古川元久経済財政・国家戦略大臣会見がフリーにも開放。しかし参加者は自分一人でした。

10月21日の定例会見より、古川元久経済財政・国家戦略大臣の会見が、新聞・TV・雑誌の記者や、日本インターネット協会会員社などに加え、新たにこれらのメディアや、「発行する媒体の目的、内容、実績等に照らし、それらのいずれかに準ずると認めうる者」、そして「媒体に定期的に記事等を提供するフリーランス」も参加手続きの後に出席が可能になりました。*1
これで、内閣府の細野豪志・平野達男・蓮舫各大臣の会見と同じ基準になったことになります。

*1 古川大臣の定例記者会見について(内閣府HP)
http://www.cao.go.jp/minister/info/1110furukawa_open.html[サイト]

古川大臣が管轄する国家戦略室は民主党政権の目玉政策の一つ。10月21日の会議でも、野田佳彦首相が「国家戦略会議」の10月中の開催を決定。藤村修官房長官とともに、古川大臣は同会議の副議長という要職に就きます。
今後の税財政の骨子や経済運営の基本方針等、国家の内外にわたる重要政策の推進する場の、実質的なナンバー2になります。
また、この会議の開催にともない、18の会議が廃止されることになりました。その中には、「緊急雇用対策本部」や「自殺対策関係省庁連絡会議」「地方分権推進連絡会議」などが含まれます。これらの問題はまだまだ未解決の課題ばかり。ほんとうに国家戦略会議に集約・廃止していいのだろうか、と思ってしまいます。

その点、古川大臣に質問したところ、次のような要旨の答弁が返ってきました。

雇用に関しては非常に重要な事項。社会保障改革とともに今後とも取り組んでいく。「自殺対策関係省庁連絡会議」「地方分権推進連絡会議」は、もともと自公政権下に立ち上がったもので、形だけ残って開催されていないものだった。それぞれ「自殺統合対策会議」や「地域主権戦略会議」で議論していく。

ところで、今回の大臣会見で、フリーランスで参加したのは、筆者ひとりのみに留まりました。重要閣僚のひとりである大臣の会見にも関わらず、です。

ネット上では10月20日の自由報道協会主催の小沢一郎元代表記者会見での読売新聞記者がルール破りをしたとして、フリージャーナリストが詰め寄る模様が注目されています。また、政府・東電合同記者会見の出席基準を巡って、園田康博政務官との協議に多くのフリーランスが参加し、会見の出席緩和を求めています。
しかし、実際に政府の政策についての疑問点・不明点を質し、それを各メディアで情報発信するという、本来の記者・ジャーナリストの役割を果たしている人は減っているのが現状です。
会見のルールについてのいさかいを話題にしている現状が、果たして「ジャーナリズム」に基づく行為をしているのか。国民の知る権利の拡大のためになっているのか、もう一度よく考える必要があるのではないでしょうか。

※この記事はガジェ通ウェブライターの「ふじいりょう」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体に記事を提供している。

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