はイベントのなかで、今月12日に予定されている細野豪志原発担当大臣の福島第1原発現地視察について、女性記者の同行が禁じられていることなどに疑問を呈し、政府による取材制限は「受け入れがたい」と語った。
デミリア氏はジャーナリストとして、日本外国特派員協会に名を連ねている。細野原発担当相は12日に福島第1原発の現地視察を予定しているが、敷地内への同行取材を認められているのは内閣記者会に加盟する19社と、福島県政記者クラブ7社、そして外国プレスの計36人に限定されている。これについては自由報道協会所属のフリー記者らがすべての報道陣に公開することを求め、細野原発担当相に「現地同行取材に関する申し入れ」を行っている。
デミリア氏は、出版記念イベントのなかでこの現地視察に触れ、
「日本政府が報道機関に対し、福島第1原発施設の内部を取材しても構わないという許可を初めて出した。しかしながら外国の報道機関はテレビだけと言われている。それに女性はダメとも言われており、これも到底受け入れることはできない」
と、外国人記者としての立場から政府による取材制限を批判。「それぞれの記者が選択をして、自分の責任において活動をすべきだと思っている」とし、
「情報の伝達という活動において政権側にある機関というものは情報を隠そうとする。隠されようとしている情報を暴き、真実を伝えることが我々の仕事だ」
と自らの立場を強調した。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「政府が初めて原発内部の取材を許可したが・・・」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv69725081?po=news&ref=news#50:16
(土井大輔)
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