“イライラ上司”が損しているいくつかのこと
「お前、ヤル気あるのか!?」
「こんな簡単なことが分からないの?」
「使えない奴だな! もういいよ!!」
どんな職場にも、いつもイライラしている上司がいます。例えば、ことあるごとに部下を怒鳴る人や、新人をいじめて辞めさせる人、嫌味な物言いをする人……幾人かの管理職が目に浮かぶ人も多いんじゃないでしょうか。もちろん性格が“短気”な部分もあると思いますが、それにしたってそんなキツい言い方しなくても、と思うこともしばしばですよね。そんな彼らは、職場でのパワーゲームで優位に立てたり、面倒事を押し付けられないといったメリットを享受している代わりに、実はかなり多くの損をしています。
今回は、職場で怒る上司たちが抱えるデメリットをまとめてみました。
・重要な情報が伝えられなくなる
ミスを見つけるたびにギャーギャー怒鳴っているような上司に対して、部下が自分が抱える“大きな問題”を報告しづらくなるのは当然ですよね。現場で発生する問題の解決策は部下同士で話し合われ、時に“イライラ上司”以外の上司に相談されるなどして解決に向かうことになります。怒る上司は本質的な問題解決の機会に触れることができず、常に「全てはうまくいっている」という当たり障りのない情報だけが上がってくるようになります。
・部下を無能にする
「おい! なんでこんなミスをしたんだ!」と上司から大声で怒鳴られてうれしい部下がいるとすれば、余程の“M”でしょう。恫喝(どうかつ)することは、部下を萎縮させ、思考力や行動力を低下させます。いずれ部下たちは「上司に怒られないか否か」のみを基準に行動を選択するようになり、上司に対する提案を控えるようになります。上司の言うことを何でも聞くイエスマン化し、結果として部署全体のパフォーマンスが下がってしまうのです。
・本人の生涯賃金が下がる
2007年、パワーハラスメントによる自殺が、初めて労災と認められる判決が下されたことが話題になりました。それ以来、企業は裁判による企業イメージの低下や賠償金の支払いを防ぐために、パワハラに対しては強く対処する傾向があります。どれだけ仕事ができる社員であっても、パワハラの噂があれば出世が難しくなり、花形の部署から外されることもあります。つまり、そこで給与が頭打ちし、生涯賃金が下がる要因ともなるのです。
「部下を怒鳴ったらスッとするから」なんてストレスのはけ口にしているような上司には、もはや救いの道はありません。しかし、中には「俺って、ついイライラして部下にきつく当たっちゃうんだよな……」と悩んでいる管理職の方がいるかもしれません。もしあなたが、部下に怒ることを止めたいと思っているなら、怒鳴る前に上記のデメリットを思い出してみてください。もしかしたら、「こんな小さなことで怒っていられないよな」と気持ちが収まるかもしれませんよ。
昔のような高度経済成長期とは違い、今は部下の思考力・行動力を阻害せず、可能性を伸ばしていかなければ会社も生き残れない、厳しい時代なのです。上司が部下に対して何ができるのか、考えてみてはいかがでしょうか。
著者ブログ:http://d.hatena.ne.jp/shanaineet/
写真は足成より:http://www.ashinari.com/
※この記事はガジェ通ウェブライターの「増田不三雄」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
サラリーマンとして働きながら、職場のトレンドや問題を追いかけています。
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