【ビジネスパーソン必見】1日25分の瞑想がもたらす5つの効果とその実践法
近年アメリカでは瞑想が精神・身体にもたらす健康効果が注目を集めています。
Apple社の前CEOであるスティーブ・ジョブス氏も瞑想によってさまざまなインスピレーションを受けてビジネスにおける重大な決断を下してきたことから、多くの世界的企業のCEOたちも瞑想を日課としています。
われわれ日本人が”瞑想”と聞くと「山奥のお寺で住職たちに肩を叩かれながら精神力を鍛える修行」というイメージがあるかもしれません。しかしアメリカではむしろリラクゼーション用のエクササイズという見方が強く、大学などの研究機関で瞑想が人体に及ぼす効果が科学的に証明されています。
今回はそんな瞑想がもたらす5つの効果をご紹介しましょう。
【効果1】ストレス解消効果
瞑想がもたらす健康効果のなかでもっとも研究が進んでいるのがストレス解消効果です。マサチューセッツ大学などが中心となって行った研究によれば、2週間の瞑想プログラムを実践した人は、そうではない人に比べてストレスが36%軽減されたという結果がでています。
Reduced Psychological Distress in Racial and Ethnic Minority Students Practicing the Transcendental Meditation Program (Journal of Instructional Psychology, Vol. 38, No. 2, pages 109–116, June 2011, published November 2011)
また、米カーネギーメロン大学が2014年に発表した研究結果によれば、1日25分の瞑想を3日連続で続けた被験者は、そうでない人に比べて”ストレスホルモン”とも呼ばれるコルチゾールが減少したという報告がでています。
PRESS RELEASE: ONLY 25 MINUTES OF MINDFULNESS MEDITATION ALLEVIATES STRESS, ACCORDING TO CARNEGIE MELLON RESEARCHERS
(http://www.cmu.edu/news/stories/archives/2014/july/july2_mindfulnessmeditation.html)
さらに被験者たちのアンケート結果を比べてみると、瞑想を実践したグループは「実験前に比べてストレスが軽減した」と回答した割合が多く、瞑想によるストレス解消効果はホルモンレベルのみならず、実感として得られるということもわかっています。
1日に25分でも充分な効果が期待できるため、忙しいビジネスパーソンでも朝目覚めるとともに実践するなどして、簡単に日常のストレスを解消することができるでしょう。
【効果2】集中力アップ
ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学が合同で実施した研究によれば、瞑想を8週間以上続けている人は、集中力を高める効果があるアルファ波が多く出ているということがわかっています。
The benefits of meditation
(http://news.mit.edu/2011/meditation-0505)
アルファ波が増えると無駄な情報や妨害をうまく遮断できるようになり、物事に集中できるといわれています。
またアメリカ心理学会の発表によれば、日常的に瞑想をしている人はひとつのことに没頭しやすくなり、いわゆる”ゾーン”( 極限まで集中した際にハイパフォーマンスを発揮する状態)に入りやすいという報告があります。
What are the benefits of mindfulness
(http://www.apa.org/monitor/2012/07-08/ce-corner.aspx)
日々多くのタスクを抱え、社内外からひっきりなしに連絡がくるビジネスマンにとって、ひとつのタスクに集中し、ハイパフォーマンスを発揮することはなかなか難しいでしょう。瞑想することにより、てんやわんやな状態から脱却し、何を求められているか、どうしたらうまくいくかがクリアになってくるかもしれません。
【効果3】創造力豊かになる
瞑想には人間の創造力を向上する効果もあることが報告されています。オランダのライデン大学が実施した研究では、被験者たちに25分間瞑想をしてもらったあとに、Alternate Uses Taskメソッドという創造力を指数化するテストを受けてもらいました。
Alternative Uses Taskメソッドとは、ある物の本来の用途とは違う使い道をいくつ考えられるかというテストです。たとえば被験者はエンピツを渡され、「”何かを書く”というエンピツ本来の用途以外にどんな使い道があるか」を思いつく限り書き記していきます。
結果、瞑想をした人々はより多くのアイディアを思いつくことができました。また被験者の中には瞑想を日常的に行っている人と未経験者がいましたが、どちらも創造力がアップしたという結果がでています。
Meditate to create: the impact of focused-attention and open-monitoring training on convergent and divergent thinking
(http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fpsyg.2012.00116/full)
