ビルの屋上に田んぼ! 銀座で生まれた日本酒を飲んできた

access_time create
天空2

21日、東京・銀座にある白鶴酒造の東京支社で『白鶴銀座 天空農園の酒 発売記念利き酒会』が開催。縁あって参加する機会を得たので、「これ幸い」とばかりに味わってきた。

天空農園って?

同社では、2007年に東京支社ビルの屋上で、酒樽やプランターを利用した酒米の生産を開始し、手探りながらも15キロのモミを収穫した。

天空3

翌2008年には、本格的な田んぼを造成。

天空4

2009年からは、近隣の小学生を招いての田植や稲刈りが行われている。

天空5 天空6

農園長の小田朝水さんによると、「毎年、1人や2人は(田んぼに入るのを)嫌がる子がいて、泣く泣く入る。そういう子に限って、(感触が気に入ったらしく)終わったのに出てこない」なんてことがあるそうだ。

10年目となる今年も6月初旬に田植を予定しているが、その前に痩せてきた土を入れ替える予定。屋上に上がったところ、田んぼの土は一部を残すのみ(全部入れ替えはしない)となっていた。

天空8

同時に自治体などの依頼を受けて、お茶や野菜なども育てている。

天空9 天空10

2011年に醸造を開始したが…

お酒の生産に関しては、2008年2月に免許が交付されたため試験醸造を開始。2011年には米穀検査を受け、本格的な醸造が始まった。

天空7

ただし2011年に醸造したお酒は、「バランスが悪い」と本社からの指示で販売中止に。しかし2012年には吟醸酒、2013年からは大吟醸の販売が行われている。

100%屋上で収穫された米だけで作るので大量に醸造できないものの、今後も方針を変える予定はないそうだ。

その味は?

さてお酒はこちら。

天空1

よくある試飲会では、お代わりも可能だが、今回は1人につき、この1杯のみ。

酒色は無色透明。鼻を近づけると、大吟醸らしいフルーティーな香り。少し口に含んだところ、鼻へと通る良い香りはそのままに、意外な強さあった。

事前に見た資料では、成分分析値として日本酒度が+5.6(酸度は1.1、アミノ酸度は1.3)とあったため、「辛口だろうなあ」と思っていたが、それ以上に感じられた。

テーブルには、同社の大吟醸『白鶴錦』と、純米酒『山田錦』も用意。

この2つと飲み比べたところ、香りや味わいの強さでは『天空農園の酒』がリード。一方でキレの良さでは『山田錦』に軍配を上げたい。もっとも素人判断なので、皆さんも実際に味わってみて欲しい。

ちなみに価格は600mlで1万800円!

「するとあの1杯はいくらになるんだろう」と俗な考えが浮かんでしまう。

三越銀座店と松屋銀座店で、専用箱に入って限定33本の販売中。「いちま…、そりゃあ、無理!」と思うかもしれないが、「それでも飲みたい!」と思った人は早めにどうぞ。

白鶴酒造ホームページ
http://www.hakutsuru.co.jp/

※写真は全て著者撮影

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: keisen) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

  1. HOME
  2. グルメ
  3. ビルの屋上に田んぼ! 銀座で生まれた日本酒を飲んできた
access_time create
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。