冷蔵庫2015年モデル検証シリーズ⑤〜シャープ プラズマクラスター『SJ-GT41B』は都市生活向きトガり家電 編
2015年モデル「冷蔵庫」を次々取り上げてきたが、今回はシャープ(SHARP)の最新機種だ。これまで日立、パナソニック、東芝では最上位機種を紹介してきたが、今回は一番“シャープらしい”目の付けどころのモデルとして、中堅機種である幅60cmスリムタイプでメガフリーザーを搭載した『SJ-GT41B』(市場予想価格 税込約227000円・2015年11月19日発売)を取り上げる。
※冷蔵庫選び全般の予備知識はシリーズ初回を参照してほしい。
目の付けどころだけでなく、目指す未来までがシャープに変化!
一斉を風靡したシャープのスローガン「目の付けどころがシャープでしょ。」だが、2010年からは「目指してる、未来がちがう。」に変更となっていた。つまりこれ、他社とは違う方向に進むことを高らかに宣言するもの。その攻撃的なイズムは、最新の冷蔵庫にも満ちている。
都会に暮らす共働きのオシャレな夫婦。それがシャープ製冷蔵庫のターゲットであると、今回の取材を通じて記者は痛切に感じた。オシャレなカラーリングと冷凍容量の充実、そして細かな工夫で、シャープは都市生活者にピッタリの個性的な冷蔵庫を生み出したと言っていいのではないか。それでは記者がそう感じた、細かな特徴を見ていこう。
独自カラーリングでインテリアとしての先端を行く
シャープはかつて大ブームを呼んだスチームオーブンレンジ「ヘルシオ」シリーズで、海外製家電と見紛うばかりのビビッドなレッドを用いたカラーリング展開を見せて評判となった。今では通称”ヘルシオレッド”とも呼ばれ、赤いオーブンレンジは普通に珍しくない状況になっているのはご存知の通り。
今回の最新冷蔵庫においても、他社にない色合いのモデルを発表している。特に目を惹くのは「フロストグリーン」だ。グリーンと言ってもブルーとの中間色で、クールでありつつモダン。これまた国産冷蔵庫では見かけないカラーリングである。またピアノブラックと呼んでもいい真っ黒な「ピュアブラック」も冷蔵庫らしからぬ色味で驚かせる。
さながらデザイン家具のような存在感があり、日々の生活をオシャレに彩ってくれるのだが、確かにキッチンを作業場と捉えるか、日々の生活の美しい一コマとして考えるかの大きな違いがここにある。
従っていかにも家電みたいな色合いがイヤだ、冷蔵庫もオシャレであってほしいと考えるなら、この機種が間違いなく候補のひとつに挙がるはず。例えるなら性能よりもデザインでWindowsパソコンよりもMacを選ぶような、そんなニュアンンス。もちろん人それぞれによって価値観は様々なので、どちらが正しいという話ではない。
では一体どんな用途にこの冷蔵庫は適しているのだろうか。
週末にまとめて購入した食材を大量に冷凍するのに最適
日々ハードに働く都市生活者。普段から野菜を採りたいと思っていても、平日にスーパーで買い物をして帰るほどの余裕はない。そうなると大切になってくるのは野菜室よりも冷凍室の広さ。
まさにそれを形にしたのがこの『SJ-GT41B』。大容量冷凍室「メガフリーザー」のサブネームを冠するこのモデルは、他メーカーの同クラス機種と比べて強力な大容量を実現している。週末に炊いたごはんや茹でた野菜を大量に冷凍しておいて平日に使う、そんな生活サイクルを助けてくれるはずだ。
冷凍室内は3段、 そして4切り名人(しきりめいじん)が便利
とはいえいくら大きくても食品が重なってしまい、奥の食品が死蔵されてしまうのなら意味はない。その点この広い「メガフリーザー」室内は3段に分かれており、大量の冷凍食品を効率的に保管できる。加えてさらに使い勝手を良くしてくれるのが「4切り名人」(しきりめいじん)。
ダイヤルを捻ればワンタッチで仕切りの位置を変えられる、ごく単純な機能だが、直感的操作が可能なので実に使いやすい。冷凍室内の作業は手が冷えるから、煩雑な部品の付け外しをしなくて良いのは快適だ。
そして新たに搭載したわけではないが、忘れてはならないシャープの特許機能がある。それは……、
「どっちもドア」はシャープだけの特許機能
そして忘れてはいけないのがドアを右からも左からも開けられる「どっちもドア」。大型になると大抵フレンチドア(観音開き)になり、スリムなモデルになると片側オープンになるのが普通だが、すでにキッチンの置き場所が決まっている場合、どちらに開くかというのは使い勝手を大きく左右する。
そうした心配を過去のものとするのがシャープだけの独自機能「どっちもドア」。右からでも左からでもドアが開く。すごく単純だが、これによって、将来的にどんな家に引っ越しても問題なく使える点は素晴らしい。
キッチンの間取りが変わることによって、泣く泣く冷蔵庫を買い替えるような悲惨な目に合わなくてもよい。親の土地に注文住宅を建てて〜という人には関係の無い要素だが、これからの人生で引越し・転勤の可能性がある人には、とても魅力的な機能なのである。※シャープ製冷蔵庫すべてに搭載されているわけではないので、購入時には確認のこと。
定評のある「プラズマクラスター」機能で庫内除菌
もうひとつ、シャープと言えば「プラズマクラスター」である。除菌・脱臭機能として空気清浄機を中心にいろいろな家電に搭載された機能。ブームはひと段落した感があるが、あの高級感あふれるエンブレムを誇らしく感じる人も多いのでは?