【効果4】ダイエット効果
主に脳内に影響を及ぼすとされる瞑想ですが、その結果として食欲を抑え、ダイエット効果も期待できることが報告されています。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校が47人の肥満女性を対象に行った実験によると、1日に30分間瞑想を行ったグループは体重が減ったのに対し、そうでないグループはむしろ体重が増えたという結果がでています。また、体重が減ったグループのほうがコルチゾール値が減少しました。
Stress Reduction and Mindful Eating Curb Weight Gain Among Overweight Women
(https://www.ucsf.edu/news/2011/12/11091/stress-reduction-and-mindful-eating-curb-weight-gain-among-overweight-women)
これは瞑想によるストレスの軽減から、いわゆる「やけ食い」が少なくなった、あるいは、これまで食欲を満たすことでストレス解消しようとしていたクセを矯正したことで得られた効果だといえそうです。
【効果5】社交的になる
テキサス大学のラッセル・レイター教授のチームが実施した研究によると、瞑想をすることにより3つの大きな変化が脳に表れることが報告されています。
1.感情の浮き沈みを抑えるセロトニンの分泌量が増加
2.集中力、思考力など脳機能を全体的に向上させ、幸福感を与えるエンドルフィンの分泌
3.前向きな気分になり、情緒を安定させる脳の灰白質が増える
上記3つの変化の結果、瞑想によって人はもっと社交的になるといわれています。
Improve your social skills by meditating
(http://www.brainwave-research-institute.com/improve-your-social-skills-by-meditating.html)
さらにスタンフォード大学が社交不安障害を持つ人を対象に行った実験の結果、瞑想のトレーニングを2ヶ月間受けることによって被験者たちが自分のことをよりポジティブにとらえるようになったという報告があります。
またポジティブな形容詞とネガティブな形容詞に対する被験者の反応をMRIで調べたところ、瞑想前に比べて”admired (尊敬)”などのポジティブな形容詞により大きな反応を示すようになりました。
More than just relaxing, meditation helps improve self-image of anxiety sufferers
(http://news.stanford.edu/news/2009/june3/meditate-060309.html)
毎日さまざまな人々と会って辟易としているビジネスマンにとっては嬉しい報告ですね。
瞑想のやり方 5つのステップ
ここまで瞑想がもたらす効果について説明しましたが、それでは実際にどのように瞑想をしたらいいかを5つのステップに分けてご紹介します。
【ステップ1】リラックスできる環境で行う
まずは自分がリラックスできる環境を作ります。時間があまりない方は自宅、もし余裕があるのであれば公園など自然に触れられるところを選びましょう。
服装も特に決まりはありませんが、自分にとって一番ラクな服で行ってください。もし心がざわついていたり、身体がなまっているようでしたらストレッチをして身体の準備を整えるのも効果的です。
【ステップ2】時間を決める
瞑想は長い時間行えばいいというものではありません。一般的には20分から30分程度が適当だと言われていますが、はじめて瞑想をするという方は5分でも十分です。
長さを決めたら、毎日同じ時間に行うという習慣を作りましょう。例えば朝会社にいく前や就寝前など、無理のない時間帯に行うのがベストです。
【ステップ3】自分が心地よい座り方で行う
座るのは床でも椅子でも結構ですが、とにかく自分がラクであることが大前提です。また姿勢をよくすることも重要ですが、これは何も背筋をピンと伸ばさないといけないという意味ではありません。あくまで身体に負担がかからず、何時間でもキープできそうなポジションを見つけましょう。
【ステップ4】目を閉じて、呼吸にのみ集中する
ここから瞑想に入ります。目を閉じて、自分の呼吸に意識を集中しましょう。最初は頭の中をさまざまなことがよぎるでしょうが、それに気づいたらまた呼吸に意識を戻すようにします。
【ステップ5】自分を観察する
うまく呼吸に集中でき、心が落ち着いてきたら自分を”観察”してみましょう。例えば特定の身体の部位に意識を集中して、自分の身体の声を聞くような感覚です。
ここで、もしさまざまなことが頭をよぎり始めたら、呼吸に集中するようにしましょう。
いかがでしたか?毎日忙しく仕事をしていると脳が休まる暇がありませんが、瞑想をすることによって脳は本来の力を取り戻します。またゾーンを経験したらハイパフォーマンスを発揮することが出来るかもしれません。
いつも忙しくしている人にも、短時間で簡単に始められることがお分かり頂けたかと思います。
監修:リクナビネクストジャーナル編集部
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