タイムは最下位だったけどあえて考える「リーフがジムカーナで速い理由」
▲エコだけが取りえじゃない! 走りだってすごかった― EV(電気自動車)の代表格、日産 リーフで行われたジムカーナイベントに参加してまいりました
リーフでジムカーナをやっちゃいました
某日に行われた、日産自動車主催のジムカーナ大会。ジムカーナといえば、急加速・減速を繰り返し、タイトなコーナーで構成されたコースを回るのが特徴です。ジムカーナは1周がおおむね45秒~1分半程度と短めで、モータースポーツ入門に最適とささやかれております。
ただし、今回は車両に特徴が。なんとEV(電気自動車)の日産 リーフを使い、我々自動車メディアの編集部員やモータージャーナリストの方々がタイムを競いあったのです。
最初に結果を申し上げますと、全チーム中最下位(!)。ええ、死ぬほど遅かったのです。同行した先輩に「スーパーの駐車場で走っている車みたいだった」と言われるほどのチキン走行を披露した筆者ですが、そんな中にも発見が……。
ヘボドライバーでもわかった「リーフがノートより速い理由」
今回のイベントの流れは、
1.ノートで練習走行2本
2.リーフで練習走行2本
3.リーフで本番2本(のうち速い方のタイムを採用)
……といったかたち。
日産車の中では比較的サイズが近いこの2台ですが、筆者が走ったところリーフの方が3秒ほど速いのです。たかが3秒と侮るなかれ、今回のコースは速い人で50秒台前半という短さ。そのうちの3秒ですから大きな差といえるのではないでしょうか。
ここで、「そりゃ慣れもあるからあとで走ったリーフの方が速いだろう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしそこは最下位タイムをたたき出した筆者の腕、速くなると思ったら大間違いです。実際、リーフでの本番走行も1回目より2回目の方が速い……なんてことはなく、同じ1分2秒台という情けないタイムでした。
とすると、なぜリーフは速かったのでしょうか。2台の違いでまず目につくのはリーフの方が約400kgも重いウエイトですが、これはリーフが速い理由というよりむしろ逆。
イベントを主催した日産自動車や講師の方の話を総合すると、速さの秘密はトルクの大きさと出方。ノートに比べリーフの方が11.4kgf・mも最大トルクが大きく、加えてほぼ0回転からいきなり最大トルクを発生することができます。
誤解なきよう申し上げておくと、ノートはいわゆるダウンサイジングターボに分類されるエンジンを搭載するため、低回転でも比較的トルクのあるエンジンです。しかし、さすがにリーフに対しては若干ビハインドが。ジムカーナは今回を含めその多くがドカンと減速してドカンと加速する低速メインのコースですから、リーフの「低回転から大トルク」というのは如実に効果があるのです。
加速だけじゃない、コーナリングも特徴的なリーフ
速さに直接つながっているのかはわかりませんが、コーナーでの動きにも発見がありました。それは「コーナーの外に飛び出しそうで飛び出さない」。ガソリン車に慣れた自分の感覚ではコーナーの外側へ飛び出しそう(つまりオーバースピード)なのに不思議と曲がれてしまうのです。
この感覚を説明するカギは重心の位置。リーフは最も重い物体(=バッテリー)が車体中央の床下にあるのです。
重いものはなるべく中央にあった方が速いスピードでコーナーを通過できるので、普段筆者が運転するガソリン車、車体前方に重量物(=エンジン)がある車とはコーナリングの感覚が異なるのでしょう。
ガソリン車では飽き足らない、ならばリーフを
今回筆者が体験したリーフの走りの特徴は、どれもEVならではのもの。ガソリン車とは異なるEVの走りを手軽に味わうにはリーフはぴったりです。2016年6月時点で総額100万円以下から手が届き、かつ大人5人が乗れる中古EVはリーフだけですからね。
充電設備も全国で約23000基が設置されており、充電事情も都市部を中心に、デビュー当時より劇的に改善されています。普段はちょっとした買い物や通勤に、週末はスポーツ走行になんて使い方も意外にアリ、なのではないでしょうか。
▲コンパクトカーのノートで行った2回の練習走行。使われたのは1.2L+スーパーチャージャー仕様、X DIG-Sというグレードで、最高出力98PS/5600rpm、最大トルク14.5kgf・m/4400というスペック。今回は燃費は関係ありませんが、JC08モードで26.2km/Lという街乗りでの使い勝手に優れた実用的なエンジンです
▲本番走行1本目のタイム。Nr 1とあるのはこの時点で1位だったということ。それもそのはず、走った順番が最初だったのです。この後2本目でわずかにタイムを縮めるものの、もはやスズメの涙。みなさんご存じのとおり無残な結果に……
【関連リンク】
ジムカーナでも楽しめる(?)日産 リーフの中古車をみてみるtext/編集部
photo/尾形和美
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