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3年がかりのDIYで築45年の和室が完全なるヨーロッパスタイルに

3年がかりのDIYで築45年の和室が完全なるヨーロッパスタイルに

日本の賃貸物件は画一的で面白みがない。そんな思いから、じつに3年がかりで築40年超の賃貸アパートをセルフリノベーション。唯一無二の理想的な空間をつくり上げたKさん。古びた和室からヨーロッパの伝統を受け継いだコテージスタイルへ、妥協なきこだわりを詰め込んだカスタマイズ部屋を取材しました。

デザイナーズ物件住まいで抱いた不満がDIYへとかき立てた

千葉県松戸市のとある駅から徒歩約15分。一戸建てやマンションが並ぶなか、少し年季の入ったアパートがKさんのご自宅です。

2013年7月にここへ越してくるまでは、東京都内に住んでいたというKさん。それがなぜ、地縁もまったくなかったという松戸市に転居したのでしょうか。

「それまでデザイナーズマンションの部屋を転々としていたのですが、家賃も割高ですし、そもそも日本って同じようなデザインばっかりだなと思うようになったんです。もっと安くて満足度が高い部屋に住みたいという気持ちがふつふつと湧いてきました。でもいっこうに納得できる物件がなくて、それならボロボロの家でもいいから、自分でフルリノベしてしまおうと決心しました。そんなときに出会ったのが、この物件だったんです」(Kさん)

エリアにこだわらず、都心から1時間程度の場所でDIY可・ペット可の物件をネットで探していたところ、こちらの物件がヒット。不動産会社に、「何をやってもいい」と言われたことが決め手になったようです。【画像1】写真上:昭和の香りが漂う和室部屋(写真提供/MAD City) 写真下:同じ部屋とは思えないほどおしゃれな部屋に。壁や天井には、グレーがかった「ムーンシャイン」という色をチョイス。米国の塗料ブランド『ベンジャミンムーア』の3600色、さらにホワイトだけでも150色ある膨大な選択肢のなかから、“ひとめ惚れした”という一色を採用した(写真撮影/飯田照明) 【画像1】写真上:昭和の香りが漂う和室部屋(写真提供/MAD City) 写真下:同じ部屋とは思えないほどおしゃれな部屋に。壁や天井には、グレーがかった「ムーンシャイン」という色をチョイス。米国の塗料ブランド『ベンジャミンムーア』の3600色、さらにホワイトだけでも150色ある膨大な選択肢のなかから、“ひとめ惚れした”という一色を採用した(写真撮影/飯田照明)【画像2】写真上:築年数を感じさせるキッチン(写真提供/MAD City)写真下:19世紀ごろアメリカで発展したキリスト教団体「シェーカー」の住宅で取り入れられてきた「シェーカーズスタイル」を基調としたキッチン。シェーカーは装飾を排除した“シンプリシティ”を重んじていたことから、簡素で洗練されたデザインを生み出したんだそう。壁面には高めに切り出した木材の腰壁をホワイトにペイント(写真撮影/飯田照明) 【画像2】写真上:築年数を感じさせるキッチン(写真提供/MAD City)写真下:19世紀ごろアメリカで発展したキリスト教団体「シェーカー」の住宅で取り入れられてきた「シェーカーズスタイル」を基調としたキッチン。シェーカーは装飾を排除した“シンプリシティ”を重んじていたことから、簡素で洗練されたデザインを生み出したんだそう。壁面には高めに切り出した木材の腰壁をホワイトにペイント(写真撮影/飯田照明)【画像3】ブロンズをオイルにつけてこすった「オイルラブドブロンズ」と呼ばれる加工が施された、棚の取っ手(左)と蛇口(右)。金色がかったブロンズの下地を一度まっ黒なオイルを塗り重ねて、やすりで少し傷をつけているため、光の加減によって不思議な色味に変化する。こうした金具はすべて輸入している(写真撮影/飯田照明)

【画像3】ブロンズをオイルにつけてこすった「オイルラブドブロンズ」と呼ばれる加工が施された、棚の取っ手(左)と蛇口(右)。金色がかったブロンズの下地を一度まっ黒なオイルを塗り重ねて、やすりで少し傷をつけているため、光の加減によって不思議な色味に変化する。こうした金具はすべて輸入している(写真撮影/飯田照明)

本物のトラディショナルなデザインを忠実に再現したかった

物件を決めたときには、すでに漠然と部屋のデザインを思い描いていたというKさん。普段から『ELLE DECOR(エル・デコ)』などのインテリア雑誌を読んでいたことから、ヨーロピアンな住まいに惹かれていたとか。それもただの欧州テイストというだけでなく、「フランスの植民地で広まった住まい」と、かなり具体的なイメージをもっていたようです。住まいに対する、そこはかとないこだわりがうかがえます。

「居住空間は、フランス人が移民したルイジアナやベトナムなどで広まった『コテージスタイル』をイメージしています。日本の気候に似ている土地柄で培われてきたデザインを、忠実に再現したいと思ったんです。そのなかでも僕はフランスの文化をルーツにもつ黒人“クレオール”たちが確立した『クレオールコテージ』の再現を目指しました。普通、小さい家だとフローリングも幅を細くして、モールディング(壁面につける装飾的に加工した木材)も低い位置にするというのが基本ですけど、クレオールコテージの場合って小さい家に対してわざと、でっかい幅広のフローリングを使ったり、すごい高さにモールディングをつけたりするんです。空間自体を小さく、コンパクトに見せる逆のアプローチが面白いなと」

ちなみに、クレオールコテージはシンメトリーデザインの部屋がお約束。そのため、天井に梁がなく窓が対照的についているのも絶対に外せない条件だったそう。

ただ、「おしゃれ」とか「かっこいい」だけではなく、こうした歴史や文化を解釈してデザインを組み立てているのがKさんのスゴいところです。さらに、そのこだわりは部屋のつくり方にまでおよびます。

スタート時は工具を握るのは学生時代以来、「トンカチやのこぎりも使ったことがなかった」というレベルだったのにもかかわらず、すべての工程を一人でやり切ったといいます。

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