震源海域の海底に長さ80メートルの亀裂 写真と動画を公開

8/4、「しんかい6500」第1256回潜航(潜航者:野牧秀隆、海洋研究開発機構)サイト1、水深5351m。海底の亀裂。幅、深さともに約1m。亀裂は南北方向に走り、少なくとも約80m続く

 海洋研究開発機構は2011年8月15日、東日本大震災の震源海域付近の海底で、長さ80メートルに及ぶ亀裂などを映した、写真と動画を公開した。

・震源海域の海底写真を見る
http://news.nicovideo.jp/watch/np74279

 映像には、震源付近から北北東におよそ150キロ、水深5351メートルの海底に、幅と深さ約1メートルの亀裂が、80メートルにわたって続いている様子が映し出されている。また別の水深3218メートルの海底にも、長さ数十メートルにわたる亀裂を確認。海洋研究開発機構は、これら海底の亀裂について「東北地方太平洋沖地震を含む一連の地震活動で、海底が変動したため生じたものと考えられる」と説明している。

 これらの写真や動画は海洋研究開発機構が7月30日から8月14日にかけて、震災による深海生態系への影響、海水中の化学変化、海底の変動を調べるために震源海域の調査を実施し、有人潜水調査船「しんかい6500」による潜航調査で撮影されたもの。

 調査結果によると、三陸海岸東方の日本海溝海域の水深約3200mから5350mにおいて、海底の亀裂や段差、海底下からの湧水現象に伴うバクテリアマット・海底変色・ナギナタシロウリガイの生息、ウシナマコ類の高密度生息が確認された。

 今後は、調査結果の検討を進め、調査を継続していくとのことだ。

(三好尚紀)

【ニコニコ動画】東北地方太平洋沖地震震源海域の海底映像(2011年8月15日公開)

◇関連サイト
・震源海域の海底「映像」を見る
http://www.nicovideo.jp/watch/1313465049
・震源海域の海底「写真」を見る
http://news.nicovideo.jp/watch/np74279
・[ニコニコチャンネル] ニコニコニュースちゃんねる
http://ch.nicovideo.jp/channel/ch2525

【関連記事】
「終わりなき日常」の終焉 東浩紀、再び大災害が起きたら「みんなパニックになる」
「原発は”継続すべき”、”安全確保し再稼動”という意見が5割超」福井県知事に聞く 全文(後編)
元外交官・佐藤優氏、日本で「ニヒリズムが蔓延しているのが恐い」
自宅へ”一時立ち入り”した浪江町住民に中継基地で話を聞く「ネコが住み着いていた」
海自の練習艦かしまの艦長「オペレーション・トモダチ」を語る

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 震源海域の海底に長さ80メートルの亀裂 写真と動画を公開
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング