閣僚の失言はなぜ相次ぐ? 石破茂「心構えないまま舞い上がっている」

自民党の石破茂衆議院議員

 衆議院議員で自民党の石破茂氏は2011年9月10日、BSジャパン「勝間和代#デキビジ」の収録で、新閣僚の失言が相次いでいる原因を分析した。石破氏によると、大臣という要職に就くことで舞い上がった気持ちを抑えきれていない点と、答弁などを官僚に任せられなくなったこの時代に、それぞれの分野を得意とする人材を大臣に充てることができていない点が挙げられるという。

 番組収録の冒頭、司会の勝間和代氏は「(前)経産相の鉢呂(吉雄)さんの発言、その前の一川(保夫)さん(防衛大臣)の『素人なので』という発言、さらにその前には平野(博文)さん(国対委員長)の『内閣そのものがまだ不完全なので』」など、新閣僚の発言が次々と問題視されたことについて、その原因はどこにあるのか石破氏にたずねた。

 石破氏はまず、「閣僚になる心構えができていない」ことがひとつの原因であると話した。自身の経験から、

「大臣になると、突然秘書官がやってきて、SP(身辺を警護する警察官)さんが付いて、ドでかい車が出てきて、ドでかい部屋があって、手をたたいて迎えられる。『大臣、大臣』と言われる。それを夢にまで見た人もいるわけで、やっぱり普通、人間舞い上がるでしょう」

とした上で、だからこそ「舞い上がってはいけない」と自分に強く言い聞かせる必要があると語った。

 石破氏はまた、自らは小学生時代からテレビで内閣改造を見ており、新大臣が「この分野はよく知りませんがよく勉強して…」と語るのを聞くと、「なんじゃこりゃ。大臣ってこれから勉強するんだ」と子供心に不思議に思っていたという。しかし石破氏によると、当時は「経済が高度成長している。そして冷戦構造で米ソ(アメリカとソビエト連邦)のバランスが取れており、紛争が起きにくい状況だった」ため、大臣は「素人」でもよかった面があるという。また具体的には、

「予算委員会で、以前は局長とか部長とか審議官が答弁していたが、今は大臣以外の答弁は許さないってことになっている。これまでの大臣みたいに、(官僚に)書かれたものを読んでいればいいって話にはならないわけです」

と分析。つまり、当時の大臣は「”お飾り”でよかった」(勝間氏)面があるが、時代が変わったにもかかわらず、その閣僚人事のあり方を継続してしまっていることもひとつの原因であるという見解だ。

 石破氏は野田佳彦総理大臣の閣僚人事について、

「この人がこの分野に一番向いてるという人をはめたとは、到底思えない。個人の誹謗中傷するつもりはまったく無いが、財務をやったことがない人が財務大臣、防衛をやったことがない人が防衛大臣、農政畑の人が経産大臣。それで、『素人だがこれでいいのだ』と言って正当化するのは、ちょっと理解できないですね」

と批判した。

◇関連サイト
・BS JAPAN「勝間和代#デキビジ」公式サイト
http://www.bs-j.co.jp/dekibiz/
・[ニコニコ生放送]石破議員の分析から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv62374482?po=news&ref=news#2:27

丸山紀一朗

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