空き家の維持に年間45万円……実家をゴミ屋敷にしないためにはどうしたら?
今年5月に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」は、いわゆる”ゴミ屋敷”まではいかずとも、倒壊の危険や衛生上の問題など放置されたままでは近隣住民に迷惑がかかる”危険な空き家”に対して、行政代執行により、強制的に解体させるという法律です。この対象となると、これまでは6分の1に抑えられていた固定資産税の軽減措置も解かれ、6倍の固定資産税を支払う義務が生じます。
中古住宅の売買に精通し、『マイホームは、中古の戸建てを買いなさい!』、『プロだけが知っている! 中古住宅の魅せ方・売り方』などの著作もある高橋正典さんは、近著『実家の処分で困らないために今すぐ知っておきたいこと』で、実家を放置することは、大きなリスクを抱えることになると訴えています。
たとえば、同書で紹介しているSさんの例。Sさんの実家は、築40年。誰も住んでいない空き家を維持するために、固定資産税をはじめ、実家に行くための交通費、さらに、雪深い地方のため冬場には雪下ろしの費用もかかり、1年間で合計45万円も捻出することに。
空き家を所有することにこんなにお金がかかるなんて……思わず絶句する方も多いかもしれません。とはいえ、自分が生まれ育った家であり、両親との思い出が残る実家を処分することに抵抗を感じる方もまた多いでしょう。
自身も30歳で二世帯住宅を建て、そこに両親を呼び寄せた高橋さんは、実家をゴミ屋敷にしないためにも、「親が元気なうちに将来的に誰も住まなくなる実家をどう処分するか、または活用するかということについて話し合っておくことです」(同書より)と述べます。同書では、家の売り方や賃貸に出すときのポイント、二世帯住宅のメリット・デメリット、両親との話し合い方まで網羅。実家をめぐる問題の解決につながる多様な選択肢を紹介しています。
空き家問題はもはや、誰の身にも起こる可能性があることであり、決して他人事ではありません。この機会に1度、実家について話し合ってみてはいかがでしょうか。
■関連記事
自らの"老い"との向き合い方とは?
「なんで?」は禁句 夫婦の"イライラ"を減らすコツ
ホテルニューグランド、富士屋ホテル、奈良ホテル……日本を代表する"名建築"の老舗ホテルとは
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。