食品を保存する冷蔵庫の清潔性は気になるものだが、プラズマクラスターイオンが庫内の空気を除菌はもちろん、付着菌まで除菌してくれる。普段から使用して効果を実感している人なら大いに魅力だろう。
野菜室を重視するなら、わざわざシャープを選ぶべきではない
このように、シャープの冷蔵庫は独自の方向性を追求しており、決して万人向けの商品ではない。たとえば野菜室については、優先順位の低い位置付けなのが明確だ。今回取材した『SJ-GT41B』メガフリーザーにおいては、冷蔵室の中に野菜室という配置がなされている。
野菜室は小容量の設計であり、普段から野菜をたくさん常備して活用する機会の少ない人に適している。良く言えば所帯染みていないライフスタイルにピッタリの構造だ。
ただ独立した野菜室で真ん中に位置するのは東芝となりがちだが、冷蔵室と一体化しているので結果的に真ん中に野菜室があることになり、取り出しやすくはある。また、野菜室専用のLEDライトが付いているので、小物や使いかけの野菜も見つけやすい。屈んでゴソゴソ探す必要がないのだ。
まとめ:使う人を選ぶがハマれば最高の”尖った”魅力の冷蔵庫
コンセプトが明快なので、合う人にはことさら合う、これ以上ない逸品になるはずだ。その他の細かな機能をみても、すべてが都市生活者向けのコンセプトに沿って考えられていることがわかる。
たとえばドアを全開することなく隙間から大型ペットボトルを取り出せる「側取り(そくどり)ポケット」は狭いキッチンでの使い勝手を考慮した結果だ。とにかく良い意味で“尖った”冷蔵庫だった。
【スペック】
シャープ プラズマクラスター冷蔵庫『SJ-GT41B』(どっちもドア)
(市場予想価格 税込約227000円・2015年11月19日発売)
カラー グラデーションレッド/サテンブラウン/ピュアホワイト/フロストグリーン/ピュアブラック
設置サイズ/重量 高さ1870 × 幅610 × 奥行699mm 85kg
容量 冷蔵室260L(うちチルド16L/野菜室35L)/冷凍室24L+105L/アイスルーム21L
年間消費電力 230kWh/年
特徴① 大容量冷凍室「メガフリーザー」
特徴② 冷蔵室と野菜室を1室に集約した「らくらくワンアクセス」
特徴③ プラズマクラスターイオンで浮遊カビ菌や付着菌を除菌
特徴④ どっちもドア
シャープ 410L 4ドア冷蔵庫(グラデーションレッド)SHARP プラズマクラスター冷蔵庫 どっちでもドア SJ-GT41B-R
シャープ 410L 4ドア冷蔵庫(サテンブラウン)SHARP プラズマクラスター冷蔵庫 どっちでもドア SJ-GT41B-T
シャープ 410L 4ドア冷蔵庫(ピュアホワイト)SHARP プラズマクラスター冷蔵庫 どっちでもドア SJ-GT41B-W
シャープ 410L 4ドア冷蔵庫(フロストグリーン)SHARP プラズマクラスター冷蔵庫 どっちでもドア SJ-GT41B-G
シャープ 410L 4ドア冷蔵庫(ピュアブラック)SHARP プラズマクラスター冷蔵庫 どっちでもドア SJ-GT41B-B
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