キリン『一番搾り』がまさかの全都道府県を網羅! 『47都道府県の一番搾り』研究会レポート
キリンビールは5月10日に、全国47都道府県ごとに味の違いや個性を楽しめる、特別な『一番搾り』を発売します。この『47都道府県の一番搾り』は、地元の風土や気質、食文化をビールに反映させ、地元の人々の協力によって作られる期間限定のビールなのだそうです。
そして今回はなんと! 秋葉原のガジェット通信オフィスでキリンビールさんの協力の下、スタッフ達が10種類の異なる『一番搾り』を飲み比べるという『47都道府県の一番搾り研究会 第1回』が開催されたので、その模様を大紹介いたします!
さらに今回の研究会は完成したばかりのガジェット通信フロアにて行われたので、普段はなかなか紹介する機会がない会場の様子も併せてお伝えいたします!
『47都道府県の一番搾り研究会』の概要
それではまず、今回の『47都道府県の一番搾り研究会』の概要について説明しましょう。今回は47都道府県の中から厳選された10都府県の『一番搾り』を研究していきます。
会場にずらっと並ぶ試飲コップ。スタッフ全員が全10種類全ての『一番搾り』を飲み比べることができるという寸法です。ちなみに、研究会は平日昼間の14時から開始されました。
ガジェット通信スタッフ、もとい“一番搾り研究生”の数は12人。今回我々研究生たちを指導してくれるのは『一番搾り』研究家のwosa主任研究員です。普段はウサギになったり白塗りスキンヘッドになったりと大忙しなwosa記者ですが、今回は至って真剣な様子。
それもそのはず、この“研究会”ではかなり真面目に『一番搾り』を“研究”することを主眼としています。研究方法としては、事前に用意されたシートに各都府県の『一番搾り』の様々な情報を記入してく、というかなりアカデミックなスタイルです。評価項目は「味」「色」「味の強さ」「後味」「苦味」など多岐にわたり、いかにこの研究会が真面目なものかを物語っています。
普段からレビューなどを通じてお酒、特にビールへの造詣が深い記者も多いガジェット通信編集部ですが、果たしてどのような研究結果が発表されるのでしょうか?
その前に少し、そもそも『47都道府県の一番搾り』とは何なのかをご紹介しましょう。
『47都道府県の一番搾り』とは?
皆さんおなじみ『キリン一番搾り』。今回新発表された『47都道府県の一番搾り』のベースとなった、いわばオリジナルです。誰でも飲みやすい、完成された日本のビールですね。
そして、新しく発売される『47都道府県の一番搾り』の『広島づくり』は、今までの『一番搾り』とは全く異なる深い赤みを帯びた液色を確認できるかと思います。
「地元の誇りをおいしさに変えて」のキャチフレーズからも分かるように、『一番搾り』をそれぞれの県の特徴に合わせて新たに開発した『一番搾り』となっているのです。
山形を例にしてみましょう。「山形の人は、手間を惜しまない。何事にも、ひたむきですから」とのこと。「真面目で嘘をつかない働き者気質」「地元愛」「紅花」などが山形の誇りとして着目され、ビールのコンセプトはなんと「シャイなおらだが集まった!いろんなごっつぉ集まった! 真面目に搾った紅花色の一番搾りで、じっくり仲良くなってくべ!」と、強烈な地元愛を感じるものとなっています。
しかし驚くべきことは、このコンセプトに忠実に沿ったビールを本当に作っている、ということです。『山形づくり』では働き者な山形人をイメージして“低温麦汁濾過製法”を採用し、山形の誇り「紅花」を液色で表現しているとのこと。このような各都道府県のコンセプトを、製法や色でしっかりと『一番搾り』に反映させているのだから驚きです。47種類全く異なる『一番搾り』を作るという、途方もない努力がなされているという訳なんですね。
そして今後5月から10月にかけて、各都道府県の『一番搾り』が順次発売されます。第一弾は北から「北海道」「宮城」「茨城」「神奈川」「愛知」「滋賀」「兵庫」「岡山」「福岡」の『一番搾り』が5月10日に発売予定です。さらに販売は基本的にそれぞれの都道府県のみとのことなので、基本的にそれぞれの都道府県に行かないと地元の『一番搾り』は飲めないそうです。
10種類の説明
お待たせしました、それでは早速今回の研究会でお目見えした10種類の『一番搾り』を、南から順番に見ていきましょう! さらに、研究生達の一言コメントも添えてご紹介します。
まずは日本最南、沖縄です。
コンセプトは「どこでも誰でもいちゃりばちょーでー、てぃーだのもと、上等ビール一番搾り。」。暑い南国のビールはサラッとすっきりしていることが多いですが、この『沖縄づくり』もまさにそのイメージ通り、爽やかなテイストが印象的です。これならうだるような暑さのビーパ(ビーチパーティー)にもピッタリかも知れません。液色はてぃーだ(太陽)をイメージした色なのだとか!
