東電株議員は「東電救済」法案に賛成するのか反対するのか

東電本社

「東電救済」法案とも呼ばれる「原子力損害賠償支援機構法案」が本日7月28日13時頃の衆院本会議を通過する予定だ。この法案、民主・自民・公明の大連合が水面下の修正協議を終えているので、すんなり通過すると言われているのだが、果たして東電の利害関係者に相当する議員はこの法案に対して賛成するのだろうか、反対するのだろうか。その動きが注目される。

zakzak誌が2009年~2010年の資産等報告書を調査したところ、資産公開時の東電株保有議員トップ10は以下のようなものだったらしい(敬称略)。

石破茂 自民 4813株
井上信治 自民 3400株
鳩山邦夫 無 3044株
今村雅弘 自民 2000株
塩崎恭久  自民 1659株
小宮山洋子 民主 1500株
小林正夫 民主 1400株
下条みつ 民主 1313株
田中真紀子 民主 1277株
宮沢洋一 自民 588株

※zakzak誌のデータを引用させていただきました

上位は自民党・民主党の議員が占める。例えばトップの自民党、石破茂氏は4813株で震災直前の株価で計算すれば1000万円ほどの価値があった。しかし震災後、東電の株価は急落し、昨日の終値431円で計算すれば200万円ほどとなってしまっている。大きく価値が目減りしているのだ。そしてさらに、もし東電が「破綻」してしまえば株券が「紙切れ」となってしまい、その価値はゼロ。本日衆院本会議を通過するといわれている「原子力損害賠償支援機構法案」の中味は、東電の「破綻」を回避し株主や銀行の責任負担を事実上不問にするものだが、果たして東電株を保有している議員の方々はこの法案について「賛成」なのか「反対」なのか気になるところだ。実際、海江田経産大臣は26日の衆院震災復興特別委員会において、「東電の債務超過は想定しているのか」という質問に対して「想定しておりません」と答えている。

●復興特別委のその発言部分の動画
http://youtu.be/_jWcoGb3Q58


「債務超過を想定していない」というのはつまり、東電の破綻は想定しておらず、直接の利害関係者である株主や銀行の責任も問わない、ということになる。東電株を取得した経緯もさまざまだろうし、この法案に関して各議員は悩んでいるかもしれない。しかし東電株を保有してる議員のみなさんが、株を保有している会社を守るためだけに「賛成」を投じるということはないと信じたい。

※トップ写真: 東京電力本社(千代田区内幸町) / kawanet / http://www.flickr.com/photos/u-suke/5599606717/

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深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

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