自己紹介で相手に好印象を残すには?上手く伝える6つのワザ
3~4月は新たな出会いの時期。
先輩や同僚から担当顧客を引き継いだリ、別の部署に異動したりと、初対面の人と顔を合わせて関係構築のスタートを切る時期です。
さて、皆さんは初対面の人に会ったとき、どのように「自己紹介」をしますか? せっかくなら、相手の印象に残りたいし、自分に興味を持ってもらいたいものです。
そこで、日々、さまざまなビジネスパーソンの転職相談に応じているキャリアアドバイザーに取材。相談者からの「自己紹介」を聞きアドバイスを行う立場である彼らに、どんな自己紹介をする人が印象に残るか、思わず惹きつけられるかを聞きました。浮かび上がってきた「上手い自己紹介」のポイントをご紹介します。
経歴は時系列で説明せず、「思い」にフォーカスする
「自己紹介をしてください」と言われたとき、自分の経歴を時系列で延々と話す人は少なくないようです。聞いている側としては「理解」はできるものの、よほど珍しい経歴でないかぎりは、「強く興味を引かれる」というまでには至りにくいようです。
「これまで経験してきたあれやこれやをただ並べ立てるよりも、1つ2つの経験にフォーカスして『そのとき、ぼくはこう感じたんです』『この出来事を機に、私はこう変わったんです』『それ以来、こういうことにこだわっています』といったことを、エピソードを交えて語る人のほうが魅力的に感じられますね。一言でいえば『生きざま』を伝えるということです」
「思い」や「価値観」を語ることで、聴く側には「共感」も生まれやすく、「この人と深く付き合ってみたい」と思われるかもしれません。
抽象表現は使わず、相手が「映像」を描けるようにする
「自己紹介時間として与えられる時間はわずか数分。限られた時間の中で端的に説明しようとして、抽象的な表現になってしまう人が多いですね。
抽象表現にならないようにするには 聴く側の頭に『映像』が浮かぶような話し方をするといいでしょう、例えば、『趣味は登山です』と言うより、『年に1度は富士山の頂上でご来光を拝んでいます』と言うほうが、相手は瞬時にその人の姿を映像として浮かべやすいですよね。そのイメージは相手の記憶に長くとどまるでしょう。ある人の著書にも書かれていましたが、名作と言われる小説は『書き出し』が印象的。『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』なども、1行目にして情景が浮かびます。このように、自分の過去や普段の姿を映像でイメージさせるような話し方をすると、相手にインパクトを与えられ、印象に残りやすくなると思います」
仕事上の強みを話すにも、「お客様と信頼関係を築くのが得意です」と言うより、「週1回は取引先の人と皇居ランに行きます」などと言ったほうが、「お客さんと仲がいいんだな」というイメージが伝わりやすそうです。
自分に「キャッチコピー」を付ける
CM制作のプロのように凝ったキャッチコピーは難しくても、何らかの「キーワード」と一緒に自分を印象付けるのも有効です。
「『○○が得意な鈴木です』『△△をやらせたら誰にも負けない佐藤です』など、何らかのキーワードを添えて自己紹介をするといいでしょう。いずれどこかで○○、△△のニーズが生じた場合、『そういえばあの人』と思い出してもらいやすく、自分の『ブランド化』につながります」
「ギャップの魅力」を演出する
特定のイメージがついている人に、それとは異なる意外な一面を発見したとき、その人の存在感はより強いものになることがあります。
例えば、ドラマで悪役ばかり演じているコワモテの役者さんが、バラエティでは気弱で優しい一面を見せたりすると、その意外なギャップが魅力に感じられるものです。
「豪快そうな人物に見えるのに意外と繊細だったり、クールな雰囲気の人なのに笑うと意外に可愛らしかったりと、『ギャップ』を感じさせる人は人を惹きつけやすい。自己紹介でも、それを意図的に演出してみてはいかがでしょうか」
自分が抱かれやすい第一印象からかけ離れている趣味や特技、仕事上のエピソードを話すのも手。あるいは、ストレートに「私は○○のように見られがちなんですが、実は××なんです」と言ってしまってもいいでしょう。「おもしろい人だな。もっと深く知りたい」と思われるきっかけになるかもしれません。
「第三者からどう見られているか」を話す
「『私はこういう人物です』と自分で言うよりも、『私は人からこんなふうに言われることが多いです』という伝え方をするのもいいでしょう。客観的視点で評価することで、相手が納得しやすくなります」
「未来」に向けた一言を添える
「自己紹介をするとき、これまでの自分のことだけを話して終える人が多いのですが、中には『未来に向けた一言』を発して話を終える人もいます。これから目指す目標、将来なりたい姿、実現したいことなど。前向きな意欲を見せることは、やはり好印象につながります」
――以上、シチュエーションや相手に応じて、こうした自己紹介のワザを使い分けてみてください。
自分を演出することは、少し気恥ずかしいかもしれませんが、最初の印象でその後の人間関係は大きく変わってくることもあります。初対面から相手の心をがっちりとつかみ、関係をいい方向へ発展させていきましょう。
WRITING:青木典子
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