「全体的にパンチが控えめな感じが沖縄っぽい。量を飲めそう。ゆったりしている」(30代男性・東北出身)
「フルーティーな酸味。夏に外で飲みたい。量をたくさん飲めそう」(20代女性・関東出身)
お次は鹿児島。
コンセプトは「いっでんどこでんだいとでん、南北600キロの多様な風土が育んだ“甘辛い大皿料理”を囲んで、おいもわいも“よか晩なぁ~”と感じる一番搾り。」。鹿児島というと焼酎の印象が強く、人々もお酒に強いイメージがありますが、『鹿児島づくり』は力強い味わいとすっきりとした後味のうまみが続くとのことです。
「夏の始まりを感じる」(30代男性・東北出身)
「深い味わい。体になじむ味」(40代男性・九州出身)
次はいよいよ本州に入り、山口。
コンセプトは「維新の志を持ち、熱く語りながら、地元の『ぶちうまい』を楽しむ一番搾り。」。「ぶちうまい」料理をもっと楽しめるよう、素材を活かし香りは穏やかな柑橘系になっているとのこと。地元料理の特徴も加味してビールが作られているというのは、地元の人にとっては本当にありがたいことですね。
「甘い香りだが、すっきりした苦味が後味に残る」(40代男性・関東出身)
「爽やかな香りからは想像のつかないしっかり感。やわらかな後味」(20代女性・中部出身)
そしてお隣の広島。
コンセプトは「仲間が集まり、真っ赤に燃えて、がんばる広島を応援できる一番搾り。」。冒頭でも説明したように、真っ赤な色が非常に特徴的で正にカープ愛ここに極まれり、といった趣です。見た目は濃厚ですが、ごくごくと飲めるようなすっきりとしたうまさに仕上がっているとのこと。ソース文化で甘口を好む県民性をも意識して、ほんのりとした甘味をカラメル麦芽で表現しているというこだわりよう。
「苦味があり、大人向けの味」(20代男性・関東出身)
「大阪ほど強くなく、山口・鳥取ほど弱くもない。けど個性がある」(30代男性・東北出身)
鳥取も非常に特徴的な『一番搾り』となっています。
コンセプトは「“じげのもん(仲間)”と“じげのもん(肴)”で、だらず話をだらぁ~っとしながら、しまいもうまい一番搾り。」。東京生まれ東京育ちの筆者にとってはなんのこっちゃという感じですが、ダジャレ好きの鳥取県民の気質を意識し、“ダブルデコクション製法”で麦の濃さをしっかり表現しているとのこと。鳥取県産麦芽も一部使用されています。
「ビール好きの人に飲んで欲しい味」(30代男性・九州出身)
「香りがとても華やか。一番好きかも~」(40代男性・九州出身)
そしてお待たせしました、大阪です。
コンセプトは「ぶっちぎり、うまくておもろい一番搾り。」。もしかしたらこの『大阪づくり』は、大阪人と同じように最も強烈な個性を持った『一番搾り』の一つかも知れません。大阪人はオリジナリティにこだわりを持つということで、「おもしろみのあるホップ」(ブラボーホップ)を使用し独特な香りを表現、そして通常の『一番搾り』より多くの麦芽を使ってお得感(実利主義)を上乗せしているとのこと。実際、『大阪づくり』のみ唯一アルコール度数が6.0となっております。これはお得。
「これは明らかに濃い! キレの高いアルコール度と麦の濃さ。パンチ力」(30代男性・中部出身)
「贅沢な作りというだけあって、色々濃い印象」(40代男性・関東出身)
だんだん北上していきますよ、次は岐阜です。
コンセプトは「みんなでだんらん、気分爛漫、木の香そよぐ、ぎふ一番搾り。」。岐阜はイメージカラーが緑ということで、ビールの色もなんとなく緑っぽい感じです。岐阜の濃い料理を引き立てるよう雑味を抑え、すっきりとした味わいを実現。木の香りを連想させるホップも使われているのだとか。
「甘苦い。一番搾りの濃い目のような感じ」(30代男性・東北出身)
「柔らかくすっきりとした味わい。森の中に風が抜けるような爽やかさ」(20代女性・中部出身)
そして我らが東京です。
コンセプトは「夢を持って集まった人を、一歩踏み出す気分にさせる、世界に誇れるTOKYO一番搾り。」。もうここまで来ると他の『一番搾り』と違いなんてあるのか、と思われるかもしれませんが、これもまた全然違う味わいなので本当に驚きです。芳醇さと軽やかなハーブの香りを両立させ、軽やかにうまみを楽しめるよう作られたとのこと。バランスが取れていそうです。
「旨味が強い。マイルドだけど、口の中にずっと味が残る感じがする」(20代女性・関東出身)
「後味が甘く感じる印象でした」(20代男性・関東出身)
北陸からは新潟が登場。
コンセプトは「今日も頑張った仲間とのねぎらい ご褒美の一番搾り。~もじけねで、きなっせー!~」。一杯でも満足できる豊穣な飲みごたえと“淡麗辛口”のような締まった後ギレにこだわったそうで、お酒好きが好みそうな雰囲気があります。
「のどごしが非常に強く、食事の味に負けないので、食事のお供に良い」(30代男性・東北出身)
「後味と苦味が楽しい!満足できる飲みごたえ」(30代男性・中部出身)
最後は東北、山形です。
コンセプトは「シャイなおらだが集まった!いろんなごっつぉ集まった!真面目に搾った紅花色の一番搾りで、じっくり仲良くなってくべ!」。先に紹介したように、『山形づくり』もかなり赤みを帯びています。そして丁寧でスッキリした味わいは、女性にも人気が出そうな感じです。
「飲みやすい。割りとあっさり目。女性が好きそう」(30代男性・東北出身)
「酸味強め。すっきり。丁寧できれいな味わい」(20代女性・中部出身)
緑っぽい岐阜とカープ色で染まった広島を比べてみると、色が違いは歴然としています。
スタッフ達の研究風景
空きっ腹でビールを飲むと酔いも早い、ということでおつまみも準備万端。万全の態勢で『一番搾り』研究に臨みます。今回はコロッケやメンチカツ・唐揚げなどの揚げ物を多めに用意しました。
照明に『一番搾り』を照らし、色を確認するwosa主任研究員。色のチェックも重要な研究ポイントです。
何やら独自の観察方法で『一番搾り』の比較をするwosa主任研究員。研ぎ澄まされたビール審美眼で、あらゆる特性を見出しているようです。
そしてwosa主任研究員のシートには、おびただしい量の情報が記されてました。しかし、それだけそれぞれの『一番搾り』が違うということです。
もちろん、他の研究生も至って真面目に研究中。ガジェット通信発行人のふかみんも、真剣に研究結果をまとめています。
オススメの飲み方は、ぐいっとのどを使った飲み方なのだとか。コップのサイズがちょうどいい塩梅なので、若い研究生は一気飲みののど越しを研究。
最後には研究生達の「研究報告」と称して、それぞれ気になった『一番搾り』を発表。
1番のお気に入りは意見が割れる結果となりました。東京が一つ頭抜けた人気を集める一方、山形や岐阜、新潟や鹿児島など意外と皆バラバラな“推し一番搾り”があるということが判明。また、それぞれの出身地によって大きく好みが別れることも判明しました。
例えば、鹿児島は「沖縄ほどアッサリもしていなく、ビールが苦手な人には丁度いい」と言った意見や、「米どころだからか新潟は日本酒っぽく感じる」と言った感想もありました。
一通り研究成果を発表した後、第1回『47都道府県の一番搾り』研究会は無事閉会しました。スタッフ達はその後、なんと各々の仕事に戻っていったとか……。
新しく発売される『47都道府県の一番搾り』。気になった方は是非、地元の『一番搾り』を試してみてはいかがでしょうか?
47都道府県の一番搾り 地域限定発売!地元うまれの一番搾り
http://www.kirin.co.jp/products/beer/ichiban/ji/is_47/
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