Windows Phone 7.5“Mango”を搭載したauのスマートフォン『IS12T』が9月に発売へ

Windows Phone 7.5“Mango”を搭載したauのスマートフォン『IS12T』が9月に発売へ

KDDIは日本マイクロソフト、富士通東芝モバイルコミュニケーションズと共同でau向けスマートフォン新製品『Windows Phone IS12T』の発表会を開催しました。日本では初めてOSにWindows Phoneを搭載したスマートフォンで、9月以降に発売を予定しています。

Windows Phoneは、Windows Mobileの後継となるスマートフォン用OSで、2010年に日本を除く35か国でWindows Phone 7を搭載したスマートフォンが発売されました。『IS12T』でも搭載する最新のWindows Phone 7.5はコードネーム“Mango”と呼ばれ、500以上の機能が追加されています。

日本初上陸となる

発表会では最初にKDDI代表取締役社長の田中孝司氏が登壇。Windows Phoneを投入する背景について、「選べるスマートフォン」としてスマートフォンのラインアップを拡充し、「いいモノを、いち早く」市場へ投入する意図があることを説明しました。

Windows Mobileとの比較

KDDIは昨年、Windows Mobile 6.5.3を搭載した『IS02』を発売しています。パソコンのWindowsをモバイルへ持ち込むWindows Mobileと比較して、Windows Phoneはスマートフォンでの使い勝手を重視し、直感的に使いやすいユーザーインタフェース(UI)を採用している点、クラウドを経由してパソコンなどと『Office』文書を共有できる点を特徴として挙げました。

クラウド経由の共有については説明に時間を割き、ストレージサービス『SkyDrive』にドロップした文書をパソコンやスマートフォンで共有できること、ビジネスでもプライベートでも端末を問わずに共有できることを強調しています。

『IS12T』を1か月使ってみたという同氏は、使用感について「最初の1日から1日半はとっつきにくい。でもだんだん気持ちよくなってくる」と語り、特にSNSとの連携が「うまくできている」と評価していました。

UIの特徴

続いて日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏が登壇。Windows Phone 7.5の特徴についてプレゼンテーションしました。ホーム画面はアプリ単位ではなく、機能別に整理したタイル状のUIを採用。個別のアプリメニューでは1画面をスクロールして使う『パノラマUI』は、Windows 8でも同様のものが採用されると語りました。

SNS連携

KDDIの田中社長も触れたSNSとの連携は、『Twitter』や『Facebook』の機能をOSに融合して実現したもの。アドレス帳やフィードを統合して、だれとつながるのか“人”をキーに選択し、その人に対して通話やメール送信、SNSによる連絡を選択できるインタフェースを採用しています。

軽快な動作

動作の軽快さについての説明では、ブラウザに『Internet Explorer 9』の技術を採用、ハードウェアアクセラレータの実装により軽快な動作を実現していると語り、日本語入力システムではフリック入力時に濁点や半濁点を候補に表示する『カーブフリック』を採用していることを明らかにしました。

本体カラーはシトラス、マゼンタ、ブラックという鮮やかな3色

最後に登壇した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の大谷信雄氏は、端末の特徴を説明しました。厚さ約10.6mm、重量約113gのコンパクトな本体は防水・防じんに対応し、「ヨーロッパのステーショナリーをイメージした」という本体カラーはシトラス、マゼンタ、ブラックという鮮やかな3色。

1320万画素のカメラを搭載し、『Millbeaut Mobile』エンジンにより高速、高精細な画像処理を実現

1320万画素のカメラを搭載し、『Millbeaut Mobile』エンジンにより高速、高精細な画像処理を実現しています。本体の内蔵メモリーは32GBと大容量で、音楽なら9000曲以上、静止画なら5600枚以上、ゲームなら2800本以上が保存可能。

機能別に整理されたタイル状UI アプリ別の起動メニューもあります

タッチ&トライコーナーで実機を触ってみました。ホーム画面のタイル状のUIは、『INFOBAR A01』にも似た洗練された雰囲気。横にスワイプすると、アプリ別に起動できるメニュー画面が表示されます。

『パノラマUI』の左端は縦書きメニューが 横にスライドさせてメニューや更新情報を確認

1画面をスクロールして使う『パノラマUI』は、ビジュアル的には美しいのですが、一番左に表示されるメニューリンクが縦書きになっているのが不思議な感じがしました。日本向けを意識したローカライズがされているようです。

Xbox Liveと連携可能

「games」のメニューは、『Xbox Live』と連携。アバターや実績の情報を表示できるほか、ダウンロードしたゲームアプリをここで管理します。

濁点、半濁点が打ちやすい『カーブフリック』

『カーブフリック』を試してみました。「は」に指を置くと、「は」を中心にして左に「ひ」、上に「ふ」、右に「へ」、下に「ほ」が入力候補として表示されるのは、スマートフォンユーザーならご存知のとおり。『カーブフリック』では、「は」のように濁点、半濁点が打てる文字に対して斜めに濁点と半濁点を表示し、それを選ぶことで「ば」「ぱ」の文字が入力できます。入力スピードが速くなるこの機能は、ユーザーに歓迎されそうです。

背面 側面に回りこむラウンドフォルム

本体は面が側面に回りこむようなラウンドフォルムで、持ちやすく感じました。ポップな色使いは、女性にもアピールしそう。CPUは『Snapdragon』のMSM8655を採用し、電池容量は1460mAhとのこと。Androidのように『Flash Player』には対応していませんが、『YouTube』のアプリは提供されています。

短時間触っただけですが、UIの完成度の高さと軽快さは十分に感じられました。これからスマートフォンに乗り換えるユーザーで、iPhoneとAndroid以外で選びたい人には魅力的な端末になるかもしれません。実機は7月28日から東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオと愛知・名古屋のau NAGOYAに展示されるそうなので、先物買いの皆さんはチェックしてみてはいかがでしょう。

3色の本体カラー

『Windows Phone IS12T』主な仕様
通信方式:CDMA 1X EV-DO Rev.A WIN HIGH SPEED
サイズ:約W59×D10.6×H118mm(最厚部13.3mm)
重量:約113g
連続通話時間:約400分
連続待ち受け時間:約280時間
充電時間:約160分(AC時)、約240分(DC時)
本体カラー:シトラス、マゼンタ、ブラック
ディスプレー:約3.7インチ WVGA 800×480 TFT液晶
カメラ:有効画素数1320万画素
無線LAN:IEEE802.11b/g/n
Bluetooth:2.1+EDR
外部インタフェース:microUSB
主な対応サービス:Cメール(受信のみ)、Eメール(10月上旬対応予定)、グローバルパスポート

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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