障害者を積極的に雇用するIT企業社長、自身もパニック障害に苦しんだ過去も

障害者を積極的に雇用するIT企業社長、自身もパニック障害に苦しんだ過去も

 ITシステムの構築やITエンジニアの派遣をはじめ、飲食事業「匠(たくみ)カフェ」など、多角的に事業展開をしている株式会社アイエスエフネットグループ。

 自閉症スペクトラムなどの発達障害から、うつ病や統合失調症などの精神障害、知的障害など、障害の程度や症状もさまざまな人々が活躍する同社ですが、その経営方針は、創業者・渡邉幸義(わたなべ・ゆきよし)さんの著書『雇用創造革命-ひきこもりも知的障がいも戦力にする執念の経営-』(ダイヤモンド社刊)、『お母さん、障がいの子どもを応援しますよ。』(学研パブリッシング刊)でも紹介されています。

 また、障害者本人だけでなく、当事者の親と直接対話し、情報を共有する「ご家族と語る会」を実施し、家族からも高評価を得ている渡邉さんですが、近著『つながる雇用を実現します!  誰もが輝ける会社に──アイエスエフネットの限りない挑戦』で、「実は、私自身もかつては精神の不調に悩まされた、メンタル不全者でした」と、自身がパニック障害の症状に苦しんだことを打ち明けています。

 起業する前に、会社勤めをしていた渡邉さんは、仕事のストレスでボロボロになり、食欲不振や不眠、電車に乗れなくなる、何度も救急車を呼ぶほどの過呼吸など、7年間もパニック障害の症状に苦しむ日々を送っていました。

 ところが、アイエスエフネットを創業したとたん、症状は改善。

 渡邉さんは当時を振り返り、「人とのつながりよりも数字や効率が優先される場所では、だんだんと心は疲弊していく(中略)自分の意志ではコントロールしようがない心身の不調というものがあるのだと、身をもって知った」(同書より)と述べています。

 自身の経験を踏まえ、「誰もが安心して働ける社会を作りたい」(同書より)という考えに行き着いた渡邉さんは、障害者以外にも、ひきこもりやニートなど就労困難者の雇用にも意識的に取り組んでいます。自身の経験を交えて語る同書の言葉は、当事者はもちろん、ご家族の方にとっても、希望の光となって響いてくることでしょう。

■関連記事

安保、沖縄、福島……私たちがいま考えるべき問題の本質とは?
「選挙権」のありがたみと民主主義の素晴らしさを伝えたい――元・中国人が日本に帰化してまで政治家を志した理由
繰り返される中韓の謝罪要求 原因は日本にあり?

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 障害者を積極的に雇用するIT企業社長、自身もパニック障害に苦しんだ過去も

BOOKSTAND

「ブックスタンド ニュース」は、旬の出版ニュースから世の中を読み解きます。

ウェブサイト: http://bookstand.webdoku.jp/news/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング