MY FAVORITE 5 SONGS THE JACK MOVES
ミュージシャンがお気に入りの5曲をセレクトする大好評企画第9弾。まるで60~70年代ソウル黄金期の名盤のような佇まいと評され、ストリート・カルチャーが生んだ甘くやるせないモダン・ヴィンテージ・ソウル・サウンドを奏でる期待の新星、ザ・ジャック・ムーヴス選ぶ5枚を紹介。
Showbiz & A.G. / Runaway Slave
とにかくこのレコードに関するすべてが素晴らしいんだ。タイトルからキックドラムまで完璧。なぜShowbizが韻を踏むのをやめてしまったのか、俺には理解できないよ。俺の視点からすればA.G.よりも上手だったように思うれど、彼はきっと制作に夢中だったんだろうな。それにこれもちょっと言い過ぎかもしれない 、なんせこのユニットはA.G.の存在あってこそだから!この作品はShowbizやDiamond D、Lord Finesseみたいな偉大なプロデューサーがHip-Hopのプロダクションを全く別のレベルへと引き上げるきっかけになった初期のアルバムのひとつだ。彼らほどヤバいものをサンプリングしてるやつってほんの一握りだったんだ、でもそういうやつらこそが本物だった。おまけにこのアルバムには歴史上最も偉大なラッパー達のうちの一人であるBig Lが初めてフィーチャーされてるってのも本当に凄い。これだけでもこの作品がどれだけヤバいかってことがわかるよ。
Blue Magic / S/T
その名の通り魔法使いみたいなTed “wizard” Millsの手腕によって、Blue Magicには常にミステリアスなブードゥーのヴァイブスがあった。このちょっとおかしなやつらは、流麗で最もすばらしいリズムセクションであるTSOP(フィラデルフィア・サウンド)の代表格。 “Spell”、“Sideshow”、そして “What’s Come Over Me” みたいな曲はすごく柔らかくて繊細で、いつも魂を落ち着かせてくれるんだ。
Guns N’ Roses / Apetite For Destruction
このアルバムが発売されたおかげで、俺はタバコを吸うようになったんだ。ほんとに悪いやつさ。俺はMr.Brownstoneがなんなのかわかっちゃいなかったけど、関わったらヤバいってことだけは感じてた。で、彼が夜行列車にいると言ったとき、俺はそのころまだ酒も覚えていなかったけど、彼が話していた内容はなぜか理解できた。彼は当時テレビで観てたラッパーみたいにヤバかった。こいつはマジでイカれてるって思ったのを覚えてる。それからこのぶっ飛んだアルバムが出た。このアルバムの曲はどこでだってプレイできたよ。’Paradice City’はクラブを躍らせたし、ブラックのクラブだって沸かせてた。このバンドの全員が骨の髄まで、真のロックスターだよ。このグループに偽りの部分なんてひとつもない。
Marvin Gaye / What’s Goin’ On
Berry Gordyは当初このアルバムを発売することを嫌がっていたんだけど、Marvin Gayeはなんとか発売にこぎつけたんだ。BerryはのちにこのアルバムこそがMotownでリリースした最も素晴らしい作品だと認めているけどね。この音楽と歌詞はすごく神聖で、Marvinのソウルがレコード全体に行き渡っているように感じられるはずさ。個人的な見地からこんなにも深いレコードをつくったのは彼が初めてだった、彼がすべてを変えてしまったんだ。もしこのレコードが語りかけてこないと言うのなら、君はきっと荒野に出てひとり少しの間自分自身を見つめ直しすべきだ。
Michael Jackson / Off The Wall
みんな ‘Thriller’ をベストアルバムに挙げるけど、俺たちは‘Off The Wall’ を推すね。 このアルバムも‘Thriller’ みたいにヒット曲ばかりだけど、もっと生々しくてよりファンキーだよ。バンドとアレンジはおかしいんじゃないかってくらいタイトで、 マイケルはすべてのトラックで圧倒的。Quincy JonesとMichael Jacksonのチームは努力型の音楽制作者の典型だよ。
THE JACK MOVES
『The Jack Moves』
1月16日発売
(Wax Poetics Records / Beat Records)
beatkart: http://shop.beatink.com/shopdetail/000000001996/
iTunes: http://apple.co/1lYzRkq
amazon: http://amzn.to/1PxEn63
Tower Records: http://bit.ly/1N4Bp30
HMV: http://www.hmv.co.jp/artist_Jack-Moves_000000000453372/item_Jack-Moves_6770530
ニュージャージー州ニューアークを拠点にするシンガー/マルチ奏者のズィー・デスモンデスと、プロデューサー/ドラマーでプロのスケーターでもあるテディー・パウエルからなるデュオ。2人はニューヨークの伝説のスケートパーク、トンプキンス・スクエアで知り合い、ヒップホップやソウルなど共通の音楽の趣味を通じて意気投合。2人は、敬愛する60~70年代のソウル・アーティストのサウンドを模倣から始めてはいながらも、デビュー作となる今作で、ファルセットが生み出すソウルフルなフィーリングと“現世代”の感覚でソウルのグルーヴを再構築。多様なサウンドやスタイルを自身のフィルターに通し、オリジナルかつエヴァーグリーンなソウル・サウンド音楽を生み出すことに成功した。デビュー・アルバム『The Jack Moves』は、日本盤CDのみオージェイズやマンハッタンズを手掛けたニュージャージー甘茶ソウルの帝王ジョージ・カーとの共作曲が、ボーナス・トラックとして追加収録し、1月16日にリリース。
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