池田信夫「信用できる個人の時代に」 3.11以降のメディアを語る
ITの力で被災地を復興させるべく議論する「IT復興円卓会議」第2回が2011年8月19日に開催され、ニコニコ生放送で中継された。パネリストのひとりでジャーナリストの池田信夫氏は、福島第1原発の事故直後のソーシャルメディアでは「大げさな話ほど爆発的に拡がった」とし、「ソーシャルメディアの弱点をむしろ感じた」と語った。また、行政やマスメディアにおける原子力の専門家不足を指摘。「この人は信用できる、信用できないという個人レベルの信用のほうが確か」として、今後は「個人の信用で情報が格付けされる時代になる」と語った。
池田氏は、東日本大震災にともなう福島第1原発事故の直後、ツイッターを中心にメディア批判が広がったことについて、「(事故発生当時は)原子炉の中に何が起こっているかなんて、ほとんどの人がわからないわけだから、マスメディアが想像であれこれ言うわけにはいかない」と述べ、「(出所の不確かな)危ない情報のほうが(インパクトがあって)面白い。だからRT(リツイート)でどんどん面白い情報が広がっちゃう」と分析した。
「今回わかったのは、記者クラブとかソーシャルメディア(の対立)と言うよりも”この人は信用できる”、”この人は信用できない”っていうのを、むしろ個人レベルの信用問題で考えたほうが確か」と語り、会社や組織といったブランドではなく「個人の信用でこれからは情報が格付けされていく時代になる」
と今後のメディア展望を語った。
コメンテーターのジャーナリスト・佐々木俊尚氏は、「従来、わりに”マスメディアは悪でソーシャルメディアが(善だ)”なんてことを言ってきたんだけれども、3.11以降そうではない」と述べ、池田氏の主張に理解を示した。そのうえで「(ツイッター利用者は)誰を信じていいかっていうのを判断できないでいる」として、「個人の信用の時代」への課題を提示した。
(佐竹祐哉)
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv59798260?po=news&ref=news#1:02:56
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